2008/10/1
書いててよかった。 ことのは。
書展に来てくれた知人に書を頼まれた。
『待ってますからね』
という言葉。
頼まれたとき、なんでこの文字?と思って、その理由を聞いた。
『知り合いが入院していて、その人に何か贈りたいと思って。。
文字を考えたんだけど、お見舞いに行ったときに、「待ってますからね」と言ったら、すごく喜んでたんです。
だから、それにします。』
そのときは、その話しだけを聞いて、葉書に書いた。
書展の日。
知人は見に来てくれて、葉書を渡した。
そして、普通の入院にしては少し重い言葉だな、と思っていたので、ちょっと聞いてみた。
すると、やはり、かなり悪いらしく、もしかしたら帰って来れないかもしれないとのことだった。
2枚書いたんだけど、少し迷って、一枚をその知人は、「これにします」
2週間ほどたった、先日。
その知人からメールが来た。
「こんばんは。急に寒いですね。この前書いて頂いた書なのですが、無事に東京に届いて病院の枕元に飾ってあるそうです。とても喜んで頂けました。うれしいです。ありがとうございました。点滴がとれてもしかしたら来月には退院できるかもしれないそうです。」
なんだか、嬉しかった。
そして、最近、締め切りに急かされるように書いていた自分。
もちろん、それなりに真剣には書いているんだけど、
なにか、最近忘れていたものを思い出したような気がした。
自分の書いた書が、こんな形で役にたっている。
一つの目標ができたような気がした。
忘れてはいけないことを思い出させてくれた。
忙しさに揉まれて、感動や思いやりや触れ合いや、そういう大切なものをかえりみる余裕や感受性が薄れていたように思う。
上手く書こう。
売れるかな?
終わらせなきゃ。
知らず知らずのうちに、そういうことの方に目がいっていた気がする。
自分の作品のせいで良くなったとは思わないが、
喜んでいただいて、飾っていただけて、少しでもいい気持ちになっていただいたことに、
それが、嬉しかった。
「プラスの気持ちになる作品を創りたい」
それが、創る者としての目標であり、目的でありたい。
そう思っていたはず。
それを、最近忘れていたかもしれない。
そんな作品が創れるように、
心に余裕を持った、大きな人間になりたい。。
そう思った。

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