2020/12/11

5393:ウッドケース  

 「テクニクス、落札できませんでした・・・」「ゆみちゃん」は開口一番、そう言った。私は喫茶店「Mimizuku」のカウンター席に座りながら、「そう、で幾らだった・・・?落札価格・・・」と彼女に訊いてみた。

 すると「24,000円でした・・・後で確認したら・・・15,000円で入札していたんですが・・・そのままにして、次の日確認してみたら、24,000円まで上がってました・・・」と彼女はさらっと言った。

 「24,000円か・・・結構上がったね・・・コンディションが良かったんだろうね・・・こういった古いプリメインアンプをコレクションしている年配の人もいるからね・・・そういう人は何台も所有していて棚に飾ってあるんだよ・・・」

 私はコーヒーとナポリタンを頼んだ。彼女が現在所有しているSONY TA-1120Aの具合が悪くなったのは、2,3週間前のこと。

 修理に出すか買い替えるか迷っていたところ、テクニクスのSU-7700がヤフオクで出ていたのを見かけて、そのデザインが気に入って入札したようである。

 「TA-1120Aはどんな具合・・・?」

 「片チャンネルからノイズが出るんです・・・ザザザ・・・という感じで・・・」

 「そう・・・きっとコンデンサーの交換で直ると思うよ・・・それなら修理代も安いから・・・いつも頼んでいる修理工房に頼んでみようか・・・?」

 「そうですか・・・お願いしても良いですか・・・」

 「箱、取ってある・・・?」

 「ああ、あります・・・」

 という話の流れになったので、埼玉県にある「響工房」の住所と連絡先をメモして、彼女に渡した。

 「連絡は入れておくから、ここに送って・・・」

 そんな話を彼女としたのが、水曜日のことであった。「響工房」には翌日に連絡を入れておいた。ここには経年劣化で不具合が生じた国産の古いオーディオ機器が数多く持ち込まれる。

 SONY TA-1120Aは1967年の発売である。SONYらしくきりっとしたデザインで実に端正な表情をしている。オプションでウッドケースも販売されていたようで、中古で販売されるものの中にもウッドケースがついているものがある。彼女の家にあるものもウッドケースがついていて、それがさらに良い雰囲気を醸し出していた。

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2020/12/10

5392:鏡面  

 厳しかった白石峠を走り終えて、しばしのゆったりとした時間を過ごした。走り終えた直後は寒くはなかったが、恒例の記念撮影を終える頃には少し肌寒くなってきた。

 チームは、「堂平天文台まで行って、その後は考えましょう・・・」ということになったので、夕方に所用があり3時までに家に帰り着きたい私は、ここでチームから離れて単独で往路をなぞる形で戻ることになった。

