2020/10/6

5326:スタート  

 スタート時間の15分前までアップを継続してから、スタート地点である箱根ターンパイクの料金所へ向かった。

 各グループごとに5分おきにスタートしていく。私が属する50代のグループのスタートは10時50分であり、比較的後ろの方である。

 マスクをしてそのグループの後方に並んだ。前のグループがスタートするごとに前に進んでいき、いよいよ私たちの番となった。スタート直前になってからマスクを外してサイクルウェアのポケットに入れた。

 スタートゲートからすぐに急な坂が真っすぐに続いているのが見える。スタートしていきなり10%ほどの斜度の坂である。

 箱根ヒルクライムはスタートしてから10kmぐらいまでは10%程度のきつめの坂が続く。その後アップダウンが3度ほど繰り返されてゴールとなる。距離は13.8kmで、平均勾配は7.2%である。距離はMt.富士ヒルクライムと比べて短いが、斜度は厳しめである。

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 スタートの合図があった。最前列から順次スタートしていく。私は後方にいたので、合図からしばらくしてからスタートした。

 やがてスタートゲートを潜り、計測開始ラインを越えた。その瞬間サイコンのスタートボタンを押した。

 スタートから1kmは道路を広く使える。1kmを過ぎると左の車線のみを走るように注意されていた。スタート直後は参加者の密度が高めであるが、1km程走るとばらけていく。

 スタートから斜度はいきなり厳しい。脚がまだフレッシュな序盤は無理をしがちである。その「つけ」は後半必ずやってくるので、サイコンに表示される「10秒平均パワー」が230ワット前後になるように調整しながら序盤を走った。

 心拍数はぐんぐんとあがり、170を超えた。そして175〜177ぐらいで落ち着いた。「ちょっと高めだな・・・心拍数・・・しかし、出力からするとこれくらいの負荷が必要か・・・」と思った。

 Mt.富士ヒルクライムの時はパワーが表示されずに心拍数だけでペースを作っていったが、その時は心拍数は「173」でコントロールした。ということは想定していた出力が出ていなかったのであろう。

 心肺機能が今年は少し落ちているようであった。「230ワットの出力であったら、昨年は心拍数が172か173ほどであったはず・・・ということは、きっと後半脚にくるな・・・」不安を覚えながら、走り続けた。

 箱根ヒルクライムの坂は10%前後の斜度が延々と続く。15%を超えるような激坂エリアはないが、5%以下に緩むこともない。ほぼ一定の斜度である。10%前後の斜度はきついにはきついが変化が少ないのでペースは作りやすい。

 厳しい斜度の坂は確実に脚の余力を削っていく。5km程走ったところから、心拍数は高いままなのにパワーの数値が落ちてきた。

 「やはり、今年は調子が良いとは言えないな・・・まあ、コロナの影響で実走してないからな・・・」と思いながら、心拍数とパワーの数値を交互に眺めた。

 斜度が厳しいのでスピードは出ない。距離がなかなか進まない。出力は下がってくる。苦しい時間帯がしばし続いた。

 出力が200ワットを切る場面が出始めてくると、気持ちを奮い立たせるためにもダンシングに切り替えた。

 「気持ちを切らさないように・・・」とどうにかこうにか歯を食いしばりながら走るが、エンジンは苦しげな音を発するばかりであった。

 そんな苦しい状況のまま7km地点まで走った。コースの半分ほど走ったことになる。しかし、箱根ヒルクライムの場合、10km地点まで走るとアップダウン区間に入る。そこまで来ると下りも入るので楽になる。

 「そこまであと3km・・・」そう思った。すると苦しげでスムーズに回転しているとは思えなかった旧式のエンジンの回りが良くなってきた。

 「ランナーズハイ」ではなく「ヒルクライマーズハイ」といった状況は稀に起こる。脳内のアドレナリンの濃度がある比率を超えると起こるのであろうか・・・

 脚の回転が良くなりパワーの数値も上がってきた。「遅れた分を少しでも取り戻そう・・・」とクランクをしっかりと回し始めた。



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