先日少しだけ見てきた展示についてメモ。
◆「駅弁」についての展示が興味深い。
駅弁は明治20年にはすでに存在しており、北海道では明治23年に札幌駅で販売された「押し寿司」がはじめであるという。鉄道を中心として交通機関が発達した時期であることが一つあげられる。国民国家としての体裁を整えつつある時期であったことも、交通の発達の背景にはあるだろう。
また、昭和26年には北海道庁に観光係が置かれ、旅行の大衆化が進み、それに対応して様々な駅弁が売られるようになった。昭和30年前後の駅弁の包装紙が多数展示されており、
高度成長が軌道に乗ってきた頃に旅行も大衆化していったことが見てとれる。
確か、
昭和10年代頃にも世界的な旅行ブームがあったと思うのだが、その頃には駅弁は流行しなかったのだろうか?
また、昭和16年に
食料統制によるコメ不足の対策として「いかめし」が生まれたという解説(森駅の駅弁)は興味深かった。函館あたりでは今でも「いかめし」は名物であり、外国の友人にも紹介したことがあったが、こうした
歴史を伝えながら名物を紹介できるとよいと思う。
◆戦時中の記録の保存も重要な仕事であるという説明は印象的。
単伝という米軍機から撒布された爆撃の予告に関するビラの展示があり、興味を惹かれた。予め空爆予定の都市を記載し、それらの都市から逃げるよう一般市民に対して勧告する内容で、アメリカの人道主義の宣伝であると同時に、日本側の戦意喪失をも意図したものであることがわかる。

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