2009年8月の写真。栃木県下都賀郡大平町の諏訪神社物件にさらに接近してみた。影を曳く突起物が鉄筋らしきモノである。こういうお肌を鑑賞していると、思い起こされるのは、千葉の茂原の掩体壕群(
“茂原 0002” 参照)だったりする。このころ、つまり第二次世界大戦もそろそろ先が見えてきたころに築造された鉄筋コンクリート構造物に共通するのは、このご時世だから表面の仕上げなんかにはかまっちゃいられないという戦時下のある種の合理主義というか無謀な精神主義といったようなもので、対戦国が原子爆弾の投下の準備に入っている段階で、こちらは竹槍を最終兵器として用意しているといったようなありさまでは、そこにただよう悲愴感もそこはかとなく滑稽なものになる。そういう意味でもこの種の物件は永く保存したほうがいい。