 「じゃあ、気を付けて・・・」と挨拶して、私は少し前に必死で上ってきた白石峠の峠道を下り始めた。

 下りきるまでに4名のローディーとすれ違った。それぞれの脚力に応じて上ってくるスタイルも様々であった。

 白石峠を下りきってからも下り基調の道を「快速」で走っていった。県道を走っていくうちに時刻は12時半頃になった。

 ガソリンタンク内のガソリンの残量を示す針はかなり左に振れていた。時間を考えるとノンストップで走った方がいいが、空腹度合いはかなり高めであった。

 「田中」の交差点を右折して、さらに次の分岐ポイントを右に曲がったところで、空腹に耐えられず、分岐ポイントにあったセブンイレブンに立ち寄った。

 店内に入り、昼食に何を選択するかしばし迷った。普段はパスタやカレーうどんなどを選ぶことが多いが、今日がガッツリ系の王道ともいえるかつ丼を手にした。

 電子レンジで十分に暖められたかつ丼は具材と御飯が別々になっている。具材を御飯の上にそっと乗せてから食した。

 揚げたとんかつは割り下で煮てから卵でとじられている。その卵がトロトロでいい味わいであった。とんかつも割り下の味がしっかりと染み込みでいて、ジューシーであった。

 かつ丼のカロリーは700キロカロリーほどである。これでガソリンタンクは十分に満たされた。その補充されたカロリーを消費しながら、帰路をこなしていった。

 小川町、飯能市、そして入間市と走り抜けていった。道が所沢市に入ると帰ってきた感が沸き上がってきた。

 多摩湖に向かう坂道を上っていき、多摩湖の堤防に着いた。時刻はちょうど午後3時であった。どうにか間に合った。

 多摩湖の堤防でスマホで写真を撮った。湖面が鏡のようになっていて、景色が映りこんでいた。

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2020/12/9

5391:白石峠  

 大野特産物販売所で一息入れてから、いよいよ白石峠の頂上へ向かってスタートした。軽く上っていくと、すぐに分岐ポイントが現れた。

 この分岐ポイントを右に曲がると白石峠のヒルクライムが始まる。ほぼ直角に曲がって、その試練のコースへ入った。

 ガーミンのサイコンのラップボタンを押した。ここから頂上までの距離、タイム、平均パワーなどを後で確認することができる。

 スタートしてすぐに道の右側に頂上までの残り距離が記された標識を確認した。最初の標識は「残り6.2km」と記されていた。

 コースの序盤はのどかな集落の中を走っていく。斜度はかなりしっかりとしている。脚の余力がある序盤は無理をしがちであるが、「とりあえず半分の3kmを経過するまでは抑えめでいこう・・・」と思っていた。

 白石峠は約6kmといつも上る峠よりも距離が長めで、斜度が厳しい箇所が繰り返し襲ってくる。前半で無理をするとそのツケは必ず後半で払わされる。

 230ワットを基準として、その前後の出力で淡々とヒルクライムコースをこなしていった。集落はやがて消え、山の中の峠道を走った。

 残り距離を示す標識の数字が小さくなっていくことを心の支えにして走っていくと、コースのほぼ半分を終えた。

 「ここからが勝負・・・」と、重くなり楽をしたがる脚をなだめたり、鞭打ったりしながら、厳しいコースを走った。

 時折斜度が緩む。ギアを重くしてケイデンスを上げる。しかし、すぐに斜度が上がるのが前方に見える。

 そんなことを何度も繰り返していく。斜度が上がるエリアを越えていくにしたがって、脚の余力は確実に削られていく。

 サイコンの「10秒平均パワーの数値」を常に確認しながら走り続けた。なかなか230ワットを維持できない。

 出力が200ワット切ると脚が楽である。そのエリアへ脚は行きたがるが、それを阻止して230ワットに近い出力に無理やり持っていく。

 長い白石峠のヒルクライムコースのようやく終盤に入った。残り1kmを切ると緩めの斜度が続くエリアに入ってくる。

 「勝負平橋」という小さな橋を渡るとゴールまでは緩やかである。ここからギアを重くしてラストスパート態勢に移行していく。

 決して力強さはないが、ペースを少し上げて頂上へ向けて走った。最後はダンシングに切り替えて、白石峠の頂上に達した。

 その瞬間にサイコンのラップボタンを押した。タイムは32:35で、平均パワーは226ワットであった。

 「まあ、現状ではこんなものかな・・・」と思いながら、乱れた呼吸を整えた。呼吸が落ち着いたところで、LOOK 785 HUEZ RSを移動して小さな道標の下に立てかけた。少し下がって、スマホで写真を撮った。天気は良く、ヒルクライムを終えた直後は寒くは感じなかった。
 
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2020/12/8

5390:補給食  

 コンビニ休憩時には補給食を摂る。サイコンには走り始めからのカロリー消費量が表示される。

 休憩ポイントである飯能駅近くのセブンイレブンに到着するまでに700キロカロリー以上を消費していた。「たっぷりめに補給するか・・・」と思いながら店内を物色した。

 まず選んだのはブリトーである。定番の「ハム&チーズ」を手にした。そして、もう一つ手にしたのがおにぎり。何種類かあるうちから選んだのは「北海道産昆布」。これも定番である。

