2007/9/24

558:銀色の塊  

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 銀色に輝く、巨大で重厚なレコードプレーヤー。これはACCOUSTIC SOLIDというドイツのメーカーのものである。その存在感は凄まじい。嫌がうえでも視線を釘付けにしてしまう。

 「マイクロファラッド」という店の名前を初めて聞いたのは、ユニコーンをお使いのA氏のお宅をお邪魔した時である。その時、記憶の片隅にこびりついたのであるが、しばらくしてStereo誌の8月号で「いい音 いい場所 いいお店」というコーナーで紹介されているのを目にして、一度たずねてみたいと思っていたのである。

 その紹介記事の冒頭で「初めてこちらを訪れる人は、まず店を見つけるのに苦労するかもしれない。」と書かれていたが、まさにそのとおりであった。看板等店の存在をアピールするものは皆無である。特にこれといった特徴のないビルの2階にひっそりと佇んでいるといった印象である。

 中にはいるとオーナーの高橋さんが、「まあ、どうぞ・・・」といった感じで三つあるリスニングポイントの椅子の一つを勧めてくれた。店内には膨大なアナログレコードがあり、メインスピーカーのエベレストがその威容を誇っている。展示してある機器の数は少なく、厳選されているといった印象を受ける。

 何かかけてみますか、といった感じでチャイコフスキーの交響曲を一楽章を聴かせていただいた。アナログではなくCDで。そのCDプレーヤーであるが、TOSHIBA製である。CD専用機ではなく、映像系もあるユニバーサルタイプの製品であった。相当重厚なつくりで、おそらくフラッグシップではないか。音がとてもしっかりしている。並みのCD専用機では足元にも及ばないといった印象を受ける凄腕である。

 その後はACCOUSTIC SOLIDのレコードプレーヤーで4枚ほどクラシックのレコードを聴かせていただいた。その間約1時間半ほど・・・ハードの話は一切なく。ただ音楽を聴くといった感じで、ほとんど個人宅のOFF会の雰囲気であった。

 入り口はACOUSTIC SOLIDのレコードプレーヤー、Boulderのプリをセレクターとフォノイコとして使用、ウェスタン・エレクトリックの巨大なアッテネーターで音量を調整しBoulderのパワーアンプでエベレストを駆動していた。

 ACCOUSTIC SOLIDのプレーヤはその見かけどおり、どしっと腰の座ったそれでいて精緻な音を奏でてくれた。磐石な感じである。けっして腰高になることなく、豊かな情報量をレコードから引き出し、それを冷徹に表示するのではなく、その持っている音色も色鮮やかに描いてくれる。

 もちろんACCOUSTIC SOLIDのだけの功績ではないと思われる。ウェスタン・エレクトリックの70年前のアッテネーターをあえて使っているのは、その加味するものが他では得られないものだからであろう。

 アナログの音を十二分に堪能して店を出たが、オーディオショップにきたというよりも、オーナーである高橋さんの書斎にお邪魔して、レコードを数枚聴かせていたいただいた、という印象であった。私の頭には、その雄大にして精緻な音とともに、巨大な銀色の塊が深く記憶に刻まれた。



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