お昼に公園でたべようと思って、娘の分と、私の分と、おにぎりを握った。
それから、おかずは別なタッパに用意した。
娘は、「おにぎり持ってく〜」と、嬉しそうに、おにぎりの入ったタッパを持った。
「じゃぁお願いね。ママはおかず持ってくね。」
娘はおにぎりのタッパを抱えて、階段を登っていった。
台所の電気を消して、ガスをチェックして、テレビも消して、ゆっくり階段を登っていくと…
娘は、寝室の布団の上におにぎりをきれいに並べて、アンパンマンのぬいぐるみとおままごとをしてた。
すべてのおにぎりはタッパから出され、包んでいたラップもとられていて、そのままの状態で布団の上に転がされてた。
「ああああ〜〜…。おにぎり…」私はショックだったのと、びっくりしたのとで、ヘロヘロな声を出した。
娘は、とっても明るく、「ママ、あんぱんまん、おにぎり食べりゅって!」と言ってにっこりした。
私は面白いのとかわいいのとで、ショックがやわらいで、
「そっかぁ。おにぎりあげたのね〜」と言った。
「あんぱんまん、美味しい?」とか言いながら、娘はぬいぐるみの口のところにおにぎりを持っていったりして、それで布団も服も、米粒だらけになっていった。
「…。じゃ、ご馳走様しよね〜。」
「ごちそさま♪」
「はい、じゃ、ちょっと拭こうね〜。はい、Tシャツ着替えよね〜。はい、おにぎりもうバイバイね〜。」
と、手や口を拭き、着替えさせ、おにぎりも取り上げ、いそいで新たにおにぎりを握り、何とか公園に連れ出したのでした。

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