 これらの補給食を陽光降り注ぐ駐車場の一角で食した。陽光が十二分にあったので、暖かかった。ウィンドブレーカーはここで脱いだ。

 コンビニ休憩を終えて先へ進んだ。途中八高線に沿って進む道を走っていると、白い色の電車とすれ違った。

 八高線は「八王子」と「高崎」を結んでいるからこの名前がついているのであるが、音だけ聞くと、ついつい「ハチ公」を連想してしまい、なんだかかわいらしく感じる。

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 国道299号線に突き当たって右折、少し広い国道を走ってから脇道に入り、宮沢湖の手前で県道に合流した。宮沢湖の近くには2年ほど前にムーミン谷をテーマとするテーマパークが出来た。コロナ禍の今年は来園者も減っているのかもしれない。

 県道をずんずんと進んでいって、「田中」の交差点の手前で1名のメンバーと無事合流できた。これでトレインは8両編成となった。

 「田中」の交差点を右折してすぐにセブンイレブンがある。ここで2度目の休憩をした。1回目のコンビニ休憩で補給はたっぷりめにしたので、ここではデザート系を一つ選んだ。

 コンビニスイーツは、最近レベルが高い。馬鹿にできない質感のものが多い。先日下の娘が「ミニストップのティラミスが美味しい・・・」と4個買ってきたのを一つ食べてみたが「結構いける・・・」と感心したことがあった。

 セブンイレブンで選んだのは「生食感スイートポテト大福」。こちらの味わいもまずまずで、合格点を与えた。

 2度目のコンビニ休憩を切り上げて、白石峠を目指した。県道をさらに走り続けていった。結構な数のローディーとすれ違った。その多くは白石峠を上ってきたのであろう。

 上り基調の道を走っていくと、ときがわ町の「大野特産物販売所」の特徴的な建物が見えてきた。

 檜造りの建物は八角形をしている。ときがわ町で取れたきのこや山菜などの山の恵みが販売されている直売所である。

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 ここで自販機のジュースを飲んで一息入れた。ここから少し行って分岐点を右折すると白石峠の峠道が始まる。

2020/12/7

5389:陽光  

 昨日の土曜日は冷たい雨が降り、とても寒かった。「日曜日には天気が回復して、気温も上がるでしょう・・・」と天気予報は伝えていた。

 しかし、朝起きた時の気温はかなり低かった。「走り始めは寒そうだな・・・」と思いながら、ベッドから這い出て、サイクルウェアに着替えた。

 一瞬真冬仕様に変えようかと思ったが、結局思い直して先週と同じウェアを選択した。マスクはパールイズミ製の紺色のものである。普通のマスクよりは呼吸はしやすい。ただし、ヒルクライム時においてはそれでも酸素不足になるので、その時だけは顎方向にずらす。

 「はやく起きた朝は・・・」を最後まで観てから、自宅を後にした。やはり走り始めは冷気に体が強張った。

 真冬ほどではないが、やはり寒い。筋肉をぎゅっと凝縮させながら走った。アスファルトは所々濡れていた。

 「多摩湖サイクリングロードを走ると、ロードバイクが汚れるかな・・・」と判断して、一般道を通るコースを選択した。

 一般道はほぼ乾いていた。時々赤信号で止まりながら進んでいくと集合場所であるバイクルプラザに到着した。

 今日の参加者は7名であった。途中で1名のメンバーと合流する予定とのことであったので、最終的には8名になる予定であった。

 行先は「白石峠」に決まった。白石峠は埼玉県ときがわ町にある峠で、ローディーに人気がある。週末には多くのローディーが集まる。

 距離は約6km、平均斜度は8,5%で、厳しめである。ヒルクライムコースとしての難易度は比較的高い。

 勾配が頻繁に変動する。峠の上り口までの距離も長いので、苦労することが多い峠である。普段走る峠よりも距離も長めなのでペース配分を誤ると後半脚がなくなってしまう。
 
 7台のロードバイクは隊列を形成して走り始めた。「白石峠か・・・今日は3時までに自宅に帰りつく必要があるけど、間に合うかな・・・」と思いながらクランクを回していた。

 「白石峠を上ってUターンするだけなら間に合うか・・・」「もうちょっと足を延ばすようなら、単独で戻ってくればいいかな・・・」と思案しながら、多摩湖サイクリングロードを東から西に向かって走り抜けていった。

