2005年5月の写真。埼玉県さいたま市にて撮影した。
『児玉町史史料調査報告 第十八集 児玉町の近代化遺産』(児玉町教育委員会 2003年)には、在日本の年代モノの各地の配水塔のリスト(馬込物件を除けばいずれも築60年超のモノ)が掲載されている。このリスト作成という手間のかかる作業に敬意を表し、リストに採られている20基の配水塔を以下に記させていただく。なおカッコ内は、同書に記された元号表示の竣功年を、当ブログ管理者の信条にもとづき西暦表示に改めたものである。
駒沢配水塔A 東京都世田谷区(1924)
駒沢配水塔B 東京都世田谷区(1924)
長岡市配水塔 新潟県長岡市(1927)
前橋市配水塔 群馬県前橋市(1929)
野方配水塔 東京都中野区(1929)
大谷口配水塔 東京都板橋区(1929)
清水町配水塔 富山県高岡市(1931)
児玉町配水塔 埼玉県児玉町(1931)
水戸市配水塔 茨城県水戸市(1932)
千葉高架水槽 千葉県千葉市(1936)
浦和高架水槽 埼玉県さいたま市(1937)
大宮高架水槽 埼玉県さいたま市(1937)
稲葉地配水塔 愛知県名古屋市(1937)
造兵廠給水塔 埼玉県上福岡市(1937)
松戸配水塔 千葉県松戸市(1938)
所沢高架水槽 埼玉県所沢市(1938)
造兵廠給水塔 埼玉県深谷市(1944)
馬込配水塔A 東京都大田区(1953)
馬込配水塔B 東京都大田区(1954)
東山配水塔 愛知県名古屋市(?)
なお、リストの備考欄に各配水塔の現況(同書の刊行当時)が記されている。それによれば、千葉高架水槽は“不明”、大宮高架水槽と所沢高架水槽は“なし(現存せず)”、浦和高架水槽は“一部(櫓部分のみ現存)”で、それ以外は“現存”だそうである。
“千葉高架水槽”が通称“都川給水塔”と呼ばれている物件と同一のものなら、現存している。また、埼玉県上福岡市の“造兵廠給水塔”は、伝え聞くところによれば、2004年に解体されたとのことである。“大谷口配水塔”は、近日解体予定である。
このリストの註には、
“全国各地にはこれ以外にも配水塔は所在すると思われるが、現時点で確認出来たものにとどめた。”と記されている。また、リスト外の未確認物件として、名古屋市上下水道局の大治浄水場の配水塔と三重県鳥羽市の円筒形高架水槽の両者が紹介されている。児玉町教育委員会の調査にひっかからなかった物件としては、横浜市鶴見区の鶴見配水池の配水塔、愛知県岡崎市の六供浄水場の配水塔、などがまず挙げられるだろう。また、リストに採られた“水戸市配水塔”は、現存する低区配水塔を指すものと思われるが、同市には別に高区配水塔(現存せず)もあったようである。