2012/6/23

2291:蕎 ふるやま  

 OFF会の後に訪れた「蕎 ふるやま」の中の照明は、穏やかな色合いであった。A氏さんとNaruさんは日本酒を、私はお茶を飲みながら、美味なる料理を食した。

 「鴨ロース」「そば味噌」「野菜のビール漬け」「卵焼き」・・・そのいずれもが逸品と言いたいほどに、練られ、丁寧に造りこまれていた。

 なかでも新鮮であったのは「野菜のビール漬け」・・・これは美味しい。はじめての味わい感である。「これならいくらでもいける・・・」思わずそう独り言を言った。

 当然締めは蕎麦である。「ぶっかけ蕎麦」を頼んだ。野趣溢れるそばであるが、そこはふるやま流、上品さと気品を兼ね備えている。

 今日は、A氏さんのお宅を訪問した。A氏さんは、TANNOY GRFをお使いである。以前はA氏さんのお宅のGRFを目にすると、まずはその立派な躯体に感心した。

 「やっぱり、TANNOYはGRFぐらいどっしりしていた方が良いな・・・」とその都度思っていたのであるが、今日はGRFの大きさを感じることが以前ほどなかった。

 わが家の狭いリオスニングルームには、今QUAD ESL989が鎮座している。このスピーカー、厚みはないが横幅のそれなりにあり、さらに高さが130cmもある。正面から見た面積は結構あるのである。

 そのQUAD989を毎日目の当たりにしていたので、GRFの大きさを以前ほど感じなくなったようであった。

 A氏さんのリスニングルームの広さは10畳ほどであろうか、我が家よりも1周りほど大きい。部屋は縦長使いである。ル・コルビジェがデザインしたお洒落なソファに腰をかけると、レストランでのコース料理のように、美味しい音楽が順序よく出てくる。ここではシェフのお任せコースを頼むのが常道である。

 まず一皿目は、TELLEFSENのグリーグ・ヴァイオリンソナタである。澄んだ空気感を伴うヴァイオリンの音色が実に気持良い。

 2皿目は、JURIUS BERGERのブルッフ。むせび泣くような、豊饒な響きのチェロは驚きの味合いである。だしの味わいがたっぷりと包み込まれた卵焼きのように、まろやかな耳触りは快感である。

 3皿目はADELE STOLTEのソプラノ。その伸びやかかな響きは慎ましく気品に溢れている。清澄なその音楽性はまっすぐ伸びた若木のように爽やかな生命感に溢れている。

 4皿目はIGOR OISTRAKH。偉大な父をもつこのヴァイオリニストの音は魔性の魅力を持っている。魔性の響きとでも言いたいほどに変幻自在に滑らかなで切れのある音を放出する。思わず口あんぐり状態へトランスする。

 締めは蕎麦である。SUSI LAUTENBACHERのクロイツェル・ソナタ。これは絶品である。野趣あふれながら気品がしっかりとある。お腹の中にすっぽりと収まる。そして、しっかりとした質量がありながら重くならないその腹具合に、すっかり満足する。

 A氏さんのお宅では、お任せが一番。旬の素材を使い丁寧に造りこまれた音楽がタイミングよくGRFから放たれる。その芸術性の高い味わいには「さすが・・・」と唸る。今日はA氏邸で耳と心を満たし、「蕎 ふるやま」で舌とお腹を満たした一日であった。

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