 天気は良好であった。陽光が降り注いでいると寒さを忘れることができる。太陽の光のありがたみを感じながら、「武蔵大和駅西」の交差点を直進して多摩湖の堤防につながる坂を上っていった。

 堤防から望む多摩湖の景色は素晴らしかった。その景色を堪能するため、ゆっくりとしたペースで走った。

 その後所沢市の市街地を抜けて行って、入間市に入り、さらに飯能市に入っていった。「思ったほど寒くないな・・・」と、ほっとしながら走り続けていくと、いつも休憩する飯能駅近くのセブンイレブンに達した。ここでコンビニ休憩をした。

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2020/12/6

5389:SU-7700  

 「ゆみちゃん」が見せてくれたiPhoneの画面を見て、「これはテクニクスだね・・・だいぶ古いモデル・・・当然70年代か・・・」と言葉を漏らした。

 人差し指と親指を使って画像を大きくして型番を確認した。「SU-7700」と認められた。私のスマホで検索すると、1976年の発売のようであった。発売当時の価格は45,800円。今から44年前のことである。その当時の貨幣価値からすると結構な高級品であったのかもしれない。

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 彼女の家には古いオーディオ装置が一式ある。購入したのはもう5,6年前のことであったであろか、相談を受けて予算の範囲で私が選択したものである。

 スピーカーはDIATONE DS-251MkU。レコードプレーヤーはYAMAHA YP-700で、プリメインアンプがSONY TA-1120という実に渋いラインナップ。その後、カセットデッキであるYAMAHA K-9も加わり、完成した。

 そのシステムの要であるSONY TA-1120の具合が最近思わしくないようで「修理に出すか、一気に買い替えるか・・・悩んでいたんです・・・」と彼女は話した。

 彼女は年齢に似合わず、1970年代のものが好きなようで、「70年代って、独特なんですよね・・・なんだかとても凛としていて・・・これが80年代になると一気にダメになっていくんです・・・どうしてかは分かりませんが・・・」と彼女はよく話す。

 中野坂上にある喫茶店「Mimizuku」で久しぶりに彼女に出会ったのは、金曜日の夕方のことであった。時刻は5時半を回っていた。辺りはすでに真っ暗であった。

 彼女は新宿区のIT企業に勤めているが、ここ数ケ月はテレワークである。会社には月に2,3度ほど出勤していて、テレワーク中は、時折「Mimizuku」のカウンターでパソコンを相手に仕事をこなすようである。

 今日は午前中は自宅で仕事をし、午後からここに陣取っているようであった。私がカウンター席に座った頃には、仕事の方も一段落していた。

 「このアンプ、今ヤフオクに出ているんです・・・オーバーホールが済んでいるようで、写真で見る限りとてもきれいなんです・・・入札してみようかな・・・と思って・・・」

 「このパワーメーターがかっこいいね・・・黒縁で囲われているから、なんだかまじめな理系学生って顔つきだな・・・」

 「私、メーター好きなんです・・・良いですよねこのメーター・・・針が左右で違う動きをするのを眺めるのは、気持ちの良いものですよ・・・」

 彼女はYAMAHA K-9で、アナログメーターの魅力に心惹かれたようである。部屋の照明を暗くして音楽を聴くのが好きだと話していた。

 YAMAHAの繊細なメーターとは趣が違うが、このSU-7700のパワーメーターは実直で存在感がきりっとしている。さらにボリュームノブや各種スイッチ類の造形や配置が、この時代らしくきりっと締まっていて、美しい。

 「いいね・・・これ・・・」と私が言うと、「そうですか・・・TA-1120も良いデザインですけど、こちらも良いですよね・・・」と彼女は嬉しそうに笑った。

 「落札価格はどれくらいでしょうか・・・?」と訊かれたので、スマホでSU-7700の過去の落札価格を知らべてみた。

 「ジャンクなら安いけど、結局修理代がそれなりにかかるからね・・・オーバーホール済だと、過去のデーターを見ると15,000円くらいかな・・・」と告げた。

 1970年代に発売された国産のプリメインアンプをヤフオクで物色しているなんて、定年間際の初老男性の専売特許のようなことを、30代の女性がしているのは、とても不思議な感じであった。

