2018/1/23

4333:241ワット  

 「作戦」と呼べるようなものはなかった。ただ、最初から最後までほぼ一定の負荷で上る予定でいた。3kmの上りの平均パワーは240ワットぐらいを目安としていた。

 スタート地点を経過したときにサイコンのラップボタンを押した。パワーの数値になるべく視線と神経を集中させた。

 視線を上にあげると激坂が視界に入ってくる。その景色は威圧的ですらある。視線をパワーの数値になるべく集中させていると、心理的に多少楽に感じられることがある。数値は冷徹であるが、集中力を維持する効果があるようである。

 坂の斜度がぐっと上がると、パワーも上がる。上がりすぎた時には抑えるように心掛けた。前半で調子に乗ってしまうと、脚はすぐに売れ切れてしまう。

 メンバーはそれぞれの耐久力に応じて1kmほど上ったあたりからペースを上げていった。先頭は2名のメンバーがとてもついていけないようなハイペースで駆け上がっていった。

 その後ろに3名のメンバーが競い合いながら上がっていった。私はそのあとにもう一人のメンバーと一緒に厳しい坂に挑み続けた。

 ようやく上りの半分を超えた。激坂は少し緩んだかと思うとすぐさま勢いを回復する。心拍数は170代の後半の数値をしめしていた。

 私ともう一人のメンバーは、ほぼ並走する感じで後半の上りへ入っていった。ラップパワーは238ワットぐらいであった。

 それほど無理なペースではなかったはずであるが、残り1km辺りから心拍数は180を超え始めた。

 心身ともに真の耐性が要求されるのが、この終盤である。走る者の心を折ろうと、斜度はより厳しくなる。

 細い心の糸は切れる寸前のところで踏みとどまっていた。表情を歪めながらクランクにパワーを込め続けてゴールを目指した。

 ゴール手前ではサポートメンバーがカメラを抱えて応援してくれている。その声のする方へパワーの数値を上げていった。

 「もう少しだよ・・・がんぱって・・・」との声援を受けてゴールへ向かって最後の「もがき」をした。すぐ前には先行スタートしたメンバーの背中があった。

 その背中を目標にダンシングでラストスパート。最後の一滴までガソリンを使い切ってゴールした。

 ゴールは「子の権現」の参拝者のために用意されている広い駐車場である。その駐車場の端にKuota Khanを立てかけて、その脇に座り込んだ。ヒルクライム区間の平均パワーは241ワットであった。

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