2007年1月の写真。火の見櫓の半鐘を盗んでいるのは純粋な半鐘マニアではないらしい。金目になる金属ならなんでもいいのだ。そんなわけで、このところ盗まれているのは、側溝のフタであったり、ステンレスの車止めであったり、銅線であったり、500円硬貨であったりする。ところで、新聞のサイトの地方版の半鐘盗難事件関連の記事をみると、何年も前にサイレンに切り替えていたので半鐘は飾りのようなものだった、といった証言がのっていたりする。そんなことだから、半鐘がなくなっていてもしばらくは誰も気がつかない。側溝のフタがなくなっていたら、ヒトや自転車が側溝にはまってケガ人が出るおそれがあるが、そういうところでは、半鐘がなくなっても消防団の活動に支障が生ずるわけではないので誰も困らない。お飾りだけどやっぱりないと困りますぅ、といいながらも実はなくても別に支障はない、となればこいつは象徴半鐘制だ。とはいえ、事態はやはり深刻なのである。ひょっとしたら盗鉄団に火の見櫓を根こそぎ持って行かれたのに誰もそのことに気づいていないという集落がどこかにあるのではないか。誰も気がつかないのだとしたら、新聞沙汰にもならないし、もちろん盗難事件にもならない。