 喫茶店「Mimizuku」で過ごす時間は、少々変わっている。外界とは違う時間軸に沿って時が流れていると思うことが時々ある。

2020/12/5

5387:打ち納め  

 後半はINコースである。スタート時間として指定されたのは11時47分であった。10分前となったので、クラブハウスの外に出て、乗用カートに乗り込んだ。

 10番ホールは339ヤードのミドルホールである。ドライバーショットが良ければ、パーが狙える距離である。

 「後半もよろしくお願いします・・・」と挨拶してから、放ったティーショットは右方向に飛んだ。右に出てさらに落ち際で右に曲がっていった。

 ボールは右側の林の中に入ったようであった。近くまで行ってみると、ボールは木々の間に転がっていた。

 フェアウェイに出すには木々の間をすり抜けて打たないといけない。「えいや・・・!」と思い切って低く打ち出したボールは見事に木々をすり抜けることはなく、勢いよく1本の木に当たって後方に戻ってきた。

 ボールは後方へ飛び去って隣のホールのラフまで転がった。ここから上に打っていき林を越えた。このミスが響いて、後半はダブルボギー発進となった。

 リズムが悪くなるとがたがたと音を立てて崩れていくことも多いが、今日はどうにか持ちこたえた。

 11番、12番、13番、14番とどうにかボギーでしのいだ。続く15番は323ヤードのミドル。ここも距離が短い。

 ドライバーショットはやや右に出たが、距離は随分と飛んだ。右のラフにボールがあり、グリーンまでは70ヤードほどの距離。

 ぜひともグリーンオンしたいところであった。短く持ったアプローチウェッジでクウォータースイングした。少し軽く振りすぎたのか、ボールはグリーン手前に落ちた。

 ここからのアプローチがぴったりとピンに絡んだ。INコースは5ホール目にしてようやく最初のパーが来た。

 続く16番は右側がずっと池である。「右にだけは行ってはいけない・・・」と自分に言い聞かせながら、ドライバーショットを打ったが、そのボールは自分の意志とは反対に右に向かった。スライスである・・・

 ボールは池の冷たい水の中に吸い込まれてしまった。この池ポチャが響いて、このホールもダブルボギーとなった。

 やっと取ったパーが台無しになった。しかし、「残り2ホールをボギーでしのげば、90は切れる・・・」と自分を鼓舞して17番ホールへ向かった。

 504ヤードのロングホールである。ドライバーショットは良い出来であった。セカンドショットもまずまずで、グリーンまでの残り距離は60ヤードほどであった。第三打はやや左に飛んでグリーンのすぐ脇に止まった。

 ここからアプローチした。「ハンドファーストを意識して・・・」と思いながら放ったアプローチショットは、6ヤードほどキャリーしてころころことグリーン上を転がり、カップに吸い込まれた。「ナイスバーディー・・・!」キャディさんの声がグリーン上に響いた。

