2021/9/26

5687:夢  

 まず、ORACLE DELPHI5 30th ANNIVERSARYのターンテーブルにセットされたのは、MELODIYAの10インチレコードであった。

 ヴァイオリニストはイリーナ・ボチコワである。SME SERIES 5の先端にはZYX OMEGAが装着されている。その針先が盤面にゆっくりと降りた。

 A面に収録されているチャイコフスキー「憂鬱なセレナード」、パガニーニ「カプリース17番」、そしてヴィエニャフスキ「スケルツォ・タランテラ」と3曲を聴いた。

 イリーナ・ボチコワは1938年生まれの知る人ぞ知る名手である。1962年第2回チャイコフスキー・コンクールにおいてグートニコフに次いで2位を受賞した。

 チャイコフスキーの曲が始まると、その独特な空気感に惹きつけられる。音の色合いは実に気品がある。細身で控え目な音ではあるが、その静謐とした空気のなかから伝わってくる優雅さが耳に心地良い。

 これ見よがしではない官能性を聴き手に感じさせるヴァイオリンの音色である。パガニーニではゆとりすら感じさせる俯瞰性を持って演奏している。

 そしてヴィエニャフスキ・・・「高貴な色気」とでも評したい品位を感じる。その音色は幾度も鳥肌が立つほどに素晴らしい。

 Guarneri Mementoはやはり素晴らしいスピーカーである。ユニットの口径は小さいが良質な低音をこのスピーカーは奏でる。

 実在感のある音楽再現においては自然で良質な低音が必要であるが、Guarneri Mementoは無理をしている低音ではなく、柔らかな低音を自然に出す。

 中高音の色彩感もとても豊かに感じられる。非常に自然で誇張感や強調感を一切持たない。その自然さが絶妙だと言っていい。

 次にFMさんが選択されたのは、La Voix De Son Maîtreの12インチレコードであった。A面に収められているフランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調を聴いた。ヴァイオリンはクリスチャン・フェラスである。

 クリスチャン・フェラスは1933年ル・トゥケ生まれのヴァイオリニストである。1948年にシュヴェニンゲン国際コンクールで優勝した。1949年にはロン=ティボー国際コンクールで1位なしの2位を獲得して、国際的に名声を高めた。

 1960年代にはカラヤンに起用され、評価は一段と高まったが、1970年代以降は鬱病とアルコール中毒に苦しみ、1982年に49歳という若さで惜しまれつつ亡くなった。

 FM ACOUSTICSのフォノイコライザー、プリアンプ、パワーアンプはその旨味成分をたっぷりと音に乗せてくる。聴こえてくる艶やかで気品のある音の色合いは、FM ACOUSTICSのオーディオ機器の貢献度合いが大きいはずである。

 FM ACOUSTICSとGuarneri Mementoとの相性は抜群のような気がした。この両者が織りなす音の様相は夢を見させてくれる

 その後も私はその夢見心地を満喫しながら時間を過ごした。そして「私も機会があったらGuarneri Mementoを入手したい・・・」と真剣に思った。このスピーカが持つ魅力は、それほどに強力な吸引力を有していた。

2021/9/25

5686:艶やかさ  

 「秋分の日」であったが、暑い日であった。最高気温は30度ほどになったようである。そんな夏を思わせるような日の午後、私は狭山市にお住いのFMさんのお宅に向かった。

 私の自宅からFMさんのお宅には、普段であれば車で40分ほどで着くが、今日はシルバーウィークということもあり道が結構混んでいた。普段よりも少し時間がかかった。

 FMさんのお宅の駐車場は広く、FMさんの車の隣りに私の車を停めた。FMさんの車はホンダ インサイトである。

 インサイトはシビックとプラットフォームや骨格を共有するハイブリッドモデルである。現行型で3代目である。

 車を降りて、インターホンを押した。少し待っていると、FMさんが玄関を開けてくれた。「ご無沙汰しています・・・」と挨拶をして、さっそくリスニングルームに入った。

 FMさんのリスニングルームは1階の広い部屋である。リビングルームを兼ねているのでエアボリュームは十分に確保できている。

 リスニングポイントに置かれた3人掛けソファの真ん中に私は座った。FMさんはそのわきに置かれた一人掛けのソファに座られた。

 イタリアのメーカーであるバッソコンティニュオ社の堅牢なオーディオラックに納められているオーディオ機器には変更はなかった。

 アナログはターンテーブルがORACLEのDELPHI5。私が現在使っているものの一世代前のモデルである。ベース部分のアクリルが透明なものではなくブラックアクリルである。アニバーサリーモデルである。

