2021/10/31

5722:Timeless Machine  

 ジョン・コルトレーンの「ブルー・トレイン」は、1957年9月に録音された。ジョン・コルトレーンのリーダー・アルバムとしては唯一ブルーノートから発売されたアルバムである。

 そのレコード番号はBLP1577。名作が並ぶ「1500番台」のブルーノートにおいても、非常に人気の高いアルバルである。

 最初期の深緑色のジャケットでコンディションが良いオリジナル盤の値段は数十万円である。ハンコックさんが持参された「ブルートレイン」は、実に良い色合いの深緑色のジャケットであった。

 その貴重なレコードは、GRFさんのとても広いリスニングルームの片隅に置かれたドイツ製の堅牢なレコードプレーヤーにセットされた。

 そのレコードプレーヤーにはSMEのシリーズファイブが装着されていて、その先端には光カートリッジの最高峰である「グランドマスター」がセットされていた。そのカートリッジはLEDの白い光を発している。

 今日はハンコックさんと連れ立ってGRFさんのお宅を訪問した。今日のOFF会のメインテーマはずばり「光カートリッジ」である。

 ハンコックさんは光カートリッジ初体験。私は2度目であるので、ある程度「免疫」があるが、やはり光カートリッジは鮮烈な印象を投げかけてくる。

 19657年当時ジョン・コルトレーンはヘロインやアルコールの依存症に陥っていた。その依存症から脱却しようともがき、禁断症状に苦しんで再度薬物等に依存するといったことを繰り返していたようである。

 そんな状況であっても、あるいはそういった状況であったからこそ「ブルートレイン」は歴史に残る深い味わいのある名作となった。

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 アナログの世界に大きな変革をもたらし始めている光カートリッジで聴く「ブルートレイン」・・・光カートリッジの放つ光は時間軸そのものを歪めるかのようである。64年前の1957年、紫煙が天井に舞うスタジオの空間と風景を、2021年の現代にワープさせるかのように思える。

 古い時代のモノラルレコードを聴いているという感覚が全くない。「High Fidelity」の極みといった世界が展開する。

 これが再発盤であったなら、このレベルには全く到達しないであろうが、オリジナル盤だけが内蔵しているクオリティーをLEDの白い光は暴き出すかのようである。

 「光射すところ、闇は消える・・・」闇のなかに隠れていた微細な要素が表に出てきて、名演の詳細を露わにしていく。

 グランドマスターは、「隣のトトロ」の名シーンの一つを想起させる。「まっくろくろすけ出ておいで〜、出ないと目玉をほじくるぞー!」とサツキとメイが叫ぶシーンである。

 グランドマスターの光によって、「まっくろくろすけ」はすっかりと退散したようである。ちなみに「まっくろくろすけ」は人に害を及ぼすことのない妖怪である。

 光カートリッジによる名演でもう1枚強い印象を受けたレコードは、カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏によるシベリウスの交響曲第4番である。

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 こちらは1964年の録音。ジャケットが実に素晴らしい。カラヤンのレコードの中で最もジャケットが美しいレコードではないであろうか・・・

 カラヤンは完璧主義者であった。そして無類の車好きでもあった。彼はポルシェ911をこよなく愛した。

 911の歴史は1963年から続く。現行型は8世代目となる。光カートリッジで聴く1964年のカラヤン・・・その印象は「これは911と言っても空冷式の911ではない。最新型の911であろう・・・スポーツカーでありながら快適性も備えた車である・・・パワフルでスムース・・・走りは盤石である・・・」そんな思いが頭をよぎった。

 流麗なシルエットを有した最新型の911が疾駆するように音楽は流れる。そのフロントライトには特徴的な4眼のLEDライトが眩しく輝いている。

 ポルシェ911のキャッチフレーズは「Timeless Machine」である。光カートリッジも別な意味合いではあるが「Timeless Machine」と言っていいかもしれない。光カートリッジ初体験となるハンコックさんも光カートリッジに感心しきりであった。

2021/10/30

5721:10年  

 「ソニーと比べて音は変わった・・・?」彼女に尋ねるみた。「どうでしょうか・・・それほど違いはないようですけど、音がすっきりとしました。ソニーが味噌ラーメンならオットーは醤油ラーメンといった感じでしょうか・・・」と彼女はパソコンの画面から少し視線をずらして答えた。

