2009年5月の写真。東京都中野区にある
野方配水塔 の頂部である。先般中野区議会の建設委員会において
“みずのとう公園野方配水塔の耐震診断結果等について” と題された文書が配布され、それが web 上にも公開されているとのことなので、早速のぞいてみたところ、そこには、
“耐震上全く問題のないことがわかった” と記されていた。また、当該文書には次のような記述もあった。
配水塔は、元々建築物として造られたものではなく、建築基準法の適用外のものであり、都市公園法に基づく公園施設(記念碑)と位置づける。地域の歴史的文化的資産として保全していく。
平成21年度に、文化庁指定の登録有形文化財の登録申請を行なう予定である。
ということである。ところで、今日6月23日は、東京都による大谷口水道タンクの本格的な解体が開始された日とされている。この日付にたいした意味があるとも思われないのだが、あれから4年が経過した今でも、この日を迎えると、やはりはらわたの煮えくりかえるのをおぼえる。東京都は、大谷口水道タンクの除却工事を施工するにあたって、地域住民を対象とした説明会を複数回開催しているが、その2004年7月15日に開かれた説明会において、東京都側から、大谷口配水塔は耐震性に問題があり、1995年の兵庫県南部地震クラスの地震に襲われた場合倒壊するおそれがある、といった説明がなされている。同時期におそらく同様の工法で築造工事が施行されたはずの野方配水塔は、
“耐震上全く問題のないことがわかった” とのことであるから、兵庫県南部地震クラスの地震に襲われてもびくともしないのであろう。東京都は大谷口配水塔に対して、科学的客観的かつ公正な精度の高い耐震診断を実施しているはずなので、その結果を信用しないということは、高い支持率を示したオリンピック招致に関する都民を対象としたアンケートの数字を信用しないのと同様、決して許されることではない。そういう事情なので、ここでは、タンクもいろいろ、耐震性もいろいろ、ということにしておく。