珍しく(というわけでもないのだが)、函館を観光目的で訪問した。
なかなか良かった。私はこの数年の間に世界の名だたる観光名所を見まくってきたつもりである。そうしたものを参照しながら、函館という街を見ることができるようになっていた。まず、
この自分自身の変化が楽しい。
観光や景観という観点から見た場合、
起伏、すなわち坂や丘、山、谷といったものの果たす役割、意義の大きさを感じた。その点、函館という街は非常によい条件を持っている。
函館山からの夜景にしても、独特の地形要因なしには決してあれほどのものにはならなかっただろう。突き出した半島状の地形の先に山があるために、半島状の地形に広がるライトが非常に美しく街を飾る。
坂が多いので坂の上から港を見下ろすことができる。その上、湾状になっているので、港の向こう側にも陸地が見え、カーブした海岸線も楽しむことができる。
近代的というよりポストモダン的という方が近いような教会建築もある。これらも丘の上や坂の下などさまざまな角度から見ることでその姿を変える。
ちなみに、余談になるが起伏の重要性はイスタンブールなどについても当てはまる。トルコのモスクはこうした丘状の地形で映えるように設計されている。

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