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2008/12/13

連続ブログ小説リターンズ『桜色ノ空』第三話。  桜色ノ空


「どうぞ。汚れてるけど。」


助手席のカギを開けながら言った。



 「ほんと、汚いねー。掃除ぐらいしなよ。だから彼女できないんだよ。」

車内を見渡しながら、彼女は乗り込んできた。



 「うるさいなー。『そんなことないですよ』ぐらい言うモンだ。それに彼女がいないなんて一言も…」



 「これ何?かわいい。」



聞いちゃいない。



 「えっ、それ?それはゴーヤーマン。かわいいでしょ。」


 「あっ、知ってる。沖縄のドラマのやつでしょ?」


 「そうそう。はまっててさ、毎朝泣いてた。」


 「ははは。マジで?笑える。」


 「うるさいな。」


 「ははは、実は私も泣いてた。ご飯食べながら。」




僕は、あはは、と笑いながら、シートベルトを締め、エンジンをかけた。昼時のまったりとしたラジオが流れてきた。




 「ラジオでいい?テープ古いのしかないんだ。」

 「何でもいいよ。ねっ、それよりお腹すかない?」


そう言えば朝から何も食べていなかった。


 「ちょっとね。コンビニでもよろうか。」

 「そういえば…。」



まだ名前を聞いていないことに気が付いた。



 「名前聞いていなかった。」

 
「ヤマモトモエ。山カンムリに明るいって書いて、『もえ』。もえ、でいいよ。」

 
 「萌か。いい名前だね。」


 「そう?初めて言われた。やっぱテープ聞こうよ」


がちゃがちゃとテープをさがしなら、


 「ほんと古いのしかないね。ていうか、今時CDもMDもない、オートロックでもない、エアコンも効かない車に乗ってる人もめずらしいね。」


 「うるさいなー、貧乏なんだからしょうがないだろ。」


 「これは?なにはいってるの?」


 「どれ?」



テープを持っている彼女の手元に目をやった。



 「ん?今また太もも見たでしょ〜、このすけべおやじ。」


 「みてねぇって。テープをみたの!また、って一回も見てないし・・・」


さっきのぱんつを思いだしながら言った。



 「むきになってるのがあやしい。どうでもいいけどさ、ちゃんと前向いて走ってよ。これからの大事な命あずけてんだからさ。」


 「うるさいな。お前が、なんやかんや言うからだろ。もう。」


 「おこんないおこんない。大人げないなー。これにしよう。1994夏。」


 「それは、ミスチルとかはいってるやつだな。懐かしいなまだ学生の頃だ」


 「私まだ小学生だったよ。」




ショックだった。ミスチルのイノセントワールドが流れてきた。



(つづく・・・)
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