今日はMacFan とMacPeople の発売日だニャー
という気持ちで本屋へ。
帰り道、ココイチからは強烈なスパイスの芳香が漂うので、この誘惑に打ち克つのは非常に困難なのですが(結局負けましたが。胃腸の調子が治ったばかりなのに10辛で痛めつけるオレ)、本屋へいくと、MacFanのとなりに紅い雑誌が置いてある。Newtonだ。
が、今回はちとちがう。
レギュラーのNewtonのとなりに野口英世に似た感じのA.Einstein の肖像画が表紙のNewton別冊も置いてある;
『みるみる理解できる 相対性理論』。1,995円。ISBN 4315517615
*** 読んでみる。そして閃いた!(※Aha体験) ***
実は、高校物理の段階、つまり大学入試の段階では力学ってかなり鬼門だった若いワシ。
運動方程式ですべてが語られる(ニュートンの力学)ことを悟ったのは、ついこの間。
数学的な座標系の導入、ベクトルの概念を使った位置速度加速度。
大学で習った剛体の力学で初めて見た、力のモーメント(ベクトルの外積ですが)。
実はさっぱりですた。…だって、わからないもんはわからんのです。
業務遂行上、これらの概念をコドモに伝えなければ活きていけなくなったその後のワシ。
自分で勉強して自分だけが理解することが、それを知らぬ人々へ伝えることよりはるかにラクだということを思い知り申した…。
というわけで、高校力学で扱う基本概念、ベクトルをようやくモノにできてきました。
力もちゃんと図示できるようになりました(今頃?)。
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電磁気で電磁場を扱う場合、もともと3次元人で質量による相互作用にどっぷり浸かったわしらにとっては、所詮は見ることも感じることもできぬ世界。故に、何が起こってようがしったこっちゃねぇ。
電荷(磁石)によって周囲の空間に電気的(磁気的)な『場』を形成し、『場』の傾き加減(ベクトル演算子でgradとること)が力の強さを表す、という、いわゆる近接作用の立場での描像も、大学2年で電磁気習ったときにはわりと「フーン」といった感じで理解はできました。
(よくある例として、スポンジに金属玉をのっけるとスポンジがへこむ、というのがあります。座標っぽさをあらわすために、スポンジにはマジックで格子状に線をひいておきます。スポンジのへこみ具合が、『場』の歪み具合、なんていうヤツのこと。イメージしやすい)
へこむスポンジの具体例からわかることは、真空中に電荷の存在があると、周囲の空間を変化させる、つまり電場が生じる、ということです。そこで(思考)実験。
わりとでっかいスポンジを用意。
そこに2個の同じぐらいの大きさの金属玉をポン、と間隔あけて置く。 へこみが二つできましたな?
二つの金玉(※誤解を呼ぶ表現)のあいだに、1発のBB弾でも置こうものなら、ソイツはたちまちへこみへと転がり始める…。
これが、真空中に置かれた二つの電荷による合成電場から静電気力をうける試験電荷の図、となるわけです。
高校物理では近接作用(場の力)の立場ではなく、電荷が置かれるとクーロン力
F = - q Q /(4πε r2)
が何も無い空間を隔てて突然、力の矢印として現れる、とやっちゃいますわな。
ワシはそう習ったし。
この、"古典的な"描像から解き放たれるとき、近接作用の立場の理解へと進むわけですな。
そう、『場』(空間のゆがみ)から受ける力というのは、矢印で突然描かれる力より、空間の曲がり方の強弱をほのめかせてから改めて矢印えがく、のほうが、実は現代物理の理解には助かるんですね。
大きい電荷の存在は、電場のゆがみ方で表現されることだったのですね。
(んじゃ、どうやってコレを高校生たちに伝えるんだYO!)
そして、実際には目に見えないこれら、電磁気学による電磁場の描像において、『電荷』を『質量』という言葉に置き換えると、それが一般相対論でいわんとしていた「時空の歪みが質量の存在を示す」にガッチリキャッチ。理解完了。オーイエー。
ただし、曲げられる空間というのは、電気的な場とかいう正体不明のモノではなく、私たちが普段フツーに暮らしているこの時空ですよ。富士山の高さは3.776 m とか、電車で10分もかかるYO! とか言ってるフツーの時空ですよ。
電場の場合、見ることも感じることもできない、思考表現の上だけでの想像上の産物であったのに対し(いや、電磁場は物理学的にはキチンと存在してますけど…)、重力理論による空間の歪みとは、まさにわしらがさわることができる感じることができる時空そのものを曲げることなんだ、ってコトです。
※だから光だって曲がって進むことがあるんです。
なまじ『見えるもの』だけに、これらが全宇宙を通して真っ平らなんだ!って考えちゃうのはある意味自然なことですし、それを覆す一般相対論の結論はやっぱ、なかなか受け入れ難いですよ(最初人類は、地球が平らで電球みたいなやつ(※太陽)がお盆の周りをまわってるってとらえてたんですよね?)。
質量をもった物体ってやつは、3次元ユークリッド空間にどっぷり浸かったわしらにとっては目に見える存在であるがゆえ、一般相対論での時空の描き方の理解の妨げになっちゃったんですな…ワシの場合。
さて、概念は理解できたからあとは、テンソル解析できるようになるだけだ〜
って、それが難しいんじゃねぇか…
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質量とは?
質量とは、重さとよく混同されますが、物理的には全然別のシロモノです。力の単位に重力単位を使うと、例えば体重計で測定した重さは、60 kg とか表示されちゃいます。違います。重力単位で重さを測るとこれは、60 kg重 です。
数値同じ、単位見た目ソックリという現実が、混乱を誘うのでしょう。
質量とは、物質がどれだけ集ったものか?を表す物理学用語です。重さは質量に作用した重力の大きさを表す用語です。
物理量の次元が異なるので、質量と重さは全く異なる概念です。
測定方法も全然違います。質量は天秤ではかるとうまくはかれます。重さはバネ秤ではかります。バネが5 cm 伸びたからこれは100 N だ、とか11.2 kg重 だ、とか言ったりします。試しに、月面でこれらを測定するときのことを考えてください。質量120 kg のスモウレスラーは、体重計(バネ秤)で『重さ』を測ると20 kgw になってしまいますが、天秤を使えば、『質量』は120 kg であることがわかります。

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