2008/6/25

831:天使の取り分  

 物事には時間の経過が必要なことが結構ある。時間の穏やかな揺れにゆられているうちに、少しづつ目が詰まり、あるべきところに収まりよく収まっていくのかもしれない。

 水を加えられて、オーク樽に詰められたニューポットは、何年もの間熟成される。シングルモルトの場合、8年もの、10年もの、12年ものあたりが多く出荷される。熟成年数が長くなると、琥珀色が濃くなり、香り、味などに深みが増してくる。

 当然熟成期間の長いものの方が値段が高い。経過年数分管理費用が多くなるうえ、「天使の取り分」と呼ばれる自然蒸発による減少もあるためである。

 オーディオ機器でも熟成期間が結構必要なようである。とりあえずのエージングは数ケ月ですむ場合が多いが、数年経過してくるとさらに深みが増すような気がする。さらに数十年経過すると、「天使の取り分」が多すぎて修理を要する場合も出てくるが、さらなる熟成がすすみ、独自の世界が展開するようである。

 我が家のオーディオ機器の大半は2年程度の経過期間しか過していないので、まだまだ熟成とは言い難い。しかし、唯一QUAD 44とQUAD 405-2のペアは20年以上の時間の経過を体験している。それ故というわけではないのであろうが、熟成されたものを感じさせてくれる。その音の個性がしっかりと味わいに染み込んでいるのである。

 ゆうけいさんからHARMONIX XDC SM-350の記事に対するコメントいただいた。1年間使い続けたら大化けしたとのこと。さすがに借り物なので1年間使うわけにはいかないが、前回は1晩通電したのみであったので、その後パワーアンプに接続したまま使ってみた。これで3日程経過したことになる。1年経過後の化け具合からすると可愛いものかもしれないが、小化けぐらいはしたようである。

 実直な感じの音の硬さが少しとれ、響きに余裕が出てきた感じである。「なるほど・・・これは確かに1年経過すれば・・・」と思わせるものがあった。

 「天使の取り分」は、オーク樽の中の分量を、確実に毎年2〜3%づつ減らしていくが、その見返りとして天使の羽根の金粉をふりまいていってくれるのか、熟成した深い味わいをもたらしてくれるようである。



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