 アームはSMEのシリーズ5で、カートリッジはZYXのOMEGA。フォノイコライーは、FM ACOUSTICSのFM 122である。

 プリアンプがFM ACOUSTICSのFM155でパワーアンプが同じくFM ACOUSTICSのF10Bである。FM ACOUSTICSというと、スイス製の超高額なオーディオ製品というイメージがあるが、フォノイコライザー、プリアンプ、そしてパワーアンプが全てそのFM ACOUSTICSである。

 FMさんは、「私が購入した頃は今みたいに想像を絶するような高い価格設定ではなかったですよ・・・」と話されていた。

 そして今日の主役であるGuarneri Mementoは、すっくと立っていた。従前お使いであったPARSIFAL ENCOREよりも背が高い。

 その意匠はいかにもイタリアの粋を感じさせてくれる。PARSIFAL ENCOREはどちらかというと控えめな存在感を有するモダンな上品さが魅力的であったが、Guarneri Mementoはその華やかなオーラを盛大に主張していた。

 「やはり存在感がありますね・・・部屋の雰囲気がガラッと変わりました・・・それにしても艶やかですね・・・」と私は感嘆の言葉を漏らした。
 
 「PARSIFAL ENCOREもその外観と音が好きで15年ほど使い続けてきたのですが、Guarneri Mementoはまた別の次元の美しさと音の艶やかさを持っています。この歳になってなんだか妙に惹かれまして・・・」とFMさんは少し恥ずかし気に話された。 

2021/9/24

5685:秋分の日  

 先週は「オーディオショップ・グレン」で非常に程度の良いGuarneri Mementoを聴いてきたが、その「コレクターズアイテム」と称してもいいほどにコンディションの良いスピーカーは、FMさんのリスニングルームに迎え入れられた。

 FMさんは、前回そのお宅を訪問した際に「Sonus faberのスピーカーって一度じっくりと聴いてみたいんですよね・・・できればフランコ・セルブリンが音決めをしていた時代の製品を・・・」と、話されていた。

 FMさんは、ORACLEのレコードプレーヤーに、FM ACOUSITCSのフォノイコラーザー、プリアンプ、パワーアンプを使われている。

 そしてスピーカーはVERITY AUDIOのPARSIFAL ENCOREをお使いである。木目の美しい突板が魅力的なPARSIFAL ENCOREは、美音系のトールボーイタイムのスピーカーである。

 FMさんのシステムはアナログオンリーのシステムで、聴かれるのは1950年代や1960年代の古い時代のレコードがメインである。

 先週「オーディオショップ・グレン」を訪問した後、FMさんに素晴らしいコンディションのGuarneri Mementoが『オーディオショップ・グレン』に入荷していることをメールでお知らせした。

 すると、FMさんはその数日後に「オーディオショップ・グレン」を訪問されたようである。FMさんは狭山市にお住まいである。中野坂上の「オーディオショップ・グレン」には車で1時間半ほどで着く。

 「オーディオショップ・グレン」でGuarneri Mementoを1時間ほど試聴された後、購入を決められたようである。

 FMさんのメールには「音も素晴らしかったですが、コンディションの素晴らしさも決め手になりました。キャビネットやスタンドには傷がまったくなく、ニスの白濁もなかったです。さらに傷みがちなフロントバッフルの表面を覆っている本革も綺麗な状態を保っていました。元箱を含め付属品が全て揃っているのも前オーナーの几帳面さが窺えました。」と綴られていた。

