2022/1/14

5797:Parsifal  

 FMさんが現在使われているスピーカーは、私と同じSonus Faber Guarnri Mementoである。そのコンディションも素晴らしいものである。

 ヴァイオリンの表面に使われているニスを活用した艶やかなキャビネには傷が一切なく、傷みやすい黒い革の部分にも剥がれなどはない。さらにくすんで酷い場合には黒ずんでしまうスピーカー端子も艶やかな輝きが残されている。

 FMさんは、私の紹介で「オーディオショップ・グレン」で購入した。そして、私はFMさんがインターネットでコンディションが良いGuarnri Mementoを見つけてくれて、山梨県にあるオーディオショップから購入した。

 というわけで、私とFMさんは、奇しくも同じ年に同じスピーカーを新たに導入したことになる。Guarnri Mementoの中古相場は90万円前後である。二人のスピーカーもほぼ同じ価格であった。

 私は、従来から使っていたTANNOY GRFと併設する形でセッティングしているが、GRFに比べると若々しく、艶ややかな音色についつい気持ちが傾き、最近はほとんどGuarnri Mementoを聴いている。

 GRFは英国独特の渋み・苦み・くすみのなかに高貴さが窺える音色である。一方Guarnri Mementoは、艶やかで明るく、生を謳歌するイタリアの響きである。

 還暦に達するまで残り1年と数ケ月という年齢になり、自分の心身からは若々しいエネルギーがどんどん失われていく。そういった喪失感が、若々しく艶やかなGuarnri Mementoの音により心惹かれていく要因となっているのかもしれない。

 「このままの状態であれば、GRFは要らなくなるのかもしれない・・・」そんなことを最近は思い始めている。

 FMさんは、Guarnri Mementoを導入される前は、Verity Audioの Parsifal Encoreを使われていた。

 不勉強である私はFMさんのお宅でParsifal Encoreを聴くまでは、そのスピーカーについて全く知らなかった。

 Parsifal Encoreは、オリジナルのParsifalの次に発売された2世代目のモデルである。そういう意味ではGuarnri Mementoと同じである。

 その後Parsifal Encoreは第3世代に移行してParsifal Ovationに切り替わった。今井商事が輸入代理店となって日本に正式に入ってきていたが、その後今井商事は取り扱いを停止したようである。

 Parsifal Encoreのキャビネットの仕上げは何種類があった。FMさんがお持ちであったParsifal Encoreは、木目がとても美しい明るめの茶色の突板であった。表面の塗装はGuarnri Mementoと同様にとても艶やかで輝かしかった。

 「これはマコーレという木だということでした。ピアノブラックなどもあるのですが、この仕上げに心惹かれました・・・」とFMさんは以前に話されていた。

 そのParsifal Encoreは、Guarnri Mementoの導入によって、FMさんのリスニングルームから一旦姿を消していた。

 しかし、売却されたわけではなく、取っておいた元箱に入れて大切に保管されていた。その一時保管状態であったParsifal Encoreが、Guarnri Mementoと併設される形で復活したとの連絡が入ったのは先週のことであった。

 「復活したのか・・・Parsifal Encore・・・」さっそくその状態を確認しようと私は今日の午後車で出かけた。狭山市にお住いのFMさんのお宅には車で30分程度で着く。 



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