2020/11/8

5360:8割と2割  

 レコードでシューベルトのヴァイオリン曲を1曲、そしてCDでモーツァルトのレクイエムから数曲を聴いた後であった。

 「もしかしてどちらかのスピーカーが逆相になっていませんか・・・?」と夜香さんが、指摘された。

 「逆相・・・?」そういえば二週間ほど前、スピーカーケーブルに足を引っかけた際に左側のスピーカーケーブルがスピーカの接続端子から外れてしまったことがあった。GRFの底面にあるスピーカー端子に慌てて繋ぎ直したことを思い出した。

 「もしかしたら、その際しっかりと確かめずに逆に接続してしまったのかもしれない・・・」と思った。

 そこですぐさま左のGRFを駆動しているMarantz Model2のスピーカーケーブルの接続を逆に切り替えた。

 そのうえで音を再度確認すると「きっちり合いました・・・」との夜香さんの返答が得られた。私もセンター位置で確かめると、ふわふわとした浮遊感が消えて、しっかりとした定在感が醸し出されていた。

 「ああ、良かった・・・」と胸を撫でた。片側のスピーカーが逆相ならすぐ気づくものであろうが、意外と気づかないものであった。

 最近はモノラルのレコードばかり聴いていた。しかも、センター位置でなく部屋の左サイドに置いてあるイージーチェアに座って、スピーカ側に顔の正面を向けずに聴いていた。そのため気づかなかったのであろうか・・・

 確かに最近、センター位置に座って聴くことはほとんどなかった。「こっちのほうが気持ちいいな・・・」と、いつも部屋の左側に置いてあるイージーチェアにばかりに座って聴いていたのは、片側のスピーカーが逆相になっていたからだったのかもしれない。

 「もっと早く思い至るべきであった・・・」とすっかりと反省した。

 いきなりの反省から始まったOFF会であるが、その後は穏やかに進んだ。会話と音楽が半々といった感じの時間配分で、二人のOFF会は楽しく経過していった。

 二人はオーディオマニアではあるが、夜香さんは「ハード8割、ソフト2割」と自負されていて、オーディオ愛にあふれている生粋のマニアである。

 一方私は「ハード2割、ソフト8割」のところがあり、ハードに関しては今一つ弱いところがある。

 オーディオ歴も、夜香さんが40年ほどで私は15年とかなりの開きがあり、その経験値には大きな差があることは否めない。

 オーディオマニアとしての立ち位置は若干異なる二人ではあるが「オーディオ機器は美しくないといけない・・・かっこよくないといけない・・・」という価値観に関しては、二人ともしっかりと共有している。

 先日 夜香さんのお宅にお邪魔したとき、その部屋に数多く置かれているオーディオ機器のどれもこれもが素晴らしいいデザインのものばかりであったので、私は満面の笑みでそれらの名品たちを眺めたのであった。

 私もオーディオ機器を選ぶ際の要因において、デザインが占める比率はかなり高い方である。デザインが今一つ気に入らないと、結局手元を去っていくことも多い。

 夜香さんが聴かれるジャンルはオールマイティーで、メインジャンルは歌謡曲とのこと・・・我が家では残念ながらクラシックしかかからない。しかもアナログは1950年代、1960年代のものばかりでその多くがモノラル・・・そういった状況について若干の心苦しさを感じてはいたが、そこは寛容な夜香さんである・・・嫌な顔をせずに聴いてくださっていた。

 もちろんCDも聴いていただいた。レコードを聴き、CDも聴き、さらに共通の知り合いのオーディオマニアの方の話題などで盛り上がり、楽しいひと時は過ぎていった。

 すっかりと辺りが暗くなった時間になってから、我が家の行きつけの小さなイタリアンレストランである「パスタピアット」で一緒に夕食を摂った。

 ここは、とても小さなレストランである。夫婦二人で切り盛りされていて、心落ち着く店である。その店の味わいを、夜香さんもとても気に入っていただけたので、ほっとしたのであった。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