 「そうでしたか・・・購入されましたか・・・確かにあのGuarneri Mementoは、コンディションが素晴らしかったですね・・・人気のあったスピーカーなので中古市場でも時々見かけますが、フロントバッフルの本革部分が一部剥げていたりすることが多いようです。発売されてからもうすぐ15年になるスピーカーですから、あれだけコンディションが良いものは探すのが難しいでしょう。近いうちに一度聴きに行かせてください。」とFMさんのメールに返信した。

 「23日の春分の日なら大丈夫です。まだセッティングしたばかりで煮詰まってはいませんが、ご都合がよろしければ、ぜひ聴いてみてください。」とFMさんからは返答があった。

2021/9/23

5684:幕の内弁当  

 「ふれあい牧場」でのまったりした時間を過ごした後、二本木峠に向かった。峠に向かうといってもさらに上るというわけではなく、緩やかなアップダウンをゆっくりと走っていくと二本木峠に到着した。

 二本木峠には4本の道が交差している。つまりルートは四つあるということである。結構立派な道標がたっていた。この道標の前で記念撮影をした。

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 そして「二本木峠ヒルクライム」と言った場合に、もっとも王道と思われるルートを下っていった。

 県道294号に向かうその道はいかにも「峠道」といった雰囲気を有する林道であった。周囲は鬱蒼とした木々で覆われていて道幅は狭い。

 下りながら「雰囲気が全く違う道だけど斜度が厳しいのは共通しているな・・・このルートを上るヒルクライムも相当に過酷なコースだな・・・でもいつか上ってみたい・・・」と思った。

 県道294号にぶつかってそこを右折した。そして県道を道なりに進んだ。しばし走っていくと、松郷峠に向かう交差点に達した。

 その交差点を右折して松郷峠に向かう上りを走った。小川町側から上る松郷峠は距離が1.6kmで平均勾配は7.1%。、短い峠である。

 脚を随分と酷使したからゆっくりと走るのかと思っていたが、先頭のペースが上がった。「ここも頑張るのか・・・」と思いながら、負荷を上げていった。

 「ここは短いからな・・・」と自分に言い聞かせながら無理をし過ぎないペースで上った。頂上にはささやかに「松郷峠」と書かれた小さな標識があった。

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 「松郷峠」をときがわ町側へ下っていった。ときがわ町側から松郷峠を上る場合、距離は2,2kmで平均勾配は5.1%である。こちら側から上る場合も比較的気軽にトライできるヒルクライムコースである。

 下り切って県道172号とぶつかってその交差点を左折した。道なりに進んでいって、途中にある地下水の無料水汲み場に立ち寄ってボトルに水を入れた。
 
 その後県道の左側にあるセブンイレブンに立ち寄った。ここで補給食を摂った。気温が結構上がったので、冷たい「とろろ蕎麦」を選択した。

 体は相当に疲れていたが、もう長い上りはない。コンビニ休憩後「田中」の交差点を曲がって県道30号を走った。

 先頭交代を繰り返しながらトレインは淡々と走っていった。宮沢湖の前を通過して、その先をショートカット、国道299号に入った。

 「武蔵丘ゴルフコース」の手前の交差点を左折して、しばし道なりに走っていった。リーダーのロードバイクの後輪がスローパンクしているようで、最後にもう一度空気を入れる必要があったので、飯能駅近くのセブンイレブンに立ち寄ることになった。

 ここで小休止をして、最後の行程を走った。八高線に沿って走る道を進み、「栗原新田」で左折した。終盤もペースを緩めることなく走っていき、やがて道は「狭山湖」に達した。

 陽はすでに傾いていた。狭山湖の堤防からはオレンジ色に染まりつつある空にシルエットで浮かぶ富士山が見えていた。

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 ここまで来れば、我が家はもう目と鼻の先である。「ようやく帰ってきた・・・」と思いながら狭山湖の堤防を渡り、多摩湖周囲のサイクリングロードを走った。

 そして今度は多摩湖の堤防に辿り着いた。すでに周囲は暗くなっていた。LEDのライトを点滅させながら多摩湖の堤防を走り抜けたところで、私は自宅へ向かうためトレインから離脱した。