 「すっきりね・・・オットーは70年代、ソニーは60年代だから、その違いかな・・・」私は独り言のようにつぶやいた。

 カウンターにはブレンドコーヒーが白いコーヒーカップに注がれていた。「Mimizuku」のブレンドコーヒーはすっきりとした味わいで雑味が少ない。

 スマホで「SONY TA-1120A」と入力して、その画像を検索してみた。SONY TA-1120Aは1967年の発売である。ウッドケースはオプションで販売されていたようである。彼女の家にあるものはウッドケースが装着されている。ウッドケースが装着されていたほうが高級感が出る。

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 こんなアンプがさりげなく置かれていたら、それはそれできっと素晴らしいであろうと思われる銘品である。

 一方「ゆみちゃん」がデザインを気に入って新たに購入し、SONY TA-1120Aの隣に置いて併用しているというOTTO DCA-1201は、SONY TA-1120Aの発売時期のちょうど10年後になる1977年の発売である。

 そのフロントパネルは特に個性的というわけではなく、大きめのボリュームノブ、セレクターやトーンコントロールのためのノブはやや小さめ、バランス調整はスライド式で、電源スイッチなどはトルグスイッチ、そして小さなプッシュボタンも三つ並んでいる。それらが実にしっくりとする配置に収まっている。強烈な個性や冴えきったデザインセンスを感じることはないが、埋没しそうで埋没しない絶妙なバランス感が感じられる。

 それらの2台の古い日本製のプリメインアンプが仲良く並んでいる様を脳内スクリーンに投影してみた。そこには何とも言えない、懐かしくかつ決して古びない空気感が感じられた。

 それにしても、それらは一人暮らしの33歳の女性の部屋にあるべきものではないような気が改めてしてくる。ブレンドコーヒーをゆっくりと味わった。やはりすっきりとした味わいである。

 一旦持ち上げたコーヒーカップをソーサーに戻した。陶器が重なる乾いた音がした。その音を合図にしたかのように、右斜めに置かれているオレンジ色をしたパタパタ時計のパネルが「パサッ・・・」と音をさせて回転した。そして時刻がPM 04:00になったことを告げた。しかし、その表示されている時刻と実際の時刻が一致していることは、いまだかって一度もない。

2021/10/29

5720:OTTO  

 彼女の話を聞いて、私はスマホの検索エンジンに「OTTO DCA-1201」と入力してみた。すると、「オーディオの足跡」というサイトにその概要が出ていた。

 そのサイトによると発売は1977年で、定価は74,800円であったとのことである。1977年で定価74,800円ということは中級機という位置づけであろうか。

 「OTTO」は今は無き三洋電気のオーディオブランドである。オーディオブームの1970年代、各大手電機メーカーはオーディオブランドを立ち上げた。

 そんななかにあって「OTTO」はどちらかというと日陰的な存在で、それほど人気がなかったという記憶がある。 

 「オーディオの足跡」には簡単な説明文が乗っていた。「ダイナミックレンジの拡大と歪率の低減を図ったプリメインアンプ。イコライザーアンプとメインアンプを直結させることでトーンアンプで発生する雑音と歪そのものの存在を排除しています。これにより増幅段の1/3の簡素化によってSN比改善と歪率低減を可能にしています。トーンアンプ挿入も可能です。左右独立電源構成を採用しています。」

 中野坂上にある喫茶店「Mimizuku」には週に1、2回立ち寄る。時代に取り残された感のある古い喫茶店である。

 しかし、最近は「昭和レトロ」が若い世代にとっては逆に目新しいのか、「純喫茶ブーム」というものが密かに進行していて、稀に若い女性グループがテーブル席に座っていたりする。

