2020/7/10

5237:専門店  

 雨は降ったりやんだりを繰り返していた。どんよりとした灰色の雲は空を覆い続けていて、太陽や青空が垣間見れることはなかった。

 そんな梅雨空のもと、私は新宿にある顧問先を訪問した後、神田猿楽町にある欧州クラシックアナログ専門店に立ち寄った。

 店内はそれほど広いわけではないが、木製のレコードラックが効率良く配置されていて、居心地は良い。

 検盤用のレコードプレーヤーは、テクニクス製である。テクニクス製であるからもちろんダイレクトドライブ方式であろう。

 店内には、高額なプライスタグがつけられた貴重なレコードもあるが、比較的入手しやすい廉価盤も置いてある。

 一通り見て回った。最近の「マイブーム」は10インチレコードである。それゆえついつい10インチレコードに目が留まる。

 ここは、10インチのレコードも数多く置いてある。そんな10インチレコードのなかで手に取ってしばらく眺めていたのが、ジョアン・フィールドのヴァイオリンによるブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調のレコードである。 レーベルはTELEFUNKEN。10インチレコードには珍しくステレオ録音である。おそらく録音時期は1960年代初頭であろう。  

 その普通のLPレコードよりも一回り小さいかわいいレコードをテクニクスのレコードプレーヤーの前に持っていって、検盤させてもらった。

 ユニバーサルS字形スタチックバランスのアームをレコードの端に持って行って針を降ろすと、細やかなサーフェスノイズの後に、おおらかな音がヘッドフォンから流れてきた。

 60年ほど前のレコードであるが、思いのほかコンディションは良かった。検盤を終えて丁寧にレコードをジャケットに戻して、そのかわいらしいレコードをレジに持っていった。

 会計を済ませて、一言二言店主と世間話をした。この店の店主は寡黙な人である。きっとレコードの話になると尽きることのない知識を持っているので、滔々と話されるかもしれないが、普段は朴訥とした対応である。

 小さな包みを書類バッグのなかに納めて、次なる目的地に向かった。最寄駅から次なる目的地である中野坂上までは1回の乗り換えで行ける。所用時間は30分ほどである。



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