 「お疲れ様・・・」とメンバーに挨拶をして自宅へ向かった。「山伏峠」「二本木峠」「松郷峠」と三つの峠を通過した今日のロングライドはとても盛りだくさんで、まるで「幕の内弁当」のようなロングライドであった。「これ以上は食べられない・・・」と思えるほどにお腹いっぱいになった。

2021/9/22

5683:ソフトクリーム  

 山伏峠を国道299号まで下り切ってから、国道299号をしばらく走った。二本木峠に向かうルートは幾つもあり、今日選択されたコースは「ふれあい牧場」まで上り切り、そこを経由して二本木峠に向かうコースであった。

 その「ふれあい牧場」へ上っていく道は後半になると視界が開け素晴らしい展望が楽しめるとのこと。ただし斜度が厳しいので上っている間は風景を楽しむ余裕はない可能性が高いとのことであった。

 国道299号から2度ほど交差点を曲がって山間に入っていくと、その上り口に達した。上り口には「彩の国 ふれあい牧場」と書かれた看板があった。その看板には長閑な雰囲気の牛のイラストが画かれていた。

 一息入れてから上り始めた。全く初めてのヒルクライムコースであるので少々不安である。「最大斜度は18%にもなる・・・」と事前に聞いていたのでなおさらである。

 上り始めるとすぐに斜度が10%ほどになった。「所々きついというわけではなく、全般的にきつめだな・・・」と思いながら、走っていくと、やがて周囲の視界が開けてきた。

 高原の牧場を思わせるような景色が広がっていったが、インナーローでもかなり重いクランクを必死に回している状態であったので、その景色を楽しむ余裕などやはりなかった。

 スピードは一桁台、牛の歩みのような速度でかろうじて走っていく。山間の峠道と違って進むべき道の先がずっと先まで見える。

 道は何度も折れながら空に向かって繋がっていた。その風景は車で来ているなら、きっと素晴らしいものであろうが、ロードバイクで必死に上っている者の目には「まだあれだか上るのか・・・」と心を圧迫するような景色であった。

 道が曲がるポイントでは斜度がぐっと上がる。ダンシングで一つ一つこなした。「これは私の分類では十分『劇坂』に入るな・・・」と思いながら、クランクを回し続けた。

 「ふれあい牧場」のすぐ手前が頂上であった。上り切って肩で息をしながら、疲れ切った体を休めた。

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 その頂上地点では遠くまで見渡せる素晴らしい眺望が広がっていた。陽光は強く降り注いでいたが、この高原を吹き渡る風は爽やかなものであった。

 皆が上り終えた後に、「ふれあい牧場」の中に入った。思っていた以上に広く立派な施設で、家族連れで賑わっていた。

 「ここのソフトクリームは美味しい・・・」との評判であったので、その販売場所に向かった。「ミルクハウス」と名付けられた販売店の前にはずらっと行列ができていた。

 私たちも並んだ。しばし待っていると順番が来た。ソフトクリームは350円。料金を払い少し待っていると、かなりしっかりした量のソフトクリームが手渡された。

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 早速口に運ぶ。「これぞ牧場のソフト・・・美味しい・・・」といった感想が自然と沸き上がってきた。

 自然の豊かさを思わせる濃厚な味わいである。周囲の雄大な景色を眺めながら食べるソフトクリームの美味しさは、ついさっきまで激坂に苦しめられて「ひーひー」言っていたことをすっかりと忘れさせてくれた。

2021/9/21

5682:山伏峠  

 コンビニ休憩を終えて、山伏峠に向けて走り始めた。小さな峠である山王峠を越えていくと名栗川に沿って続く県道にぶつかった。その県道を走った。

 名栗川沿いにはバーベキューやキャンプをするためのスポットが点在する。その一つである「せせらぎキャンプ場」の看板が見えた。

 子供たちがまだ小さかった頃に何度か行ったことのあるキャンプ場である。名栗川の川辺で簡単なバーベキューをして休日をのんびりと過ごしたことを思い出した。

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 山間の静かな道を進んでいった。山伏峠の上り口である名郷に着いた。ここで一息入れた。小さな食料品店の前にある自販機で冷たい飲み物を購入して飲んだ。

