2014/12/30

3208:もがき納め  

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 正丸峠の「奥村茶屋」の名物は「正丸丼」である。豚肉を特製の味噌で甘辛く炒めてそれをアツアツのご飯の上に豪快に乗せる。シンプルなだけにその美味しさがストレートに伝わってくる。

 正丸丼は必ず美味い。その味わいはいつも優しくいたわってくれる。「お疲れさん・・・でも好きだね・・・こんな坂を自転車で上ってくるなんて・・・」そんな風に語りかけてくれるようである。

 奥村茶屋から見える景色は澄んでいた。遠くまで見下ろせる。はるか遠くには都会の建造物がミニチュアのように小さく並んでいる。

 お腹が満たされた。そして帰路に着いた。ついさっき上ってきた峠道を下っていく。強い風を受ながらいくつものカーブを曲がっていく。

 下り基調の道を7台のトレインは快速で走っていった。帰り道には「小沢峠」と「笹仁田峠」を越えていくコースを選択した。これらの峠は短いが、もがきようによっては相当ハードな上りにもなる。

 トレインは小沢峠に繋がる道へ右折していった。右折するとすぐに道は斜め前方に立ち上がっていく。

 おとなしく静まっていた心臓にまた鞭を入れた。心臓は「アブ!・・・アブ!・・・」と摩訶不思議な音を立てながら、その回転数を上げていった。

 それほどの距離がないはずなのに、「まだあるのか・・・」と何度か心の中でつぶやきながら、上って行く。

 前を行くのは正丸峠の時と同じORBEA ORCAとBH G5。二人の背中を視界に捉えながらクランクを回す。上り終えた後は軽い酸欠状態であった。

 全員がそろってから下っていった。トレインはハイスピードを維持しながら次なる関門へ向かって走った。

 メインの峠と小沢峠をやり過ごし、脚にはかなり疲労感があった。太ももの裏側には時折ピリピリとした電気のようなものが走っていた。

 「Mag-onを飲んだから大丈夫だと思うけど・・・」都民の森に行った際に両足を一度に攣った経験を少し思い出した。「あれは辛かった・・・全く身動きが出来なかった・・・」

 やがて笹仁田峠へと繋がる道に・・・ここはしれっとやり過ごせば辛くない。緩やかな坂がだらだらと続き最後に斜度が少し上がる。

 選択肢は二つあるのであるが、何故かしらいつも右の「もがきカード」を選んでしまう。左の「しれっとカード」は視界に入らなのであろうか・・・

 序盤からペースを上げる。左手にゴルフ練習場が見えたらさらに加速して、最後はダンシングでもがく。

 もがいて、もがいて、どうにか道路の傾斜角がフラットになるところで脚を止める。呼吸が追いつかない。「もっと酸素を・・・」声にならない声が心のなかで響く。

 そして、最後の休憩地点であるコンビニに向けて惰性で下りていった。これで今年の「もがき納め」である。疲れた・・・けど、どこかしら「やりきった感」が体に染みてきた。

 コンビニでトイレ休憩を済ませ、軽めに補給食を口にした。もう上りはなく、平坦路のみである。7台のトレインは乾いた走行音を響かせながらスムースに進んだ。

 「走り納め」のフルコースは、デザートの皿も空になり、終わろうとしていた。食べごたえは十分であった。



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