2020/12/16

5398:ご褒美  

 顔振峠を上り始めた。序盤は緩やかな斜度で推移していたが、やがて厳しいものに変わった。顔振峠の峠道には、ハイキングをする人々が歩いていた。

 斜度が上がるとサイコンに表示される「10秒平均パワー」の数値も上がる。脚にまだ余裕のある前半に無理にすると、脚の余力はみるみる減っていってしまうので、無理のない範囲に抑えながらクランクを回し続けた。

 ヒルクライム時のライド姿勢はそれぞれ特徴があるものであるが、私の場合うつむきがちな姿勢になる。視線はサイコンから前輪の数メートル前ぐらいの範囲に収まっている。

 劇坂の場合は特にその傾向は強くなる。顔を上げて前方遠くに視線を向けると、こちらを威圧するような厳しい斜度の坂が見えるからである。

 心理的な威圧感は体にも影響を与える。まだまだ続く困難を目で確認すると筋肉が強張るのかもしれない。

 前半を走り終えて「意外と大丈夫そうだな・・・」と感じ始めていた。しかし、劇坂はまだまだ続く。緩むところもあるが、やがて「また来たか・・・」という感じで斜度がぐっと上がる。

 心拍数も無理のない範囲に収まっていた。ところどころダンシングを交えながら進んでいくと、周囲が開けて小さな集落を通る道に出た。

 もう少しで短い下りが入る。それを心待ちにしながら踏ん張った。ようやくその心待ちにしている短い下りに入った。

 ほんの一瞬ではあるが、その下りで足を休めてからコースの終盤に入った。斜度は再び上がる。しかし、ここを越えるとあとは斜度が緩いままになる。

 その最後の難関ポイントをダンシングで越えていくと、斜度が緩くなってきた。徐々にスピードを乗せていって、峠の頂上へ向かった。

 ゴールである頂上には「平九郎茶屋」がある。その建物が視界に入ってきたので、一気にラストスパートした。

 ゴールと同時にサイコンのラップボタンを押した。顔振峠のヒルクライムコース・・・走った距離は3.81km、タイムは20:39、そして平均パワーは227ワットであった。

 厳しい斜度の坂を上り終えた者には顔振峠はご褒美をくれる。見事な景色が見えるのである。「平九郎茶屋」の駐車場から眺める景色は疲れた体と心を癒してくれる。

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 遠くに富士山がぼんやりと見えていた。「来年のMt.富士ヒルクライムはどうなるのであろうか・・・?いつも通りの開催になるのであろうか・・・?」そんなことを思いながら眺めていた。

 陽光が降り注いでいたので寒くはなかったが、下り始めると寒くなる可能性があるので、ウィンドブレーカーを着用した。



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