 このバディーで、80台のスコアは確定した。これで気が楽になったのか、最終18番ホールもティーショットがナイスショットであった。

 飛距離も出ていた。残りは100ヤードほど。ピッチングで打ったボールはグリーンの右に落ちたが、キックが悪くさらに右に転がった。

 ここからのアプローチ・・・ぴったりとピンに絡めたいところであったが、かなりショートした。2パットで沈めてボギーであった。

 後半のINコースは「44」であった。トータルで「86」は、私としてはかなり良いスコアである。「90が切れた・・・!」と喜びながらクラブハウスへ引き返していった。

 今年はこれで打ち納めの予定である。4回しかラウンドしなかったが、最後で80台のスコアで回れたので、気分の良い「打ち納め」となった。

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2020/12/4

5386:42  

 キャディがついて12,000円(昼食込み)という優待券をもらったのは先月のことであった。場所は平成倶楽部 鉢形城コース。

 そのお得感につられて、予約を入れた。そして、今年4回目となるゴルフのラウンドを行ったのが、今日であった。

 ラウンドは、これが今年最後の予定である。なので、コロナウィルスに翻弄された2020年は、年間のラウンド数が4回とゴルフを始めてからもっとも少ない数字となった。

 ゴルフは仕事がらみのコンペを中心に年間に20回ほどラウンドするのが常であった。今年はコンペがすべて中止となったので、プライベートのみとなった。

 スタート時間は8時56分である。30分前には着きたかったので、7時に出かけた。天気予報では気温は低めに推移し、最高気温は13度との予報であった。

 ゴルフ場には1時間半ほどで到着した。受付を済ませて、スタート時間まで練習グリーンでパッティングの感覚を確かめた。スティーフメーターは9フィート。まずまずの速さであった。

 ゴルフ好きの顧問先の社長たちと乗用カートに乗って1番ホールに向かった。今日はOUTスタートである。

 1番ホールのティーグランドに立つと広々としたホールが広がっていた。「これなら多少曲げても大丈夫だな・・・」という安心感から、ドライバーを気持ちよく振り切った。

 ほぼ真ん中に向かって白いボールは飛んで行った。キャディさんから「ナイスショット!」との声が・・・

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 グリーンまでは残り100ヤードほどであった。ピッチングで放ったセカンドショットは見事にグリーンを捉えた。そこから2パットでパーであった。

 パー発進は気持ちの良いものである。「しかし、安心はできない・・・」と思いながら、次のホールへ向かった。

 前回のラウンドでは、パーも5つ取ったが、それ以上にダブルボギーやトリプルボギーを叩いてしまって「98」のスコアであった。今日もそうなる可能性が十分にあったのである。

 しかし、今日は今までになく安定していた。2番、3番、4番とボギーで無難にこなしていった。「もしかして、今日は調子良いかも・・・」と思い始めた。

 5番ホールは距離のないミドルホールである。距離がないホールは落とし穴がある。左右が狭い。そこでティーショットはフェアウェイウッドで打った。

 それが功を奏して真ん中の良い場所にボールが転がった。セカンドでグリーンオンしてここもパーが取れた。
 
 さらに続く6番ホールのロングでもパーを取った。今年の3回のラウンドに比べて、安定感が高く、ちょっと自分でも不思議な感じであった。

 8番ホールで2打目で入れたバンカーショットが1回では出なくてダブルボギーを叩いたが、前半最後の9番ホールでもパーを取ったので、前半のOUTは「42」で回れた。

 「もしかして、今日は80台のスコアで回れるかも・・・」と思った。今まで3回のラウンドは全て90台であった。

 「しかし、取らぬ狸のなんとか・・・」になる可能性も高い。昼食休憩のためにクラブハウスに向かった。

 ゴルフ場がレストラン業を委託していた業者が倒産したため、今年いっぱいは昼食には弁当が出る。

 予約時に選択したのは「和牛焼肉弁当」である。それほど期待していなかったが、予想以上に美味しかった。

 テーブルにはアクリル板が設置されている。感染対策上重要なものであるが、会話はしずらい。休憩時間は30分と短めであった。

2020/12/3

5385:117km  

 都民の森までのヒルクライムも終盤に入った。しかし、脚の余力はかなり少なく、出力が上がらない状態であった。

 残り500mほどになったところで、後ろを走っていたチームメンバーがペースを上げて前に出て行った。

 私はその背中に引っ張ってもらう形で、ペースを上げた。どうにか一定の距離を保ちながら、その後ろにつかせてもらって、ゴールに向かった。

 都民の森の駐車場になだれ込んで、ヒルクライムは終了した。後半もう少しペースを維持したいところであったが、おおよそ230ワット平均の出力では走ることはできたようである。

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 都民の森に到着したころには、空に雲が少し増えてきていた。陽光があるか否かは体感気温に大きな影響を与える。

 走り終えた直後は体が暖まっているが、その熱は低い気温の空気の中で足早に失われていった。

 補給食として売店の前で炭火で焼かれている「みとう団子」を購入した。クルミ味噌をたっぷりと塗りつけてもらった大振りな団子は濃厚な味わいであった。

 サイクルウェアの背面ポケットに仕舞ってあったウィンドブレーカー取り出して着た。恒例の記念撮影を済ませて、体が冷え切ってしまわないうちに下り始めた。

 冬を実感させる冷気の中、長い下りを走っていった。都民の森のヒルクライムコースはローディーに人気のあるコースである。上ってくるローディーと何度もすれ違いながら下っていくと、やがて「橘橋」のT字路交差点まで戻ってきた。

