2022/1/15

5798:先住猫  

 FMさんのリスニングルームは1階にある。15畳ほどの広さである。リビングルームを兼ねているのでエアボリュームは十分に確保できている。

 リスニングポイントに置かれた3人掛けソファの真ん中に私は座った。FMさんはその脇に置かれた一人掛けのソファに座られた。

 ORACLEのレコードプレーヤー、そしてFM ACOUSTICS製のフォノイコライザー、プリアンプ、パワーアンプは、イタリアのメーカーであるバッソコンティニュオ社の堅牢なオーディオラックに納められている。

 我が家と同じORACLEのレコードプレーヤーは、DELPHI 5である。私が現在使っているDELPHI 6の一世代前のモデルである。

 通常のモデルはベース部分のアクリルが透明なものであるが、FMさんがお持ちのDELPHI 5はブラックアクリルである。アニバーサリーモデル限定の特別仕様である。

 アームはアニバーサリーモデル限定で付属してくるSMEのシリーズ5で、カートリッジはZYXのOMEGAである。

 フォノイコライーはFM122で、プリアンプがFM155。この両者とてもコンパクトなサイズである。横幅が245mmで、高さが62mmであるので、普通のコンポーネントのサイズの半分ほどある。

 パワーアンプはF10Bである。こちらは一般的なサイズではあるが、パワーアンプとしては比較的コンパクトと言ってもいいであろう。

 「あまり大きくて重いオーディオ機器は好きではないんです・・・一人で持ち上げられないようなパワーアンプには食指が全く動かなくて・・・」とFMさんは話されていた。

 FM ACOUSTICSは、超高額なハイエンド製品をラインナップするスイスのオーディオメーカーである。正直、最近の価格設定は常軌を逸しているという感があるが、FMさんは、「私が購入したのは10年以上前ですが、その当時は今みたいに想像を絶するような高い価格設定ではなかったですよ・・・」と話されていた。

 そして2組のスピーカーが、美しく並んでいた。ラックを真ん中にして内側にはGuarneri Mementoが、かすかに内振りをつけられて置かれていた。

 そして、その外側には復活したPARSIFAL ENCOREが置かれていた。スピーカーの間隔はかなり広くなり、内振の角度もより強くつけられていた。それぞれのスピーカーの足元には木製の黒いオーディオボードが設置されていた。

 この両者、そのれぞれ意匠の雰囲気がかなり異なる。Guarneri Mementoは、純粋なイタリアの粋を感じさせてくれる。ヨーロッパの古い建物のように、その内包する歴史の深みが自然と漏れ出てくる。

 一方PARSIFAL ENCOREは、ぐっとモダンで近代的である。虚飾を廃したその造形は現代的な清潔感に溢れている。

 「どちらも独自の存在感がありますね・・・艶やかさとモダン・・・とても対照的なスピーカーですね・・・」と、私は感嘆の言葉を漏らした。
 
 まずは、「先住猫」であったPARSIFAL ENCOREから聴かせてもらった。ORACLE DELPHI 5のターンテーブルに乗せられたのは、ETERNAのレコードであった。



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