 普段のロングであれば、約4kmの山伏峠の上りをこなした後少し下り、右折して正丸峠に向かって上るが、今日は正丸峠には向かわない。

 まずは2名のメンバーが先行スタートした。その後数分してから残りのメンバーがスタートした。今日はこの後にメインの峠である二本木峠があるので、「いつもよりはゆっくり走りましょう・・・」と言いながら走り始めた。

 前半は200ワット程の出力でついていけるペースであったので、脚に余力があったが、後半に入るとペースが上がった。

 後半に入ると230ワット程の出力を維持しないとついていけなくなってきた。「あれ、いつもと変わらないペースになってきた・・・」と余裕のない呼吸を続けながら、山伏峠の終盤の上りに入っていった。

 集団の先頭が先行スタートしたメンバーに追いついたようで、ペースが緩やかなものに戻った。切れて離れかけていた集団の後方にどうにか追いついて、山伏峠を上り終えた。

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 峠の道標の手前で記念撮影を済ませてから、向こう側へ下り始めた。山伏峠の向こう側に下り切ることは随分と久しぶりである。国道299号に達するまで下った。 

2021/9/20

5681:ハーレー・ダビッドソン  

 いつものように朝の6時にベッドから出た。昨日まで降っていた雨は止んでいた。路面は少し濡れていた。

 朝の空は灰色の雲が覆っていたが、天気予報は10時以降は晴れるというものであった。晴れると気温は上がるようである。

 サイクルウェアに着替えて、ロードバイクのタイヤに空気を入れて、ロングライドの準備を整えた。

 7時半からは「はやく起きた朝は・・・」を観ながら朝食を摂った。「そういえば、Mt.富士ヒルクライムの事務局から封筒が2日ほど前に来ていたな・・・」とその封筒を手に取って、その中身を確認した。

 中にはフィニッシャーリングと記録証が入っていた。大会は6月であったので、随分と遅い到着であった。

 同封されていた案内文には「フィニッシャーリングの発送が大幅に遅延したのは、世界的な自転車パーツ製造のひっ迫が主たる要因です。」と記されていた。

 記録証に記されたタイムは「1時間29分48秒」、ぎりぎりでブロンズリングをゲットした。コロナ禍のなかで実走時間が例年よりも大幅に減っていたためか、後半スタミナ切れを起こしたが、どうにかこうにか粘って1時間30分を切れた。

 7時になったので、ロードバイクに跨って自宅を後にした。朝のうちは曇っていたこともあり空気は涼しかった。

 集合場所であるバイクルプラザに着いた。今日の参加者は8名であった。そのロードバイクの内訳はORBEAが4台、COLNAGOが2台、そしてLOOKが2台であった。

 今日の目的地は「二本木峠」。私は初めて行く峠である。その峠に行くには幾つかのルートがあり、ルート図を見ながらどのルートで走るかを検討した。

 検討の結果、山伏峠を経由して二本木峠にまで行くルートが選択された。走行距離は150q程になるとのことであった。

 まずは山伏峠を目指した。山伏峠までは行きなれた道である。多摩湖サイクリングロードを抜けて、青梅街道を西へ進んだ。

 朝のうちは空を覆っていた雲は走り出すと徐々に姿を消していった。陽光は遮るものがなくなったので地面を照らし始めた。

 青梅街道を岩蔵街道との交差点まで走り、岩蔵街道に向けて右折した。岩蔵街道は北西に向かって真っすぐに続いている。

 その道を延々と走り「岩蔵温泉郷」を抜けた。さらに短いタイミングで三つの交差点を曲がると、いつも休憩する「ファミリーマート飯能上畑店」に到着した。店の前にあるサイクルラックにロードバイクをかけた。

 補給食には「デニッシュサンド チェダーチーズとたまご」を選択した。香ばしく焼き上げたデニッシュパンを使用したサンドイッチで、少し変わった食感である。チーズ、玉子サラダ、ゆで卵、リーフの具材に黒コショウ入りマヨソースで味付け、中身は比較的シンプル。