 ここまでくると気温も少し穏やかなものになってくる。その後も下り基調の檜原街道をトレインは「快速」で駆け抜けていった。

 檜原街道を「武蔵五日市駅」まで走り、駅前の交差点を右折した。睦橋通りでは赤信号に何度か進路を阻まれながらも、順調に走り抜けていって、往路でも休憩した拝島駅前のファミリーマートで昼食休憩をした。

 昼食には「油そば」を選択した。豚白湯ベースのしょうゆ味のたれが具材の乗った太麺の下に溜まっているので、よく混ぜてから食した。濃厚なとんこつしょうゆ味のたれが麺にからみ、まったりとした味わいであった。

 これでしっかりと消費したカロリーを補充してから、ロングライドの終盤を走り抜けていった。今日も最初から最後までハイペースであり、しっかりとした疲労感が体に残った。

 自宅に帰りついてサイコンを確認すると今日の走行距離は117kmであった。疲れた体で浴室に入り、シャワーの設定温度を少し高めにして、体を暖めた。

2020/12/2

5384:230ワット  

 「山の家」の駐車場での小休止を終えて、リスタートした。檜原街道を少し走ると右手に檜原村役場が見えてきた。

 その村役場の前を通り過ぎると、「橘橋」のT字路交差点に達した。この交差点には標識があり、そこには「都民の森 21q」と記されている。ここから都民の森までタイムトライアルするローディーも多い。その際の目安は60分である。ここから21q先の都民の森まで60分以内で走り切れば、まずまず健脚との基準である。

 「数馬」までは隊列をキープして走る予定である。「数馬」で一息入れるか、そのまま都民の森まで走り切るかは、走ってみて決めることになった。

 上り基調の道は時折下りも入る。上りはそこそこの負荷で走り、下りや平たん部分は一息つける負荷で順調にこなしていった。

 「上川乗」の交差点を越えるとぐっと斜度が上がる坂が断続的に出てくる。それらを乗り越えていくと、「数馬」に到着した。ここで一息入れることになった。

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 「数馬」のバス停に設置されている公衆トイレでトイレを済ませ、脚をストレッチしたりして、ここからのフリー走行ゾーンの高い負荷に備えた。

 「数馬」のバス停から都民の森までは4.5kmほどである。決して激坂ではないが、しっかりした斜度の坂が最後まで続いている。

 「今日も230ワットを基準にしてマイペースで走ろう・・・」と思っていた。先週の山伏峠・正丸峠のヒルクライムの時と同様に230ワットを基準として、サイコンの「10秒平均パワー」の数値が230ワット前後の数値になるように調整しながら走り切る予定であった。

 脚の余力はあまり余裕がない状況であったが、「どうにか最後までたれることなく走り切りたい・・・」と思いながら、スタートした。

 スタートした直後はゆったりとしたペースでしばし走っていった。斜度が上がるエリアからパワーは基準となる230ワットに達した。ここからこの数値を下げることなく、クランクを回し続けた。

 前半はまだ脚に余力が残っている状態であったが、そういった状況はそれほど長くは続かなかった。

 後半に入ってくると、脚が重くなってきた。気を抜くとすぐにサイコンに表示されるパワーの数値が下がってしまう。

 「まずい・・・まずい・・・」と自分自身で自分に鞭を入れてクランクを回すペースを上げた。時折ダンシングも織り交ぜながら、都民の森への坂を上り続けた。

 ようやく「都民の森 1km」と記された標識の下を潜った。本来であれば残り1qを切ったここからペースを上げたいところであるが、脚の状況がそれを許さなかった。逆に230ワットに届かない数値がサイコンに表示され続けるようになった。

 気持ちは焦るが、体はついていかない・・・そういった硬直状態に陥りながら都民の森の終盤を走っていった。



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