2021/6/11

5580:レトロ  

 週に1,2回ぶらっと訪れるのが中野坂上にある喫茶店「Mimizuku」である。時代に完全に取り残された感のある喫茶店である。

 しかし、最近少し様子が変わってきている。稀にではあるが比較的若い世代の女性客がテーブル席に座っていたりするようになったのである。

 令和に入り、「昭和」を感じさせる風景は、若い世代の目には未体験の新鮮な世界に映るようである。

 我が家から近い場所にある「西武ゆうえんち」には、昭和レトロをテーマとしたエリアが新設されて、5月19にリニューアルオープンした。

 スマホカメラの高性能化によってデジカメがその存在を危ぶまれているなか、富士フィルムの「チェキ」のようなインスタントカメラが若者に人気である、とテレビで放送されていた。

 そういった昭和レトロの人気の高まりは、「純喫茶」にも及んでいるようである。今日も夕方の5時ごろに「Mimizuku」の扉を開くと、4人掛けテーブル席に3名の女性客が座っていた。

 20代と思われる女性たちは、コーヒーとチーズケーキのセットをテーブルに置いて、スマホで写真を撮っていた。

 きっとその写真を自分自身のインスタグラムにあげるのであろう。昭和レトロは「インスタ映え」するようである。

 私はカウンター席に向かった。カウンター席にはノートパソコンに向かう「ゆみちゃん」の姿があった。

 彼女は新宿区内のIT企業に勤めているが、もう1年以上テレワークが続いている。会社には週に1回ほどしか行かないようである。

 彼女は33歳。「昭和レトロ」がブームになっているが、彼女はその先駆けと言えるかもしれない。

 昭和47年10月1日に26,800円で発売されたSONY製のラジカセであるCF-1600を所有していて、それでミュージックテープを聴き、さらに、YAMAHAのYP-700、SONYのTA-1120、DIATONE DS-251MkUというまさに「昭和」なオーディオシステムでレコードを聴いたりもする。

 彼女に挨拶してカウンター席に座った。店の奥まったところの2人掛けテーブル席には初老の男性も座っていたので、客は全員で6人となった。この店としては多い人数である。

 「ブレンド・・・お願いします・・・」と一人でこの店を切り盛りしている女主人に注文を済ませて、スマホをカウンターに置いた。スマホの画面には着信があったことを示すマークがついていたが、ほっておいた。

 カウンターにはSONY製のラジカセが置かれている。随分と前に亡くなったご主人の遺品のようで、同じような古いラジカセが数台ある。今日はCF-1700が置かれていた。

 そのCF-1700にはミュージックテープが入っていて、小さめの音量で音楽が流れていた。CF-1700の前にはカセットケースが置かれていた。そのケースを手元に引き寄せて、そのパッケージを眺めた。

 ECHO & THE BUNNYMEN 「SONG TO LEARN & SING」と、そのパッケージには記されていた。イギリスのロックバンドのベスト盤のようであった。

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