私はその時、物凄く上がっていました。今までの人生のうちで、初めて、身体はブルブル震え、手足がサーっト冷たくなり、歯ががちがち言っていた。呼吸も荒くなって、深呼吸すると鼻息がふんーっと音が出て、恥ずかしかった。
私の番になり、部屋へ。ドアを開けるとき、大きな声で元気よくMay I come in?と言おう、と決めていたら、凄いおっきい声が出てビックリした。緊張しすぎて音量調節が出来ない。
それで、試験官の目を見て話すように、って書いてあったし、アティチュードだけはせめて満点取りたかったので、物凄く試験官の目をみた。手には汗、視界がボンヤリしてくる。
パッセージの朗読は、20秒の黙読の後に行われます。問題集では、その20秒に一通り目を通して、イラストも見ておくと、より良い。と書いてありました。しかし20秒にそんな時間はない!要は、朗読で意味が取れればいいわけでしょ?と思っていた。そして実際、やっぱり出来なかった。更に焦ってしまって、文字がちっとも目に入ってきません。でも、解ってないと思われちゃだめだ!と、パニクりながら、集中だ、集中だ、と言い聞かせました。
そして朗読です。私は、絶対いける!と、意味が自分の頭に入るように、比較的ゆっくり読んだと思います。参考書に、試験官に内容を伝える気持ちで読む、と書いてありました。そんな余裕はありませんが、思い出したときや、最後の方で、試験官への想いを込めて読んだつもりです。ああ、だけど、知らない単語がありました。しかもパッセージのトピックのメインでした。qualification(資格)です。うゎお!でも、知っているかのように、自分の思うとおりの読み方で堂々と読みました。そして読んでる途中で、うすうす意味も感じ取れました。日本語だって、知らない漢字が出てくれば勝手に読むし、意味も推測しますよね!
続いてパッセージに関する質問です。もう、パッセージの内容も、質問も忘れました。でも、これはパッセージを見ながら答えられるので、「面接官の話す単語をよく聞いて、その単語のある付近を読み返して回答を考える作戦」です。私はあからさまにその単語を探しました。参考書にWell…とか、なんとか、考えてる最中も無言はダメ、と書いてあったので、Well…Um…とか言いながら。
次は3こまイラストの説明です。これは、意外と得意なのでは、と思っていたのですが!?ちなみにこれも考える時間が20秒与えられますが、むり!20秒では何も!とにかくイラストをじいっと見る。うう浮かんでこない、何も。喋りながら考えれば何とかなるだろう、と思った。
説明はとにかくイラストに描いてあることを、黙ってしまって変な間が出来ないようにだけ意識して喋った。普段ならきっと出てくるはずの単語もいくつも思い出せなくて、うっ…となったが、違う言い回しを必死で探し、間違ってるかも、と思っても、笑顔!はきはきした声!で、兎に角言ってみる。3こま目の説明の最後、オチがつけられなくて、中途半端な形になってしまった気が!?でも、もう何も浮かんでこないので、私は黙った。試験官も黙っている。「これが、最もいけないといわれている沈黙ってやつか?」
でも、もうなにも言わないほうがいい。私は精一杯、「これで終わりです。自信を持って、終わりとさせていただきます!」という気持ちで胸を張って座っていた。もちろん笑顔!試験官からは目をそらすな!でも冷や汗ビッショリ。目がかすむ。
ちなみにこの時の問題は、ケアワーカーの資格を取ろうと奥さんが図書館で本を借り、頑張って勉強している。勉強しすぎてうたた寝した妻に、おっとが優しく毛布を掛けてあげる。というものでした。
試験官はOk.といい、続いて質問コーナーへ。
一問目は学校の授業数についての質問。私は、若いうちは吸収が早いので勉強したほうがいい、とか、言ったつもり。思いつくままに、3、4文答えましたが、なんかちっとも核心に触れていない。質問に答えられてるのか??かなり絶望的??
二問目はヴィタミンをサプリメントで摂取することについて。
なんか3文くらい答えたけど手ごたえ無し!あわわわ。ここまで試験官はいっさい笑顔もない。私が見つめても見つめ返してくれない。っていうか、うつむいている。どうしよう…。でも、問題集にも、合格者の声にも、最後まで諦めるな、とあった。ここまで来て諦めたくない!!ううう…あ、そうだ!!と、もうここからは手振り身振り。「私は野菜が大好きです!(拳を振り上げて)人は、サプリメントに頼るべきではない!!だから、私はそれをいいアイディアだとは思いません!!」と、立ち上がらんばかりの勢いで答えた。面接官は「野菜大好き」発言でようやく顔を上げてくれ、初めて笑顔を見せてくれた!あー!神様!面接官の笑顔が日の出みたいにまぶしく見えるよ!!
こうして面接終了。何かに、面接が終わったときもう、面接官に「ありがとうございましたー!」って、握手したくなる。と書いてあったけど、ほんとに!わたしはあんなにThank you.に感情こもったことはないんじゃないか??というくらいだった。
こうして面接は終わりました。今書いていても、思い出すだけで、PC打つ手が濡れて、体が熱くなる。ああああ、ほんっと緊張したなぁ、あの時は!!
緊張から開放され、身体は宙に浮く。スキップスキップ!夫が待っていてくれた。「私全然自信ないけど絶対受かってる気がする!!」とまで言い、浮かれてヘラヘラ喋る。夫はまたしても合格祈願を行ってくれていて、帰り道で更に代々木八幡にお参りする。私は二次試験終わったことだしぱーっと飲みに行こう!と、何度も言ったが、断られ、家に着く頃には冷静さを取り戻し、「あんなんで受かってるわけはないじゃないか」と思い始め、家に着いたとたん泣いた。「あ〜ぁ、あんなに勉強したのに〜。もうだめだよ〜。」と泣く私に、夫は「オッチさん」とか、「挫折のざせと書いてざせ山ざせ子さん」などと仇名をつけた。おもしろいので暫くの間そう呼ばれながら、合格発表の日を迎えた。
そして結果は…33点満点中28点!!アティチュード満点!!やた!!
夫は受かると思っていた、と言ってくれた。
次は英検準1級だっ!

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