完全に終わりかかっている現在のマスメディアの状況に関して、池上彰がまっとうな批判を行っているらしい。
リテラの【
「国益に反して何が悪い?」池上彰が朝日叩きとネトウヨの無知を大批判!】という記事でその概要を知ることができる。
次のようなまっとうな発言を久しぶりに目にした気がする。
●
メディアが「国益」と言い始めたらおしまい
●これが
国益に反するかどうかと考え始めたら、いまの政権を叩かないのが一番という話になるわけでしょう。それでは御用新聞になってしまう。私は、
国益がどうこうと考えずに事実を伝えるべきで、結果的に国益も損ねることになったとすれば、その政権がおかしなことをやっていたに過ぎないと思います。
●〈歴史的な発展段階で通る過程において起きることを、韓国だから中国だからこうなんだといって叩いている。
ちょっと前は日本だって同じだったよ、という歴史も知らないまま日本の誇りを持つというのは、非常に歪んでいます。〉
〈
「昔はよかった」とか「取り戻そう」というのも、その「昔」とは何なでしょうか。日本はいま街にゴミを捨てる人もいないけれど、一九六四年の東京オリンピックの前に一大キャンペーンが行われるまでは本当にゴミだらけで、青山通りから渋谷は、風が吹くとゴミが舞っていた。〉
〈
昔から日本は清潔好きで、行列はちゃんとつくる優等民族だという発想がこわいですね。民族の問題じゃない。発展段階や政治体制の問題なのに。〉
●〈国益について言うと、ドイツは七〇年間「ナチスのドイツといまのドイツは違う」と言い続けてきて現在がある。
日本が慰安婦問題で「昔の軍国日本の行為です。平和国家日本は違う」ときちんと言えなければ、昔の日本は悪くなかったと主張していると受け止められるでしょう。そういう大局観がないと、それこそ国益を損ねますね。〉
「取り戻そう」と書いているあたりは、「日本を取り戻す」なんていう安倍晋三総裁の自民党のキャッチフレーズが念頭にあるのかもしれない。

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