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2008/12/14

連続ブログ小説リターンズ『桜色ノ空』第四話。  桜色ノ空

「私この曲好き。」
 
「ほう。懐かしいな。」

「昔の彼女ととかと聞いていたんでしょう?」







図星だった。




当時僕は親元をはなれ、一人暮らしを充分に堪能していた。

人並みにサークルにも入り、そこで彼女と知り合った。

18年目にして初めて出来た彼女だった。

四年間つきあいながらも、就職やなんやの事情でやむなく別れたのだった。






今頃彼女はどうしてるだろうか・・・。







 「やまーっ!」

突然、彼女は窓を開け、顔を出して叫んだ。




 「わっ、びっくりした。なんだよ突然」


 「だって陰気くさい顔してんだモン。見てみなよ山きれいだよ。おじさんもやってみなよ。やまーっ」


 「恥ずかしいよ。みんな見てるよ。」


 「気持ちいいからやってみなって。やまー」


 「だからっ」



 「そんな恥ずかしいなんて思ってたら、何にも出来ないよ。人生は一回しかないんだからさ。したいようにしなきゃ。」




自分なんかより大人かもしれなかった。




窓を半分くらい開けてみると、確かに風が心地よく、叫びたくなった。少し感傷的になっていた気分を癒すには十分だった。




 「ね、きれいでしょ。叫びたくなるでしょ。つらいときには叫ぶのが一番。泣いて寝るのが二番。」



 「つらいことなんてあるの?」


 「そりゃあるよー。思春期だモン。あ、コンビニだ。よって。」




 「はいよ。」




ほんと、話がころころ変わる。ウインカーを出し、駐車場に前からとめた。



 「私が何か買ってくるよ。おじさんは座って待ってて。」

 「おじさんじゃ…」




と言いかけたときには、もうそこにはいなかった。



 「はやいな」



店の中を動き回っている彼女を見ながら、今日の出来事をふりかえってみた。




思えば不思議な日だった。二時間ばかり前に逢ったばかりだというのに、もうこうしてなんの違和感もなくすごしている。

昨日までの自分では考えられないことだった。





(・・・つづく)
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