2020/12/11

5393:ウッドケース  

 「テクニクス、落札できませんでした・・・」「ゆみちゃん」は開口一番、そう言った。私は喫茶店「Mimizuku」のカウンター席に座りながら、「そう、で幾らだった・・・?落札価格・・・」と彼女に訊いてみた。

 すると「24,000円でした・・・後で確認したら・・・15,000円で入札していたんですが・・・そのままにして、次の日確認してみたら、24,000円まで上がってました・・・」と彼女はさらっと言った。

 「24,000円か・・・結構上がったね・・・コンディションが良かったんだろうね・・・こういった古いプリメインアンプをコレクションしている年配の人もいるからね・・・そういう人は何台も所有していて棚に飾ってあるんだよ・・・」

 私はコーヒーとナポリタンを頼んだ。彼女が現在所有しているSONY TA-1120Aの具合が悪くなったのは、2,3週間前のこと。

 修理に出すか買い替えるか迷っていたところ、テクニクスのSU-7700がヤフオクで出ていたのを見かけて、そのデザインが気に入って入札したようである。

 「TA-1120Aはどんな具合・・・?」

 「片チャンネルからノイズが出るんです・・・ザザザ・・・という感じで・・・」

 「そう・・・きっとコンデンサーの交換で直ると思うよ・・・それなら修理代も安いから・・・いつも頼んでいる修理工房に頼んでみようか・・・?」

 「そうですか・・・お願いしても良いですか・・・」

 「箱、取ってある・・・?」

 「ああ、あります・・・」

 という話の流れになったので、埼玉県にある「響工房」の住所と連絡先をメモして、彼女に渡した。

 「連絡は入れておくから、ここに送って・・・」

 そんな話を彼女としたのが、水曜日のことであった。「響工房」には翌日に連絡を入れておいた。ここには経年劣化で不具合が生じた国産の古いオーディオ機器が数多く持ち込まれる。

 SONY TA-1120Aは1967年の発売である。SONYらしくきりっとしたデザインで実に端正な表情をしている。オプションでウッドケースも販売されていたようで、中古で販売されるものの中にもウッドケースがついているものがある。彼女の家にあるものもウッドケースがついていて、それがさらに良い雰囲気を醸し出していた。

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