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2008/12/15

連続ブログ小説リターンズ『桜色ノ空』第五話。  桜色ノ空

 

「ただいま。」
 



 がちゃっ、

とドアが開き、ビニール袋にいっぱい買った彼女がもどってきた。




ばたんっ。


 「そんなに買ってきたの?」


「ポテチ、キャラメルコーン、ね、これ知ってる?コロン。それから…」



袋の中のお菓子をガサガサといじりながら、彼女は一つ一つ説明した。



 「まだあんの?そんなに食えないよ。」

 「いいじゃん、たくさんあった方が。リッチな気分でさ、あっ、飲み物忘れた。」



かかかかか、ぶおん。

鍵をまわしエンジンをかけながら、半分腰を持ち上げ、ジーンズの後ろポケットから財布を出した。



 「いいよ。いくらだった?」

 「ん?いい、いい。今日はモデル楽しかったし、これからおいしい物ごちそうしてもらうし。」

 「え?なんだよそれ。聞いてないぞ。」





ギアをドライブに入れアクセルをふかすと、車は精一杯の音を立てながら走りだした。



 「言ってないモン。大丈夫大丈夫。吉牛で勘弁しとくよ。」

 「まったく、しゃあないなあ。ところで、何処に行けばいいんだ。」



 「別に。当てのない旅。どう、これ?」

 「『どう、これ?』ってさ、さっきいいところ知ってるっていったじゃん。」



 「うそうそ、人を簡単に信じちゃだめだめ。あっ、そこ右ね。」

 「え?」



キキイッ。車は音を立てて曲がった。




 「あぶないな、急に。」

 「あはは、楽しいね。」

 「あははじゃないよ…」




と言いながら、久しぶりに楽しい気分になっていた。





思えば、ここ何年かこんな気分は味わっていなかった。

忙しい毎日に追われ、風や山の緑や雲の形やそんなものを感じる暇などなかった。

いや、感じようともしていなかったのかもしれない。





曲がったそこは石畳の道だった。





両はじにはもう緑の葉が茂っている桜の木がならんでいた。

右側には川が流れ、鴨が気持ちよさそうに悠々と泳いでいた。





(つづく・・・)
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