2020/8/23

5281:2頭飼い  

 2種類のBrilonが並んだBrilonさんのリスニングルームは充分な広さがある。コンパクトな形状であるBrilonにとっては、たっぷりとしたエアボリュームが確保されていると言ってもいいであろう。

 まずは先輩格であるBrilon 1.0 SLEから聴かせていただいた。まず最初にかかったのは、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番から第1楽章であった。内田光子がクリーブランド管弦楽団を弾き振りしたCDが選択された。

 「音離れが良いな・・・やっぱり・・・」とすぐさま思った。小型で点音源に近いユニット配置、仰角が付けられた独特のセッティングなどが上手くその効果を発揮しているのであろうか、その空間表現力はやはり大きな魅力である。

 ユニットも良い具合に熟成が進んでいるのであろう、高音域の暴れやうるささが全く感じられない。

 小型のキャビネットはしっかりとした剛性が保たれているようで、ユニットの性能がスポイルされることなくストレートに発揮されている感じであった。

 コンパクトな形状の割には低域も不足感はあまり感じない。ゆったりたっぷりというわけにはさすがにいかないが、自然な感覚の低域である。

 続いてかかったのは、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲から第1楽章であった。ヴァイオリンはルノー・カピュソン。

 こちらもウェルバランスで落ち着いて耳を傾けることのできる質感である。キレキレのハイエンドサウンドとは趣が異なるが、広々と感じられる独特の空間表現はやはり魅力的である。

 そして、この同じ2曲を今度はBrilon 2.0で聴かせていただくことになった。スピーカーケーブルの先端はバナナ端子仕様になっているので、スピーカーケーブルの付け替えはいたって簡単である。

 Brilon 2.0で聴くモーツァルトのピアノ協奏曲第20番第1楽章とベートーベンのヴァイオリン協奏曲第1楽章・・・その様相は、1.0 SLEで聴いた時と比べてどのような変化があったのか・・・

 Brilon 1.0に比べて2.0はそれほどの人気を博すことはなかったようである。しかし、その実力はなかなかのものであった。

 Brilon 1.0 SLEの繊細で広大な音場感は、2.0でも感じられた。楽器の定位感などは、1.0 SLEを凌駕する能力を有しているようにも感じた。

 その音色はやや明るめの艶が乗った音色である。弦楽器の表現などには、その艶やかさが良い方向に作用しているようであった。

 しかし、「少し普通になったのかな・・・あくまで上質な普通だけど・・・1.0 SLEの方がもう少し個性的というか、独自の存在感が感じられたかな・・・」といった印象を持ちながら、モーツァルトとベートーベンの名曲を堪能した。

 Brilon 1.0 SLEとBrilon 2.0は、どちらも今となっては「懐かしの銘器」という称号を与えても良いと思われる古いスピーカーであるが、現在でもその実力は健在である。

 Brilonさんは、2種類のBrilonを眺めながら目を細められていた。Brilonさんにとっては、どちらも愛おしい存在であることは確かなようであった。



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