 店の前のベンチで休憩していると「ドドドド・・・」という低音を響かせて3台の「ハーレー・ダビッドソン」が目の前に停まった。こういったタイプのバイクを見るとついつい往年の映画「イージーライダー」を連想してしまう。

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2021/9/19

5680:Memento  

「オーディオショップ・グレン」の中に入ると、いつもはSonus faber ELECTA AMATOR が設置されている場所には、専用スタンドとともに「GUARNERI Homage」の後継機種であるスピーカーが設置されていた。

 不勉強である私はそれが、2世代目の「Memento」なのか、3世代目の「Evolution」なのか、はたまた現行機種である4世代目の「Tradition」なのか判別できなかった。

 専用スタンドは大理石で作られたベースを持っていて、その前後の厚みを変えることでキャビネットに傾斜を持たせている。そうすることにより位相の最適化が計られているのであろう。

 リュート形状のキャビネットは、とても美しい質感で、バイオリンの表面を思わせるようなニスの仕上げは深い艶を湛えていた。

 「これはGuarneri Memento(ガルネリ・メメント) ・・・不朽の名機と称えられたGUARNERI Homage(オマージュ)の後継機種で、Mementoは『記憶に留めるべきもの』という意味のラテン語だそうだ。Sonusfaberらしい工芸品的な美しさが、きちんと引き継がれているところが良いよね・・・」と、小暮さんは目を細めた。

 Mementoは名作の誉れ高いGUARNERI Homageと当然対比されることが予想されたので、フランコ・セルブリンもかなり気合を入れて開発したようである。

 その後、フランコ・セルブリンはソナスファベールを去り、弟子であったパオロ・テッツォンがその意思を受け継ぎ、3世代目となるガルネリ・エヴォリューションを、さらには現行モデルであるガルネリ・トラディションが発表された。

 早速、Mementoを聴かせていただいた。送り出しはNAGRA CDC。プリアンプはLEAK POINT ONE STEREOで、パワーアンプはLEAK STEREO 50であった。

 当然というかヴァイオリンの曲がかかった。ブルッフのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンは諏訪内晶子)、続いてフランクのヴァイオリンソナタ(ヴァイオリンは五嶋みどり)、そして最後にかかったのは、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンはルノー・カピュソン)であった。

 3人のヴァイオリニストは確かガルネリのヴァイオリを使用していたはずである。Mementoで聴く名演奏家が奏でるそれぞれのガルネリの音の質感は本物のヴァイオリンを聴いているかのような生々しさが感じられた。

 専用スタンドを使用すると高さはそれなりの高さになり、リスニングポイントに置かれた革製のソファに座ると、耳の位置よりも少し高いところにツイーターが位置するが、それ故か頭上から音が降り注ぐかのようである。

 LEAKの真空管アンプでも十分に伸びやかに鳴る。現代のより高性能なアンプで鳴らせばどうなるのであろうかと興味を持った。

 Mementoは、「GUARNERI Homage」の後継機種というプレッシャーのかかるポジションに位置するスピーカーであるが、見事に継承すべきとことは継承し、新しい魅力も付け加えることに成功しているように感じられた。

 さらにここにあるMementoの程度は、素晴らしく良い。キャビネットに傷は全くなく、ストリングカーテンにも緩みがない。

 自然素材のニスを使っているため紫外線によって白濁する可能性があるキャビネットの表面塗装にも濁りはなかった。

 「それにしても、良いコンディションですね・・・」と私が唸ると、小暮さんは「Mementoは2005年の発売・・・それなりの年数を経ているから、ここまで良いコンディションのものはとても珍しいよね・・・」と満面の笑みを見せた。

2021/9/18

5679:後継機種  

 ソナスファベールのオマージュシリーズはGUARNERI Homage(ガルネリ・オマージュ)から始まった。

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 1993年に発売されたGUARNERI Homageは、現在では多くのメーカーが採用しているリュート形状に先鞭をつけたスピーカーで、イタリアらしいヨーロッパの歴史を感じさせる独自の造形美に多くの称賛が集まった。