 今日も二つある4人掛けのテーブル席の一つには女性2人組が座っていた。奥にある2人掛けのテーブル席には初老の男性が一人で来ていた。

 そして、カウンター席にはパソコンに向かいテレワーク中の「ゆみちゃん」が座っていた。彼女は33歳なので、若い世代と言っていいであろう。

 緊急事態宣言が解除されたが、勤務先であるIT企業では引き続き原則テレワークであるようである。

 四つあるカウンター席に座った。一人でこの店を切り盛りしている女主人にブレンドを注文した。

 彼女と少し世間話をしている時に「そういえば、私買ったんです・・・プリメインアンプ・・・ヤフオクで整備済みのものを見かけて、どういうわけかそのデザインがとても良かったので・・・落札価格は11,000円でした・・・」と話した。

 彼女は何故かレコードやカセットテープで音楽を聴くことが好きである。物心ついた時にはレコードやカセッテテープはもはや「遺物」となっていた世代である。

 そして1960〜70年代のオーディオ機器を一式所有している。プリメインアンプはSONY TA-1120Aである。

 「ソニーのアンプは・・・?」と尋ねると、「持っています・・・2台体制です・・・」と彼女は笑った。

 その彼女がデザインが気に入って整備済みのものをヤフオクで購入したというのが、OTTO DCA-1201であった。

 スマホにはその画像もあった。一見なんということのないプリメインアンプである。ボリュームノブや各種スイッチ類も落ち着き感のある配置である。しばし、ぞの造形を眺めていると、1970年代の息吹が濃厚に感じられるような気がしてきた。

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 「これ・・・?」と呟きながら、そのスマホの画像を彼女に見せた。「そうそう・・・これです・・・良いと思いませんか・・・?このデザイン・・・」彼女はくりっとした目を一瞬細めた。

2021/10/28

5719:教訓  

 「数馬」から「都民の森」への約4kmのヒルクライムへ向けてスタートした。いつも通り、スタートしてすぐのところにある「蛇の湯温泉 たから荘」の建物の前を通り過ぎたところでサイコンのラップボタンを押した。

 普段であればスタートして徐々に負荷を上げていき、230ワットほどのパワーでマイペース走行をするが、今日はそういうわけにはいかない。

 脚の筋肉はスポンジ状態である。踏もうとしてもスカスカな感じで力が入らない。200ワット前後の出力で淡々と走っていくしかないという状態であった。

 心肺の方は余裕があった。心拍数は上がらず162前後の低めの数値で推移していた。普段のパワーを出していれば170を超えてくるが、今日はそういう高回転域は使うことがなかった。

 「数馬」からのヒルクライムコースは斜度の変化が少ない。平均すると7%ほどであろうか・・・激坂エリアはないので走りやすい上りである。

 ゆっくりではあるが確実に標高を稼いでいってゴール地点に達した。脚には「売り切れ御免」の札が貼られていた。

 ゴール後ゆっくりと走っていき、「ゆりーと君」の像のある休憩エリアに向かった。自転車に乗る「ゆりーと君」は「お疲れ様・・・」という感じで迎えてくれた。 

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 ここでの楽しみの一つは「売店 とちの実」の名物である「みとう団子」である。店の前で炭火で焼かれる大振りな団子である。味は「くるみ味噌」と「甘辛しょうゆ」から選べる。いつものように「くるみ味噌」を選んだ。

 「くるみ味噌」味の「みとう団子」はどこかしら、懐かしい味わいである。心に馴染む味わにほっこりしながら、休息タイムを過ごした。

 「都民の森」は、思っていたほどには寒くはなかった。天気が良かったので陽光が降り注いでいた。恒例の記念撮影を済ませて、下ることになった。

 ウィンドブレーカーを着用してから下りに向かった。重力を味方につけて下っていった。上りでは風景を楽しむ余裕は全くないが、下りではその景色を視界の中に据えながら走っていく。

 大きなトラブルなく下っていった。ハイペースで走るので、下りだから楽ちんというわけにもいかない。短い上り返しも入ってくると、そこでは疲弊している脚に鞭を入れた。

 「橘橋」の交差点まで走っていってその交差点を右折した。山間の中を縫って走る檜原街道を走っていき、武蔵五日市駅までたどり着いた。

 もう少しで休憩ポイントである。武蔵五日市駅前の交差点を右折して睦橋通りを走っていった。睦橋通りでは、やはり何度も赤信号でのストップ・アンド・ゴーを繰り返した。

 ようやく拝島駅前のファミリーマートに着いた。ここで最後の休憩をする。拝島駅の白いフェンスにロードバイクを立てかけて、店内に入った。

 昼食に選択したのは「北海道仕込みの厳選味噌濃厚味噌ラーメン」である。北海道仕込みの味噌を使用し、コクと旨みの感じられる濃厚な味噌ラーメンである。疲れた体に濃厚なエネルギー源を注入した。

