暫定税率期限切れの際の地方税収減600億、国が補てん検討
政府・与党は29日、ガソリン税などの暫定税率が4月1日以降、期限切れになった場合、地方自治体に生じる4月分の税収減約600億円について、国の財源で全額補てんする方向で検討に入った。
与野党の対立で暫定税率を維持できない事情を踏まえ、自治体に配慮する必要があると判断した。特例交付金の創設や、地方交付税の増額、臨時の地方債発行を認め、国が償還財源を負担する案などが浮上している。
暫定税率が失効した場合、政府・与党は、暫定税率維持のための租税特別措置法改正案など税制関連法案を4月下旬に衆院で再可決する考えだ。自治体が実際に減収になるのは、軽油引取税などの4月分だけとなる公算が大きい。
財源補てん策のうち、税収減を完全にカバーできるのは、特例交付金を創設して自治体に一括交付する案だ。地方交付税増額だと、東京都や愛知県などの「不交付団体」には交付できず、不公平感が生じる。臨時の地方債について、自治体側には「国が地方債の償還財源を確実に負担するかどうか分からない」といった懸念の声も出ている。
政府・与党は、補てんに充てる国の財源について、赤字国債は避けたい考えだ。自民党内には「特別会計の積立金から『埋蔵金』を見つけて充てるべきだ」との意見も出ている。
一方、国の歳入は、4月末の衆院での再可決を前提とすると、千数百億円減少する。政府は、28日に成立した2008年度予算に基づき、道路整備の計画をまとめるが、事業を絞り込む方針だ。仮に、再可決が遅れた場合には、河川などの整備に充てている建設国債を増発し、道路財源に回す必要に迫られる恐れもある。
(2008年3月30日03時03分 読売新聞)
まぁ、
地方の財政を穴埋めするというのは、現実的な対応といえよう。日本の地方自治体には「歳入の自治」も「歳出の自治」もないのだから、財源がごく僅かだけ欠けただけでも活動できなくなるのだから。(
暫定税率廃止を主張する人でこの問題を掘り下げて考えていない人はアウトである。「汝自身を知れ」と言っておく。)
しかし、福田首相が2兆6千億円の穴があくということを言っていたが――これはちょっとした思い付きだが――それだったら
暫定税率をやめて消費税を1%上げたらどうだ?とか思った。一般財源化するならその方が遥かに良い。なぜならば、ガソリン税を一般財源化するのはご都合主義でしかないからだ。
以前、日記編のブログに書いたと思うが、
「一般財源化した後のガソリン税の存在意義とは一体何なのか?」と考えると全く正当性がなくなるのである。正当性のない税を存在させるよりは消費税の方がマシではないか。地方譲与税分だった分も、地方消費税という形で地方に回るから問題は生じないだろう。たぶん。
もちろん、私は
累進課税論者だから、消費税を上げろなどと本気で思っているわけではないが、ガソリン税を一般財源化するなら消費税でもいいという立場だ。どのみちガソリン税は輸送費に上乗せされ続けることによって物価に反映している面があるのだとすれば、消費税と対して変わらないとも言えるのだし、「真に必要な道路」なら一般財源化しても予算はつくだろう、とも言える。
あるいは、
先日のモリタクの相続税の議論があったが、暫定税率をやめる代わりに増税の余地が膨大にある相続税を少しばかり増税することで、税収を確保するという選択肢の方がベターかもしれない。

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