な〜んもしない日の予定だったが、やっちんに誘われ、喜多方へ行くことに。
目的は、前々から行きたいと思っていた、
『樂篆工房』
樂篆家の高橋政巳さんが開いている工房。
いろんなところでお名前は伺っていて、一度お会いしたいと思っていたのだが、友人のやっちんが紹介してくれるとのことで、行ってきました。
中に入ると、金文をもとにした作品が展示してあり。
書道専門誌の『墨』という雑誌にも執筆したことのあるすごい先生なんだけど、
お会いすると、字は体を表す、と言うとおり、温かくて気さくな感じの方。
名前を書くと、その名前の漢字の由来を教えてくださいます。
たまたま来ていた他の人の名前の由来も横で聞かせていただいたんだけど、
それぞれ名前に込められた意味、親がどれだけ考えてつけてくれたかという話をしていて、
実際、そう思って付けたかどうかは別として(笑)、自分の名前の意義、生まれてきた意味、親の子に対する思いを、改めて考えさせられるきっかけになります。
ちなみに「哲」は「物事に切り込んで、神と対話しながら対峙していく」というような意味。
「平」は「水草を象ったもので、常にバランスをとっていく」という意味。
いい名前です^0^
まさにそういう人間になりたかったりする。
他にもいろいろとお話しをしてくださいました。
高橋さんが中国に行った時、書家と名乗ったら、
「君は詩を書くのか?」
「なんで人の詩を書くのか?」
「この詩のこの部分はどういう気持ちで書いたのか?」
等々、質問され、打ちのめされたのだそう。
中国で言う書家は、詩も作り、水墨画もやり、落款(印)も自分で彫って、すべてやって初めて名乗れるんだそうだ。
そういう意味ではまだまだ書家だなんて名乗れないな。
「書をつかって表現する人」かな〜?
中国の書家、雷動春という人の作品集も見せていただきました。
落款の「春」という字を、横に捺している作品があり。
高橋さんが、その理由を聞くと、
「秋に書いたからです」
なんと粋な!!
他の作品も自由で、もちろん基礎ができての上なんだけど、常に探究心を忘れない感じがした。
大家になっても忘れない遊び心。
そういうのを大切にしたい。
高橋さんは、ほとんどの漢字の由来が頭に入っているんだそうです。
書を志す人は、先ず楷書から入って、遡っても篆書でとまってしまうと。
その前の文字まで行かないから、成り立ちが分からず、昔の人が書いた字をそのまま書いてしまうと。
残っている文字が正しいとは限らない。
その人がアレンジして書いているかもしれない。
成り立ちが分かれば、どれが正しいか分かるし、逆にアレンジも出来る。
まさに!!
目からうろこの話でした。
「私は『書家』ではないんです。篆字を楽しむ『樂篆家』です」
と笑っておっしゃったのが印象的でした。
高橋さんの作品はまさに、楽しくセンスのいいものばかりです。
またいい出逢い。
樂篆工房
http://www.fm-kitakata.co.jp/takahashi/
その後、喜多方の市内をちょっとお散歩。
猫屋敷。
五つ子。
なんで??
帰りに磐梯山の中腹からみた会津盆地は、一面鏡のようで、なんとも幻想的。。。
慧日寺に寄ったら終わっていたので、復元された本堂を盗み見をして。。
思いがけずいい休日になりました^^

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