 残りの行程も、そのエネルギー源を燃焼させながらハイペースで走った。「ロングの前日のZwiftでは『Alpe du Zwift』を走るんべきではない・・・」という教訓をかみしめることとなったロングはようやく終わった。 

2021/10/27

5718:数馬  

 下元郷での休憩を終えて、リスタートした。檜原街道を少し走っていくと、右手に檜原村役場が見えてきた。「村役場」という言葉の響きとは裏腹に立派な建物である。

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 檜原村役場を通り過ぎると、その先に「橘橋」のT字路交差点がある。「時坂峠」に向かう場合にはこの交差点を右折する。今日の目的地は「都民の森」であるので、交差点を左折した。

 交差点には「都民の森 21KM」と書かれた道標が掲げてある。ここから「上川乗」の分岐地点までは上り基調のアップダウンが継続する。

 隊列を維持しながらではあるが、いつもよりも少し速いペースでトレインは進んでいった。順調に距離を稼いでいって、「上川乗」の分岐地点を越えた。

 ここから「数馬」までは何箇所か厳しめの上りも入ってくる。その上りでは出力がぐっと上がり、脚の余力が確実に減少していく。

 「数馬」が待ち遠しかった。昨晩の疲労感が残っている脚は重く鉛のようである。「これでは数馬までで完全に脚が終わってしまうな・・・」そんなことを思っていると、ようやく日帰り温泉施設である「数馬の湯」の建物が左に見えてきた。

 「数馬」のバス停までの厳しい上りを越えていった。このバス停の脇には公衆トイレがある。ここで休息した。

 「数馬」から「都民の森」までは、約4km。しっかりとした上りが続く。このヒルクライムエリアはフリー走行区間となる。それぞれの脚力に応じて上っていく。

 いつもであれば230ワット前後の出力を維持するようにして、最初から最後までほぼイーブンペースで走るが、今日の脚の状況からすると、平均パワーは200ワットも出ない感じであった。

 先行スタートするメンバーが一人スタートした。その背中を見送りながら「私も先行スタートしようかな・・・」と思ったが、メンバーからブーイングを浴びそうなのでやめておいた。

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 数馬の風景はいつも通り穏やかなものであった。空は青く澄んでいた。その風景は目に麗しいものであったが、今日の心情はその風景とは裏腹に沈痛なものであった。

2021/10/26

5717:シーラント  

 玉川上水に沿った道をひたすら西に走っていって、最初の休憩ポイントである拝島駅前のファミリーマートに到着した。

 ここでコンビニ休憩をした。店内で補給食を何にするか棚を見て回った。今日選んだのは、「石窯パリジャンサンド ハム&チーズ」。

 フランスパン風のパンに、ボンレスハム、ゴーダチーズ、グリーンリーフをサンドし、マスタードマヨで味付けした比較的シンプルなサンドイッチである。

 これにホットコーヒーを合わせたのであるが、レジに置かれたメニューに「濃いめのブレンドコーヒー」と書かれたものがあったので、それを選択した。

 一口飲んでみた。コクがあり濃いのに、飲み心地はスッキリとしている。以前はファミリーマートのコーヒーにそれほど良い印象が持ったことはなかったが、すっかり見直した。

 しばしの休息時間の後、「それではそろそろ行きますか・・・」という感じで準備を始めた矢先、突然「パーン・・・シュ〜」という音が響いた。

 明らかにパンクの音であった。あるメンバーのロードバイクの後輪であった。そのタイヤはチューブレスタイヤであった。シーラントが入っているので、本来であればシーラントが穴をふさいでパンクを防止してくれるはずであったが、シーラントは上手く機能しなかったようである。

