2021/10/9

5700:コンテスタント  

 1927年に第1回目が開催された歴史あるショパン国際ピアノコンクールは、今月の2日から第18回が開催されている。10月7日に1次予選が終了し、2次予選に進む45名が発表された。

 日本人では、古海行子、小林愛実、京増修史、沢田蒼梧、進藤実優、反田恭平、角野隼斗、牛田智大の8名が2次予選進出を決めた。

 国別では、地元ポーランドが9名、次いで日本が8名、中国7名、イタリア5名の順となった。今回は日本人初の優勝者が出るのではと期待が高まっている。

 コンクール会場でコンテスタントが弾くピアノは幾つかのピアノメーカーから自身で選択する。その選択のために与えられる時間は一人15分である。

 87名のコンテスタントが、大舞台のパートナーとして選択したピアノは、スタインウェイが64名、ヤマハが9名、ファツィオリが8名、そしてカワイが6名であった。

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 パグ太郎さんのリスニングルームで、2本のドイツ製の「漆黒のタワー」から放たれるグレン・グールドのバッハを聴きながら「そういえばグレン・グールドはヤマハのピアノを愛用していたはず・・・」と思っていた。

 「漆黒のタワー」であるGerman Phisiks HRS-130を駆動するアンプは、プリアンプがMola Mola Makuaで、パワーアンプがOCTAVE V110SEである。送り出しはLUXMAN D-08u。

 リスニングルームはリビングルームも兼ねているのでエアボリュームが十二分にあり、羨ましい限りである。しかも音響効果のため、天井が後方に向かって高くなっている構造まで採用されている。遮音もしっかりと対策が施されていて万全である。

 リビングルームという日常生活圏も兼ねているので、オーディオマニアの部屋にありがちなごちゃごちゃした感じとは無縁である。実にセンス良くまとめられていて、居心地の良さが醸し出されている。

 クラシックを中心に数多くのCDを聴かせていただいた。まず感心するのは音の純度の高さである。

 とても高いSN比、その透明感は聴く者の心が汚れていてもすっと綺麗にしてくれるかのようである。そして音の消え際の描写が非常に繊細で、気持ちを穏やかにしてくれる。

 HRS-130以外のオーディオ機器はメーカーがそれぞれ異なるがフロントパネルの仕上げはシルバーの上品な仕様である。その繊細な表面仕上げのような美しいトーンの音が、この雰囲気の良い部屋を満たす。

 360度完全無指向性のHRS-130は、空間表現に優れ、楽器の位置関係もしっかりと提示してくれる。後方に広く展開する立体的なサウンドステージの空気感はさらっとしている。

 音の輪郭を強調することなく、解像度重視という表現を決してしないが、耳を澄ませばあるべき音と空間がしっかりと提示されるという音のいでたちは、パグ太郎さんの人間性そのものという気がした。

 一緒にお伺いしたのはgenmiさんである。パグ太郎さんとは旧知の仲で、パグ太郎さんがHRS-130の前にB&W Signature805を使われていた頃の音の質感に戻られたことが印象的である旨の感想を漏らされていた。

 「『大人の音』なんですよね・・・以前の音に戻られましたね・・・」genmiさんはとても嬉しそうである。

 オーディオマニアにとってスピーカーを替えるということは、コンテスタントがピアノを替えるのと同じように、影響度は大きい。

 しかし、1年、2年と鳴らしていくうちに、やはりその人の音になっていくのであろう・・・Signature805とHRS-130とでは、その姿に大きな違いがあるが、genmiさんの記憶の中にあるかつてのSignature805の音と現在目の前あるHRS-130が放つ音とはしっかりとクロスするようであった。

 HRS-130の後方にはDDDユニットのみが追加的に設置されていたが、昨晩の地震でずれてしまって、4本構成にすると、後方のDDDユニットがHRS-130の足を引っ張ってしまうので、今日はHRS-130のみでの演奏となった。

 「パグ太郎さんの部屋で響くHRS-130は、ピアノに例えるとスタインウェイであろうか、ヤマハであろうか、ファツィオリ・・・あるいはカワイ・・・」そんな脈絡のないことをぼんやりと頭に思い浮かべながら、幸せな夕刻を過ごした。



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