2020/7/1

5227:Volcano KOM  

 ラジオ塔からの下りは長い。少数で一団となって下っていった。実走では絶対に出せないようなスピードもバーチャルの世界では可能である。

 イベントであるのでグループ内に残るために高負荷を続けながら距離を稼いでいった。スピードが出るのでスマホの画面に表示される走行距離の数字がテンポ良く上がっていくことが嬉しかった。

 長い下りを終えるころには走行距離は30kmに近づいていた。その後は比較的平坦なコースが続いた。

 ZOOMは繋がっていたが、いつものバーチャルチームライドの時のようにのんびりと会話を楽しむというわけにはいかなかった。

 時折、現在の走行地点を報告しあうが、皆余裕のない状況でクランクを回し続けているので、呼吸音がZOOMからの音声を満たしていた。

 残り距離が徐々に少なくなってきた。「もう少し・・・」と精神的には前向きになってくる。しかし、その前にもう一つの「SISTER」をやり過ごさなくてはならない。

 「Volcano KOM」は、距離が3.8kmで平均斜度が3.2%である。その名の通り火山が特有の風景を作り出すなかを走り抜けていく。

  「Volcano KOM」を上り切れば走行距離は40kmを超える。残りは下りと平坦のみで数キロである。私のアバターもようやくその最後の難関に差しかかった。

 6名ほどの集団のまま「Volcano KOM」に入った。道が上りに入ると集団の負荷は上がった。小集団は縦にばらけ始めた。

 どうにか200ワットを超える負荷を維持していたが、その負荷が230ワット超えるようになると、前を走っていたアバターの背中が遠くなっていった。

 「ここから先はマイペースでいこう・・・」と無理についていこうとはせずに、時折うつむきながら、スマホの画面に表示される出力の数値を視界に入れ続けて走っていった。

 赤やオレンジに染められた景色の中を上り続け「Volcano KOM」をようやくパスした。後は「終盤」である。ゴールへ向けて気持ちを奮い立たせたいところである。

 上ってきた距離とほぼ同じ距離を下った。ここでも数名が自然な形で集まって下っていった。少人数での協調体制で下り切ると、ゴールまでの残り距離は3km程となった。

 ゴールが近づくと、協調態勢は崩れペースを上げていく参加者が出てくる。私は脚の残量が心もとない状況なので、ペースを若干上げただけで、最終盤を駆けていった。 



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