 そして、パンク修理に取りかかった。チューブを入れてパンク修理をすることになった。白いシーラントが結構な量出てきてしまい、タイヤを外したりチューブを入れる作業をとてもやりづらくしていた。

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 どうにかこうにかパンク修理を終えて、先へ進むことになった。5台のロードバイクは国道16号を渡り、睦橋通りに入った。

 睦橋通りではよくあることであるが、赤信号に頻繁に捕まる。「誰か隠れて見ていて、直前に信号の色を変えてるんじゃないか・・・」とあり得ないことを思ってしまう。

 ストップ・アンド・ゴーを繰り返して睦橋通りを走りきり、武蔵五日市駅の手前を左折した。ここからは檜原街道である。

 市街地を抜けると、風景は山間のそれに変わっていく。周囲を木々に覆われた「陰地」を通る時は、かなり肌寒く感じた。

 2番目の休憩ポイントは、総工費が6,000万円もかかったという総檜造りの檜原村下元郷の公衆トイレである。ここにはバス停、駐車場、農産物の販売所がある。

 そして公衆トイレの手前にはサイクルラックも設置されている。そのサイクルラックにロードバイクをかけて、トイレを済ませた。

 ベンチに座った。体はやはり重かった。脚の回りも悪い。「今日は無理をせずに済ませるしかないな・・・」そんなことをぼんやりと思っていた。 

2021/10/25

5716:疲労感  

 いつものように朝の6時に起きた。しかし体の状態はいつもとは違った。ずいぶんと体が重く、左ひざには少し痛みを感じた。

 昨晩はZwiftで「Road to Sky」を走った。「Road to Sky」は5kmほどの平坦コースを走ってから、「Alpe du Zwift」を延々と上るルートである。

 最初の5kmはアップ区間にちょうど良く、ゆっくりと走る。「Alpe du Zwift」の計測区間が始まると220ワット程の出力で走っていく。タイムは55分から60分ほどかかる。

 21個あるヘアピンカーブを順次越えていく。最初のカーブには「21」の数字が振られていて、その数字が減っていくのを心の支えにして走っていく。

 終盤になってくるとペースを上げていく。その際に一緒に走っている他のアバターと競ったりすると、結構ヒートアップしてしまう。

 長い「Alpe du Zwift」の終盤、「3」の数字が振られたカーブを曲がると、後ろからノルウェー人が抜いていった。

 残りが少なくなってきていたので、その後ろについた。その後はゴールまでデッドヒートが続いた。走り終えた後はげっそりと疲れ切った。

 その疲労感は翌朝になってもしっかりと残っていた。「まずいな・・・体がずしっと重い・・・脚にもまだまだ疲労成分が残っている感じ・・・今日のロングは辛いものになりそうだ・・・」と、思いながらベッドから抜け出た。

 回復にかかる時間は年々長くなっていく。今や1日2日では疲労感は抜けない。昨晩の疲れは、ほぼそのまま残っているように感じた。

 いつも通り準備を進めた。サイクルウェアは少し迷った。朝の気温は低い。10度ないほどであった。「結構寒いな・・・」と思った。

 サイクルウェアは長袖を選択した。レッグウォーマーも装着した。「ネックウォーマーも要るかな・・・」と迷ったが、装着することにした。

 朝の7時になったので、LOOK 785 HUEZ RSに跨って自宅を後にした。ウィンドブレーカーも着ていたが、走り出しは寒く感じた。

 多摩湖サイクリングロードを東へ向かった。朝の太陽の角度が随分と低くなってきた。冬になるとさらに角度が低くなる。そうなると東に向かって走っていくと眩しくて視界の確保が難しくなることがある。

 冷やかな空気のなかしばし走っていくと、集合場所であるバイクルプラザに着いた。今日の参加者は5名であった。そのロードバイクの内訳はORBEAが3台でCOLNAGOとLOOKが1台づつであった。

 今日の目的地は「都民の森」に決まった。ロングにおける定番コースの一つである。走行距離は往復で120kmほどになる。

 5台のロードバイクは隊列を形成して走り始めた。小平市内の市街地を抜けていった。何度か交差点を曲がっていくと、道は「玉川上水」に沿って続くようになった。

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2021/10/24

5715:癖  

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 今週の木曜日は久々のゴルフであった。今年もコロナ禍によってゴルフコンペは全て中止になっているので、ゴルフの回数は極端に減った。今年5回目のゴルフであった。