 偉大な弦楽器職人バルトロメーオ・ジュゼッペ・ガルネリにささげられたその名が示す通り、弦楽器の再生をもっとも得意とするコンパクト・スピーカーであった。

 ソナスファベールの創業者であるフランコ・セルブリンの音楽と楽器への限りない愛情が、卓越したオーディオ技術とイタリア伝統の木工技術と高度に融合して生み出されたGUARNERI Homageは、音楽を真に愛する人のためのスピーカーと言っていいのかもしれない。

 その後イタリアの歴史的な弦楽器職人に対する「オマージュ」を製品名に持つオマージュシリーズは、1998年に発売されたAmati Homage(アマティ・オマージュ)、2003年に発売されたSTRADIVARI Homage(ストラディヴァリ・オマージュ)と続いた。

 いずれもソナスファベールを代表するモデルとして人気を博し、多くのオーディオマニアに愛用されることになった。

 ソナスファベールにとってエポックメーキングとなったGUARNERI Homageであるが、その後「GUARNERI」の名を冠するスピーカーは、技術の進歩に伴って「GUARNERI MEMENTO」、「GUARNERI EVOLUTION」、「GUARNERI TRADITION」とモデルチェンが図られた。

 現在販売されている「GUARNERI TRADITION」は4世代目となる。ただし、この「GUARNERI TRADITION」は、フランコ・セルブリンの手による製品ではない。

 「オーディオショップ・グレン」では、ソナスファベールのELECTA AMATORを常設のスピーカーとして採用している。

 非常に程度の良い初期型であり、欲しいという客が多いようであるが「これは売らない・・・」と小暮さんは断っているようである。

 その小暮さんから「GUARNERI Homageの後継機種で程度の素晴らしいものが入ったから、聴きにきませんか・・・」とメールが来たのは、先週のことであった。

 ソナスファベールのスピーカーには以前から興味があったので「近いうちに時間を見つけてお伺いします・・・」と返信した。

 そして、今日の午後に「オーディオショップ・グレン」に立ち寄った。「後継機種とだけメールに記されていたけど、後継機種って三つあるんだよな・・・」と思いながら、最寄りのコインパーキングに車を停めた。

2021/9/17

5678:EQE  

 ドイツメーカーのEV攻勢は強まりこそすれ弱まることは決してないようである。そんな中でも鼻息が荒いのがMERCEDES-BENZであろう。

 まずは既存のSUVベースのEVを先行させた。GLCベースの「EQC」と、GLAベースの「EQA」はすでに日本でも発売が開始された。

 さらにGLBベースの「EQB」が発表され、来年には日本にも導入されるであろう。GLBとほぼ同じサイスであるので日本の道路事情においても持て余すことはない。3列7人乗りをGLBと同様実現しているので、日本で発売されたら結構売れそうである。

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 MERCEDES-BENZのEVは、SUVモデルだけではない。サールーンスタイルのEVも2つのモデルが発表されている。こららも来年には日本に導入されるはずである。

 そのサルーンスタイルのEVは、「EQS」と「EQE」である。こちらはEQシリーズに共通する意匠のフロントマスクを持ち、いかにも空力特性が良さそうな流線型のスタイルでまとめられている。

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 「EQS」と「EQE」は、EV専用のアーキテクチャ「EVA2」を採用する。「EUE」のサイズは4946×1961×1512mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは3120mmである。航続距離は最大660km。

 今現在Eクラスに乗っている方が次に買い替える際に、E-CLASSにするか「EQE」にするか迷うという時代がすぐそこまで来ているようである。

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 一気に新しくなったのがインテリアである。インストルメントパネル全体に広がるワイドスクリーン「MBUXハイパースクリーン」が採用されているのが印象的である。

 物理的なスイッチやダイヤルなどが一切なく全面液晶パネルである。「ここまでやるか・・・」といった驚きを持った。

 近未来的な造形は当初は違和感を持って迎えられるかもしれないけれども、かつてMERCEDES-BENZがドアミラーにウィンカー機能を持たせた時のように、最初は違和感を持って迎えられてもいずれスタンダードになるという流れをこの全面液晶パネルも辿るような気がする。



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