2011/10/23

2048:ヨハネ受難曲  

 御殿場インターを降りて、須走インターへ向かう途中、走っている車からは、富士山が美しいシルエットを描いていた。

 背後に夕方の淡いオレンジ色をまとい、神々しい後輪を配しているかのような富士山である。その景色は、たった今聴いてきたばかりの「ヨハネ受難曲」の神々しいまでの美しさと見事に符合した。

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 pontaさんのお誘いを受けて、コンサートを聴くために赴いたのは、富士市文化会館。自宅から車で2時間半の距離である。少々遠いが、指揮されるのが、先日お宅にお邪魔させていただいた福島章恭さんとあっては、断るわけにはいかない。

 合唱は福島さんが指導されている富士ベートーベンコーラスと東京ジングフェライン。オーケストラはオルケステッラ・デル・ジョルノ。5人のソリストを加えての豪華な布陣である。

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 富士市文化会館は、とても立派な建物である。大・中・小の三つのホールがあり、コンサートは大ホールで行われた。大ホールは天井高が十二分にあり響きが良さそうである。

 さらにうれしかったのは、歌詞の日本語訳が舞台に表示されたことである。これはとても大きな意味があった。イエスが捕らえられ、刑に処せられるまでドラマチックに描かれていく展開をしっかりと把握することができたからである。

 今日の演奏は「聴く」というよりも「体験する」といった表現が適切だと思えるようなものであった。イエスとそれを取り巻く様々な人間の心理の動きが細かなところまで見事に表現されていて、音楽を聴いているのであるが、その神聖で壮大な物語の中に、音楽のうねりとともに飲み込まれていくようであったからである。

 スリリングであり、ダイナミックであり、神聖な雰囲気に満たされていた演奏であった。その神々しいバイブレーションは聴くもの全てに伝わったようで、演奏終了後の会場には、熱を帯びた興奮が渦巻いていた。

 神々しいまでに美しいシルエットを見せてくれた富士山の裾野を疾駆して、VW POLOは須走インターの入口にスムースに入っていった。徐々に薄暮れていく空は、濃い目の灰色が勝ってきた。

 すると高速道路の電光掲示板には「中野トンネル → 小仏トンネル 渋滞 20km」と表示されていた。「ヨハネ受難曲」の素晴らしい演奏を聴いて、イエスの受難を追体験したばかりであるが、私の行く手にはまた別の大きな「受難」が待ち構えていたのであった。



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