 10月も終わろうとしているのに5回目ということは2ケ月に1回のラウンドペースということになる。

 来年はコロナ禍が落ち着く可能性が高いと楽観的に思っている。となると来年は例年通り20回近い回数のラウンドができるかもしれない。

 5回目のラウンドの舞台となったのは、飯能パークカントリークラブ。多少トリッキーであるが、変化があって面白いコースである。

 グリーンはベントであった。スティンプメーターは「9.0」と表示されていた。早すぎるということはないが、そこそこ早いグリーンであった。

 練習場にも行っていないので、スコアは期待できない。しかし、ゴルフ場に来ると「そこそこのスコアで回りたいな・・・」という身勝手な欲求が起こってくるのはいつものことである。

 INコーススタートであった。スタートの10番ホールは530ヤードのロング。朝一のティーショットは、右に曲がった。キャディーさんは「ワンぺナですね・・・ローカルルールでフェアウェイにまで出せます・・・」と告げた。

 ワンペナなので3打目をフェアウェイから放った。ボールはグリーンまで130ードほどのところに止まった。4打目はグリーンの左手前で転がった。5打目でようやくグリーンオンである。

 「2パットでダブルボギーか・・・」と思って、グリーンに上がった。しかし、なんとここから4パット。出だしでいきなり「9」と大叩きした。

 天気は晴天であったが、今日のゴルフの先行きには暗雲が立ち込めてきた。出だしで大きく躓いた。しかしその後はパーも出るがダブルボギーも出るという落ち着きのない展開が続き、INコースは「50」で終えた。

 もっとひどいことなるかと危惧されたが、まあどうにかこうにか終えた。後半はOUTコースである。昼食休憩を経て、後半のコースへ向かった。

 後半は落ち着いた出だしであった。1番ボギー、2番ダブルボギー、3番パーと来た。「後半はボギーペースの45ぐらいで回れるかな・・・」と思った。

 4番ホールは140ヤードのショートホール。ティグランドから見て左手前は工事中であった。一昨年の台風19号で土砂崩れが起きて、補修しているのである。

 その工事エリアにボールが入り込むとOBとなる。「まあ、気にしない・・・気にしない・・・」と思って8番アイアンを振った。するとボールはヘッドの端っこに当たった。ボールは工事エリア方向に弱々しく飛んでいった。

 気を取り直してもう1回ボールを打った。すると今度も再現フィルムを見るかのような結果となり、ボールは工事エリアに飛んでいった。2連発OBである。

 このホールは「7」。両肩ががくっと落ちてしまった。その後ガタガタと崩れていく可能性もあったが、5番から9番までの5ホールはどうにか持ちこたえた。

 後半のOUTは「47」。トータルで「97」であった。月に1回もゴルフができていない状況なので、100を叩かなかったから良しとすべきであろうか・・・

 「あのショートホールでの2連発OBがなければ、後半は43か・・・」と「たられば」をついつい頭に浮かべてしまう。

 さらに「出だしの4パットがなければ、前半は48。ということはトータルで91・・・」と都合の良いことを考えてしまう。

 ゴルフは結果を全て自分で背負わないといけない。それ故かついつい「たられば妄想」してしまうのは、私の悪い癖である。

2021/10/23

5714:貧血  

 Epic KOMの計測開始ラインを越えて、負荷を上げた。220ワット前後のパワーでクランクを回した。「まとめる」機能が働いているので、負荷を上げて走っても後ろとの差は開かない。

 Epic KOMをチームで走り切る場合、約30分ほどの時間が必要である。220ワット前後の出力で30分間走り続け、ゴール直前のスプリント合戦にも参戦するのは結構過酷である。「トレーニング・・・トレーニング・・・」と自分に言い聞かせて序盤を走った。

 前半には「ドイツ村」と呼ばれる中世ヨーロッパの風景が残っている集落がある。そのエリアの中には石畳の道もある。さすがに振動モードが変わることはないが、スマホの小さなスピーカーから響く走行音は変わる。

