2015/1/30

3239:CF-1900  

 店から数分歩いたところのコインパーキングが空いていたので、Poloを停めた。車を降りて「ゆみちゃん」がプリントアウトした地図を見ながら、ラジカセ専門店が入っているビルを探した。

 それはすぐに見つかった。そのビルに2階に階段で上がり、指定された番号の部屋を探した。その部屋の扉には小さな看板が貼り付けてあった。「Mad Sound」と書かれていた。

 チャイムを押した。インターホンから「どうぞ、お入りください・・・」と男性の声がした。ドアを開けて中に入った。

 店内は思っていたよりも明るく、組み立て式の大型の収納棚が並んでいた。その棚には多くのラジカセが綺麗に収納されていた。

 二人はそれらの古いラジカセを順番に見ていった。SONY、National、Victor、SANY0、HITACHIなどのメーカーの様々なラジカセが並んでいる。

 小学校6年生の頃、通学路の途中に上新電気の店舗があった。1階には白物家電が置かれ、2階には音響関連とテレビが置かれていた。小学校からの帰り道よく寄り道をした。入口を入ってすぐ左に階段があり、その階段を一段飛ばしで駆け上がり、ラジカセコーナーに向かった。そして、飽きることなくそこに綺麗にディスプレイされているラジカセを眺めた。

 そこには小学生の目がすると宝物のような様々な機器が立ち並んでいた。特にSONYのラジカセが好きであった。SONYのラジカセからは、えも言われないような魅力的な香りが発散されていて、それに惹きつけられる虫かなにかのように私の目は釘付けになった。

 70年代に発売されたラジカセがずらっと並んでいる店内にしばらくいると、ちょっとしたタイムスリップ感が湧き上がってくる。

 「懐かしい・・・上新電気の2階にいるような気になってくる・・・」そんなことを思いながら、一通り見てまわった。

 「ゆみちゃん」はSONY CF-1610を見つけたようで、それを手にとってその外観を詳細にチェックしていた。

 私はとあるラジカセに見入っていた。それはSONY CF-1900。小型のラジカセであるが、別売りのタイマーを用意すると留守録が出来たり、フェライト&フェライト・ヘッド採用していたりと、その当時としては高性能なラジカセであった。

 そして、その作りが本当に隅々まで気合が入っている。そして気合が入っても空回りすることなく、そのエネルギーがこの小さな体にしっかりと詰め込まれている。餡が尻尾の先まで詰め込まれているたい焼きのように、手に持ってみてもずっしりとした手応えがある。

 しばし、その前で佇んでいた。

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