2020/8/26

5284:一兎作戦  

 10分ほど休憩したので、脚は結構戻った。今日は周回コースを走っている。後半はパリのシャンゼリゼ通りを走る1周6.6.kmの周回コースを5周ほど走る予定であった。

 この周回コースには、二つのスプリントポイントが設けられている。ゴール前スプリントと凱旋門前スプリントである。

 前半は2周までは2回のスプリントポイントのどちらでももがいたが、体力的に厳しいことがすぐに分かったので、途中からどちらか一つのスプリントポイントだけ全力でペダルを踏むことにした。選択しなかった方のスプリントポイントでは後方からゆっくりと走った。

 後半も同様に1周1回のみスプリント賞を狙いにいくことに決めていた。そして、「後半はゴール前スプリントのみに参戦しよう・・・」と、方針を決定した。

 凱旋門で止まっていたメンバーは順次リスタートした。今日のコースである「CHAMPS-ÉLYSÉES」は、若干のアップダウンはあるがほぼフラットである。

 ゴール前スプリント賞にのみ的を絞っているので通常のコースを走っている間は、脚を極力休ませるために隊列の後方に位置して、負荷をあまり体にかけないようにした。

 左に旋回しながら進み方向を180度変えてからゴール前スプリントポイントに向かっていくと、ポジション取りのためにペースを上げていった。

 ゴール前スプリントポイントのタイム計測が始まる前にすでに戦いは始まっているのである。負荷を上げていき、上位3位以内にポジションを上げていった。

 高めの負荷のまま先頭集団に紛れて進んでいき、計測開始ポイントに入ると一気にパワーを上げた。出力は600Wまで上がる。もちろん高い出力を維持できるのは10秒ほどである。

 先頭でゴールを示すアーチを潜り抜けた。「気持ちいい・・・」体は疲れるが、スプリント賞をゲットするとやはり快感である。

 脳は先天的に快感を求めるものである。「次もこの作戦で行こう・・・」と決めて、少し走った先から始まる凱旋門前スプリントはスルーした。

 その後も同じような展開でゴール前スプリントのみに力を集中したためか、後半では2回目、3回目、4回目と立て続けに、ゴール前スプリントを征した。

 「後半は4連勝か・・・いい流れだ・・・」と思った。今日予定されていた70kmの走行距離は残り少なくなってきた。

 「ゴール前スプリントを終えたところまでは走りましょう・・・途中で70kmが経過してまとめる機能が終わるかもしれませんが、スプリント終了までは走り切りましょう・・・」とリーダーから指示があった。

 「あと1回で終わりですね・・・」「これが最後か・・・よし真剣にいこう・・・」といった会話がメンバー間で取り交わされた。

 私はマイク機能が失われているので、会話には参加できないが、内心「最後も取りたい・・・」と思いながら、クランクをクルクルと回していた。 



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