「寝耳に水」「八ツ場と同じ」憤る成田市長 羽田ハブ化
2009年10月13日13時41分
「羽田空港を国際ハブ(拠点)空港に」「成田は国際線、羽田は国内線という『内際分離』の原則を取っ払いたい」。12日に飛び出した前原誠司国土交通相の発言に対し、成田空港の地元で困惑が広がっている。事前の相談も説明もなく方針が発表されたことに、首長らは「八ツ場(やんば)ダムと同じ」と憤る。
「寝耳に水だ。成田は国際線、羽田は国内線という大原則を一方的に取っ払うことは民主的な対応とは言えない。地元の意見を聞かずに決めるのは八ツ場ダムと同じ構図だ」。成田空港の地元・千葉県成田市の小泉一成市長は13日午前、朝日新聞の取材に対し、前原発言を批判した。同日夕に周辺9市町で集まり対応を協議する。
成田空港は今月下旬、2500メートルに延伸されたB滑走路の供用が始まる。やっと国際線の大型機が発着できる滑走路が2本そろい、国際空港らしい体裁が整うという矢先に冷水を浴びせられた形だ。
「課題だった都心からのアクセス改善のために、来夏に開業する成田新高速鉄道にも地元は多額の資金を出してきた。『国際空港は成田が基幹』と言ってもらわなければ」と小泉市長は訴える。
地元商工業者らでつくる「成田空港対策協議会」の豊田磐会長は「地域分断の苦しみを味わいながら、苦渋の決断として空港建設を受け入れてきた歴史を考慮していない」と批判した。
前原国交相は13日、閣議後の記者会見で、成田市の小泉市長とは同日中にも電話で話し、千葉県の森田健作知事とは14日に会って考え方を説明する、と述べた。
前原国交相は、成田空港には約40カ国・地域が新たに乗り入れを希望していることなどから、羽田の国際化が進んでも「成田がダメになるということではない」と説明した。
asahi.comより。
十分な内容の精査がされているかどうかも分からないような案を唐突にぶち上げて後からやろうとしてみて、現実の複雑さに向き合うことになる、というのが民主党政権になってからの一つのパターンであり、それは望ましいとはいえない。
今回も、地元の意見を全く聞いていない段階で大臣からこうした決定的な発言が出るのは確かに問題だろう。
しかし、決定の内容自体は(残念ながら)前原大臣の案は悪くないというのが私の考えだ。
「地元」が反対している理由を見ると(上記の記事の他のものも含めて)
「空港は千葉県周辺の人々のために作られたのか?」と反論したくなる。
(追記2009.11.5 事業の公共性は単に地元の人びとのためでしかないのか?羽田は国内線中心にしておき、成田を国際線中心で使った方が、より多数の利用者(貨物も含む)により多くの便益――様ざまな観点からの利益・便益が考えられる――が生じるということを反対派は言えなければならない。)
それよりは
国際的なハブ空港には成田はなり得ず、羽田の方が可能性はずっと高い(もちろん、国際的なハブ空港は国内にあった方が良く、政府としては当然そうだ)というのが、私の基本的な立場である。
これは機会があればもう少し考察を深めたい問題ではある。

1