2022/1/8

5791:Synergy  

 Jeff Rowland model2の背面にはゲインを切り替えることができる小さなスイッチが付いている。スイッチを上下することにより高ゲインと低ゲインの2段階に切り替えることができる。

 高ゲイン(32dB)を選択して、試聴を開始した。先程COPLANDの純正組み合わせで聴いた際の印象との比較ということになる。

 プリンアンプはCOPLAND CTA301のままである。COPLANDの純正組み合わせとの比較になるので、Jeff Rowland model2にとって「アウェイ」での試合となってしまう。

 ショスタコーヴィッチの交響曲第5番第1楽章がA3から流れ始めた。慎重に耳を傾けた。最初の弦の音を聴いた時に「音の色合いが単調だな・・・色彩感が減退したような気がする・・・」と感じた。

 音の輪郭はメリハリがついてよりはっきりとするが、音の淡い色合いの変化が乏しくなって、空気感のまだら模様が均一化されたような感じがした。

 大川さんも、今一つ浮かない表情であった。第1楽章を半分くらい聴き進んだところで、大川さんはCD2000のリモコンを操作して一旦曲を止めた。

 そして「ゲインを切り替えてみましょう・・・」と言いながら背面の小さなスイッチを操作して、ゲインを低ゲイン(26dB)に変更した。

 そして再度ショスタコーヴィッチの交響曲第5番第1楽章を聴き始めた。パワーアンプのゲインが下がったので、プリアンプであるCOPLAND CTA301のボリューム位置は上がった。

 パワーアンプの支配力が下がり、相対的にプリンアンプの音色に対する支配力が上がったことになる。

 「こちらの方が良いですね・・・」と私はぼそっと呟いた。大川さんも先程の表情とは変わり、安心したものになった。

 音色の色合いが随分と落ち着いたものになった。COPLANDの純正組み合わせの時と比べると音が「楷書体」にはなっているが、クラシックらしいバランス感がしっかりと維持されていた。

 第1楽章を聴き終えた。「こちらは音が楷書体ですね・・・COPLAMD純正の組み合わせの時は草書体といった感じでした・・・」私はその第一印象を述べた。

 「そうですね・・・オーディオ的にはJeff Rowland model2の方がきっと高性能な音がしているのでしょうが、音楽的な快感度という基準からするとCOPLANDの組み合わせの方が高いような気がしました・・・」と大川さんもその印象を話された。

 「Jeff Rowland model2にとっては不利な環境ですからね・・・一概には比べられませんが、私も同じような印象でした・・・でも、プリアンプを同じJeff RowlannoのSynergyに換えたりしたら、がらっと状況が変わるような気がしますね・・・Synergyってかっこいいですよね・・・中古なら現実的な価格でしょうし・・・ラックの棚も一つ空いていますから・・・」と、笑った。

 「Synergyか・・・確かにかっこいいですよね・・・中古なら20万円代の前半ぐらいでしょうか・・・少し気になりますね・・・まずい、せっかくDACを2台処分して、オーディオ機器の数を減らしたのに・・・また物欲の沼に嵌りそうですね・・・」大川さんは苦笑した。

 続いて、ラロのスペイン交響曲を聴いた。「Jeff Rowland model2は、とても全うだな・・・雑味のない高いS/N感が感じられる。生真面目てしっかりとした音の印象である。空間表現においては立体感や遠近感が十分に感じられる。これにたおやかな音色の柔らかさが加われば、相当に高得点を獲得するパワーアンプであろう。現在は電源ケーブルが純正のものであるので、これを変えることで表情が随分と変わるはず・・・」そんなことを思いながら、先ほどと同じように最終楽章まで聴き終えた。

 「聴き進んでいくうちに耳に馴染んできて、さらに良い印象になりましたが、現状ではCOPLANDの純正組み合わせの方が良いと思いました。ぜひ次回はJeff Rowland純正の組み合わせも聴いてみたいですね・・・」と、私は話した。

 「良いパワーアンプであることは十分分かりました。確かに純正組み合わせ同士で聴き比べをしたくなりますね・・・Synergyか・・・またインターネットで検索する日々になりそうです・・・」

 大川さんは、幾分困ったような表情であったが、その表情の奥にはワクワクするような楽し気なものも、見え隠れしていた。

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