今日は、仕事の〆日だった。
最後のあがきで、ある程度の売上が上げられればと、期待を胸に依頼待ちをしていた。
幸先良く、近場配送だけどあちこちの配送依頼が入り、都内を走り回っていた。
最後の最後に、龍ヶ崎から水戸へのワンツー依頼が入り、目標売上を大幅に上回ることができた♪
なんとなく気分も高揚して、水戸へ向かっている時、信号待ちで、犬を見た。
間違いなく、野良犬だった…
首輪もせず、身体中が毛玉だらけで、しかも足を引きずっていた…
そんな姿で、宛てもなさそうに歩いている姿を見て、一気に気分がどん底状態になった…
見なきゃ良かった…と思いつつも、視線を外すことができなかった。
足を引きずっているので、ほとんど前に進んでいないんだけど、途中何度も立ち止まり、辺りを見回していた…
俺の心の中には、憤りと、今抱いている以上の人間不信が、嵐のように吹き荒れた。
でも……
俺は何もしてやることができなかった…
何か食べ物や飲み物を買って、与えることは出来たかもしれない。
でも、その後の責任は何も持てないのに、そんな刹那的行為に何の意味が有るのか…と考えてしまった…
「彼」は、もう半分野生の本能で生きているのかもしれないし…
人間の俺が、こんな悲しい思いで見ているのとは裏腹に、「彼」は逞しく生きているのかもしれないし…
信号待ちの、ほんの何十秒の時間が、ものすごく長い時間に感じた…
……「彼」の顔が、脳裏から離れない…
いつか…
本当に独りぼっちになった時に、また再会しような!!!


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