2022/1/5

5788:GE236  

 大川さんは「昨日まで娘夫婦が孫を連れて来ていたけど、帰っていってしまうと何だか火が消えたようになって、ちょっと寂しいね・・・」話されていた。

 大川さんは数年前に長年勤めた会社を定年退職し、現在は契約社員として週に4日働いている。65歳まであと数年は働けるようである。

 「やっぱり、孫はかわいいね・・・親としての責任はないから、ただただかわいがることができるし・・・この年齢になると自分自身の命が尽きるということが現実的なこととして捉えられるから、命が引き継がれていくということに対してやはり感慨深いものがある・・・」

 大川さんのリスニングルームに据え置かれた3人掛けのソファに座りながら、しばしの雑談タイムを過ごした。

 この部屋の中で一番大きな存在感を有する3人掛けのソファは、Hans j WegnerがデザインしたGE236である。

 実にシンプルな造形である。その清澄な美しさは長い時を経ても全く古びることがない。横幅は2メートルを超え、ゆったりとしている。ファブリックは淡いグレーで、オークの木部の色合いと釣り合っている。

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 スマホの画面で孫の姿を見せてもらった。無邪気に笑う2歳児は純粋にかわいいものである。「でれでれになるのも分かるな・・・」と思った。

 ソファの前にはやはりオークで作られたコーヒーテーブルがある。そこに大川さんの奥さんがコーヒーを運んできてくれた。

 「どうも・・・お邪魔しています・・・」と挨拶をした。白いソーサーに乗せられたカップには黒いコーヒーが緩やかに波紋を広げていた。

 リスニングポイントのから見て右側には大きな特製のオーディオラックが設置されている。そのオーディオラックには最大9台のオーディオ機器を収めることができる。

 送り出しは2系統ある。一つはORACLE CD2000とZanden Model5000の組み合わせで、もう一系統はKRELL MD-10とKRELL STEALTHの組み合わせである。

 プリアンプとパワーアンプはCOPLANDである。型番はプリアンプがCTA301で、パワーアンプがCTA504である。

 COLPANDはスウェーデンの管球式アンプのメーカーである。外観からは真空管は見えないので、トランジスターアンプだと思ってしまう。

 こちらも随分と昔にパイオニアインターナショナルが輸入代理店となって日本にも輸入されていたようであるが、途絶えて久しい。

 そして、スピーカーが3年ほど前に新たに購入されたMAGICO A3である。発売当初はペアで130万円(税抜)と、MAGICOとしてはリーズナブルな価格で販売され、その高性能さと相まって、ハイエンドスピーカーとしては異例と言える人気を博した。

 現在は値上げされてしまい定価はペアで165万円(税抜)となった。それでも現実的な価格でMAGICOの峻烈な高性能感を味わえると、人気は続いている。

 今日は年数が経過して熟成度が上がってきたMAGICO A3を堪能することとは別に、もう一つの企画が用意されていた。

 そのもう一つの企画の主役となるべきオーディオ機器は、ラックの三つある下段の一つに佇んでいた。電源は既にONになっているようであった。



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