2021/9/11

5672:ANIMA  

 Brilon 2.0がSONICS ANIMAに変更になったほかには、Brilonさんのオーディオシステムは、前回訪問時と変わっていなかった。

 CDプレーヤーはBOW TECHNOLOGIE ZZ-EIGHTで、SOLIDSTEEL製のラックの最上段に置かれていた。

 プリンアンプはQUAD QC-24でパワーアンプはQUAD U Classicである。往年の銘機であるQUAD 22とQUAD Uに対するオマージュとして後年になって発表された製品である。

 まずはこの部屋の「先住猫」と言えるBrilon 1.0 SLEから聴かせていただいた。最初にかかったのは、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第1楽章であった。アルゲリッチとアバド、楽壇を代表する大物2人の共演盤で、2013年ルツェルン音楽祭で絶賛を浴びた演奏のライヴ録音である。

 その音に触れながら「こんなに小さなスピーカーであるけど、目を閉じるともっと大きなスピーカーが鳴っていると思ってしまう・・・相変わらずの広い空間表現力が魅力的である・・・」と思った。

 小型で点音源に近いユニット配置、仰角が付けられた独特のセッティングなどが上手くその効果を発揮しているのであろうか、12畳ほどの広い空間の真ん中あたりに置かれた小さなスピーカーは広々とした後方展開音場を形成していた。

 後方の壁からは相当な距離が取られてスピーカーは設置されている。スピーカーの後方に音が広がる。これくらいエアボリュームがあると実にゆったりとした感じを受ける。

 Brilon 1.0 SLEは、コンパクトな形状の割には低域の量感も見た目以上に感じられ、不思議と不足感を感じさせない。さすがにゆったりたっぷりというわけにはいかないが、自然な質感である。

 続いてかかったのは、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番から第1楽章であった。ヴァイオリンはルノー・カピュソン。共演はパーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団。録音会場は新しく建設されたホール「フィルハーモニー・ド・パリ」である。

 こちらもウェルバランスで落ち着いて耳を傾けることのできる質感である。大仰さがなく穏やかである。バリバリのハイエンドサウンドではないが、音楽を聴くうえで何ら不足なものはない。

 そして、この同じ2曲を今度はSONICS ANIMAで聴かせていただいた。今日はどちらかというとANIMAが主役でBrilon 1.0 SLEが共演者という感じのOFF会であった。

 スピーカーケーブルの先端はバナナ端子仕様になっているので、スピーカーケーブルの付け替えはいたって簡単である。

 ANIMAで聴くモーツァルトのピアノ協奏曲第20番第1楽章とブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章・・・その様相は、Brilon 1.0 SLEで聴いた時と比べてどのような変化があったのか・・・

 こちらはさらに小気味良いと感じさせてくれる反応の良さが好印象であった。ピンポイントで決まる定位が気持ちをすっきりとさせてくれ、得意とする音場表現はさすがと唸った。

 高域ユニットは、アルミとマグネシウムの合金からなるハードドーム振動板とのことであるが、シャープすぎるという印象はなかった。すでに製造からそれなりの年数を経ているので、エージングも充分進んでいるのであろう。

 Brilonさんの説明によると、エンクロージャーはMDFよりも音の響きが優れる13層の樺材を採用しているとのこと。そのエンクロージャーの響きも癖がなく素直な質感のように思われた。

 ワイヤーでテンションをかける構造が独特な専用スタンドは、適度に鳴くように設計されているようで、ANIMAの持つ高い解像感や反応の速さを活かしながら、開放的で広い音場再現に貢献しているようである。

 Brilonさんは、Brilon 1.0 SLEと同じ方向性を感じると評されていたが、確かにBrilon 1.0 SLEをより現代的にしたという印象を受けた。

 私は同じ部屋に2種類のスピーカーを併設することには正直抵抗感があったが、Brilonさんのお宅でBrilon 1.0 SLEとANIMAの音に触れ、「こういった楽しみもいいかもしれない・・・」と感じた。



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