2021/6/17

5586:磁石  

 「都民の森」まで残り2kmほどになってきて、脚の回りがじんわりと重くなってきた。やがてサイコンの小さな画面に表示されている「ラップ平均パワー」が220ワットを切ってしまった。

 「くそっ・・・!」と悪態をつきたくなる気持ちを抑えて、サイコンに表示される数値を220ワットに復帰させるべくケイデンスを上げようとするが、「坂道君」のようにはいかない。

 「都民の森 1km」と記された標識の下を潜った。今日のヒルクライムコースの終盤である。競馬で言えば第4コーナーを曲がったあたりか・・・「心の騎手」が鞭を入れた。

 しかし、肝心の「馬」はその鞭に反応しなかった。やや重のダートの上を走る競走馬のように重い脚で最後の工程をこなすしかなかった。

 ラップパワーはさらに下がりゴールした時点では「215ワット」にまで下がってしまった。目標値を5ワット下回った状態で今日のヒルクライムを終えた。

 ゴールして「都民の森」の駐車場の一角にある石碑の前にLOOK 785 HUEZ RSを立てかけて、スマホで写真を撮った。

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 自転車に乗った「ゆりーとくん」のモニュメントがある場所に移動して、ロードバイクを柵に立てかけた。そして、今日のロングライドの目的の一つである営業を再開した「売店 とちの実」に向かった。

 「カレーパンにするか・・・みとう団子にするか・・・どちらも魅力的ではあるが・・・・」そんなことを思いながら売店に着いた。今日はカレーパンを選択した。

 焼きあがってからそれほどの時間が経過していないカレーパンは暖かかった。それをゆっくりと頬張って、久しぶりの味わいを堪能した。

 すると、雨がぽつぽつと落ちてきた。「降ってきましたね・・・急いで下りましょう・・・」ということになり、記念撮影を済ませてから下り始めた。

 雨で路面が濡れているので慎重に下った。雨は標高が下がるに従って弱くなり、やがて止んだ。

 路面が乾くとペースは上がった。下りであってもハイペースを保つためにはそれなりに脚を使う。「橘橋」まで下り切り、下り基調の平坦路に入った。

 我々の前には大学の名前が入ったジャージを着用した若い数名のローディーから形成されたトレインが走っていた。

 そのトレインはかなりの高速巡行状態で走っていた。我々のトレインもその「磁力」に引き付けられるかのように、ペースを合わせて走った。

 しばしの間、前を行くヤングトレインの「磁力」に引っ張ってもらう形で、高速巡行をこなした。やがて、トレインは檜原街道を走り切り、武蔵五日市駅まで達した。

 駅前の交差点で赤信号で止まっていると、単独ランで来ていてパンクして困っている若い女性ローディーがいた。事情を確認して、すかさずリーダーが救いの手を差し伸べた。

 単純なパンクではなく、タイヤがバースト気味だったようである。さすがにプロフェッショナルである。リーダーは手早く応急措置を終えて「低めの空気圧で気を付けて走ってください・・・」とアドバイスしていた。

 その手際の良さに感心した。それと同時にリーダーの鼻の下が少しばかり、そう1cmほど伸びているように感じたのは、私の気のせいであろうか・・・

 睦橋通りは、少しペースを落として走った。雨雲は追いかけてきているようであったが、「どうにか逃げ切れるかな・・・」と多少楽観的な気分になっていた。

 拝島駅に着いたが、雨雲が近くまで来ているので昼食休憩はせずにトイレだけを済ませて、最後の行程を走ることになった。

 雨はぽつぽつと落ちることはあったが、しっかりと降ることはまだなかった。「百石橋」で本隊と別れて、「東大和組」の2名は北に向かった。

 どうにかこうにか雨には本格的に降られることなく自宅までたどり着くことができた。「やっぱり実走はぐっとくるな・・・厳しい面もあるけど・・・このぐっとくる感じがないとね・・・」と思いながら、自宅の玄関の中にLOOKを招き入れた。



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