 ドイツ村を抜けると道は山岳コースに戻る。先頭を引いているが、「まとめる」機能ゆえ後方から引っ張られる感があるので、脚が重く感じられる。

 ようやくトンネル区間に入った。長いトンネルを抜けるとEpic KOMも終盤に入る。汗は盛大に流れている。扇風機の風もそれを抑えることは全くできない感じであった。

 長いトンネルを抜けた。ここからはさらにパワーが上がる。240ワットぐらいまで上げて、山頂が近いことをうかがわせる風景の中を走っていった。

 ゴール前には短い下りも入る。波打つアップダウンを越えていくとゴールまでの上りが続く。チーム全体でハイペースで走り、入り乱れ始める。

 そしてゴール手前で一気にスパート。500ワット以上の瞬間最大出力を出してゴールのアーチを潜った。その瞬間思ったことがあった。「まずい・・・貧血になりそう・・・」

 「箱根ヒルクラム」のラストスパートの後も酸欠からか、貧血のような症状になった。今回も最大出力を出した直後、「同じパターンか・・・」と思い、ゴール後「ではこの辺で休憩しましょう・・・」というリーダーの言葉を待たずに、すぐさまロードバイクを降りた。

 床に横になってしばし休息した。貧血状態は10分ほどで解消した。床には汗の跡が残った。それをクイックルワイパーで拭いてから、ロードバイクに戻った。

 後半はラジオタワーにまず上る。急峻な坂であるが、一番後方からゆっくりと上った。こういう時「まとめる」機能は助かる。一番後方で軽くクランクを回し続けても隊列から離れることはない。

 ラジオタワーまで上ると後は下りである。100km/hチェレンジするメンバーもいたが、私は脚を休ませることに専念しながら下った。

 下り切ると後は平坦なコースが数キロ続く。脚も充分回復してきたので、ペースを上げていった。

 200ワット前後の均等出力で残りを走り切った。コースの終わりを告げる青く半透明に光るラインを越えた。

 「もう貧血状態になるような追い込みはしないでおこう・・・歳も歳だし・・・」と反省しながら、バーチャルチームライドを終えた。外の雨はまだ降り続けていた。

2021/10/22

5713:代替案  

 先週の日曜日に企画されていた「300km超ロング」は雨により阻まれた。週間天気予報は日に日に悪くなり、前日の土曜日にスマホで確認すると降水確率は80%になっていた。

 「明日の300qロングに合わせるように雨雲さんがやってきてしまいました。ギリギリまで待って決断したいところですが、明け方の雨予報が消えないのと、途中で何かあると回避が困難になるので、300qロングは中止にします。」

 と、リーダーからのメールが来たのは、前日土曜日の午後であった。当日は天気予報通り朝から本降りの雨が降っていた。

 こういう状況にたちいたると、ZwiftとZOOMを活用したバーチャルチームライドに切り替わる。バーチャルチームライドのために選択されたルートはWatopiaの「Mountain-Route」であった。

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 コースの大半がEpic KOMの上りと下りで占められている。今回はEpic KOMを上り終えたところで一旦休憩を入れて、その後ラジオタワーまで上ってから一気に駆け下りていく予定であった。

 日曜日の朝、雨が降り、寒気がやってきているようで気温も低い。「エアコンはつけなくてもよさそうだ・・・でも扇風機はいるな・・・ヒルクライム中は暑くなるから・・・」と、思いながらセッティングを開始した。

 いつも通りZwiftはスマホで、ZOOMはノートパソコンで立ち上げた。いずれも問題なく接続されて準備が完了した。

 バーチャルチームライドの参加者は7名であった。スタート10秒前から電子音が10回鳴って、7名のアバターは無事にスタートした。

 Epic KOMが始まるまでは平坦なルートであるので、ゆったりとしたペースで走っていった。いつも通り「まとめる」機能は働いている。

 アップ区間をのんびりと走っていくと、Epic KOMの計測開始ラインを越えた。スマホの小さな画面にはKOM区間のタイムが表示され始めた。

 チームで走る場合、Epic KOMを走る切るまでには約30分かかる。「まとめる」機能が働いているので、負荷を上げて走っても差は開かない。



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