2011/5/5  22:06

困難事例  日常生活

仕事の関係で、福祉や介護の分野に関しては、20代前半の頃から、ある程度なじみがある。

何冊かの本の編集に携わるなかで、医師やケアマネジャー、ヘルパー、施設などへの取材も行った。

今は違う分野の担当になってしまったが、社内では「シルバー新報」「福祉新聞」「月刊ケアマネジャー」などの福祉関連媒体の回覧メンバーには名を連ねている。

そういった媒体の中で、よくとりあげられるのが「困難事例」というやつである。

ヘルパーさんを奴隷扱いする、ケアマネさんに無理難題を突きつける、契約内容に含まれないことを要求する、キレて暴力を振るう、物盗られ妄想や徘徊など痴呆の症状がからむケース…「困難事例」については、その定義自体が定まっていないほど、さまざまな事例がある。

家族にとっての困難事例、施設運営者にとっての困難事例、対応困難事例、支援困難事例…。

わが家でも明らかに困難事例に該当する高齢者を抱えている。

カミさんと義父母を筆頭に、どれだけの関係者が振り回されていることか。

言葉の暴力と巧みな嘘、度を越した頑迷と社会的ルールの無視。

介護する側は、精神的にも身体的にも、とてつもなく疲労している。

問題の人物は、今は一時的に入院しているが、月末には退院してくる。

今日はカミさんと子供たちとでお見舞いに行ってきたのだが、カミさんは途中からひどい言葉をぶつけられていた。

自分は言い返したい気持ちもなくはなかったが、この人の心の奥底にはきっと複雑に屈折した悲しみがあるのだろう…と思い、黙っていた。

というか、耐えていた。

帰り道、カミさんとどんよりしながら、何とか気分転換しようと、病院の最寄り駅の、なじみのない商店街をぶらついた。

商店街の活気と、初めてみるさまざまな店が、いやな気持ちを一時的に忘れさせてくれた。

社会的な仕組み・制度のなかで、高齢者は「弱者」として位置づけられているが、高齢者は、決して一概に「弱い」存在としてくくれるものではないと思う。

各地で「家族支援」の試みがいろいろと行われているが、そろそろ法的な整備も必要ではないだろうか。

支援困難事例の分析調査―重複する生活課題と政策とのかかわり
支援困難事例の分析調査―重複する生活課題と政策とのかかわり
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