2020/7/15

5242:スパート  

 EPIC KOMの終盤はかなりハードな展開となった。残り距離が1.5kmぐらい辺りには短い下りや平坦なエリアもあり、ぐっとスピードが上がった。

 負荷も250ワットほどまで上がった。残り1kmを切ってからは6%ほどの上りがずっと続く。ここを脚を切らさずにハイパワーで走っていった。

 何度かアタックがかかるが、皆逃げ切ることはできずに、ついにゴールゲートが視界に入ってきた。

 皆その半円の輪に向けてスパートしていく。リーダーが一歩リードしていたが、そこへ向けて後ろから私を含めて4台のロードバイクが襲い掛かって一団となってゴールゲートを潜った。

 ゴールした直後、呼吸を整えるのが大変であった。ZOOMからは激しい呼吸音とともに、「きつかった・・・」といった声が上がった。

 EPIC KOMを終えたところで、休憩する予定であったので、脚を止めた。「休憩にしましょう・・・時間は5分から10分で・・・」というリーダーの指示で休憩タイムに入った。

 EPIC KOMで脚を使いきった感のある私は、へいへいの態でロードバイクを降りた。そして1階まで降りて行って補給食を探した。

 クロワッサンを1個見つけた。それを牛乳とともに食した。ほっと一息ついた。後半にはもうKOMはないので、比較的楽に走れるのではと思っていた。

 しばし、体を休ませてから2階に戻った。そして再びLOOK 785 HUEZ RSに跨った。全員が準備が整ったことをZOOMで確認して、リスタートした。

 そして長い下りを走った。下り切ると「ジャングルループ」と呼ばれるエリアに入った。ZOOMからは時折奇妙な音がイヤホンを通じて聴こえることがある。

 どうやら今日初めてバーチャルチームライドに参加したメンバーのローラー台の回転音をマイクが拾って、それが電気的に奇妙に反響された状態で入ってくるようであった。

 他の日には誰かが笛を吹いているような音が入ってくることもあった。最初のうちは耳につく嫌な音とも思えたが、慣れてくると応援されているような気がしなくもなかった。

 ジャングルループを抜けるとコースはボルケーノへと入っていった。スマホの画面には今日のコースの終了までの残り距離も表示される。その数字は順調に少なくなっていった。

 前半は予想通りEPIC KOM終盤でハードな展開となったが、後半はこのまま比較的穏やかに推移するのかと思っていた。 

2020/7/14

5241:リスタート  

 スタートの仕切り直しが行われ、2回目のスタート時間が近づいてきた。今日の参加者は8名であったが、そのうち一人は今回が初のバーチャルチームライドである。

 そのメンバーが「MEET UPに参加」の表示が画面に出ないとZOOMで告げた。私も「MEET UPに参加」が表示されずに、Zwiftを立ち上げなおすと表示されたので「Zwiftを立ち上げなおすといいですよ・・・」と連絡した。

 するとそのメンバーはパソコンでZwiftを立ち上げなおすために、一旦ロードバイクを降りて、パソコンを操作しているようであった。

 スタートまでの残り時間は少なくなってきた。「間に合うかな・・・」と思ってZOOMの画面を覗いていた。

 すると「準備できました・・・」との連絡が・・・スタートまで残りわずかであった。どうにか間に合って2回目のスタートとなった。

 「今回は大丈夫か・・・」と思って、Zwiftの画面を注意深く覗きこんでいた。どうやら2回目のスタートでは、トラブルは発生しなかったようである。

 私は2階の主寝室の一角にロードバイクとスマートトレーナーをセットしている。メンバーによってロードバイクをセットしている部屋はそれぞれである。

 リビングルームの一角にセットしているメンバーの場合、家族の声がZOOMを通して聞こえてくることもある。

 小さな子供の元気な声が響いてくることもあるが、今日はスタート前に奥さんからのクレームの声が響いてきた。メンバーはそれに対して「ごめん、ごめん・・・」と平謝りしていた。

 どうやら奥さんから頼まれていたことをすっぽかしてしまっていたようである。「これが終わったらしっかりフォローしないと・・・」とそのメンバーは困り顔であった。

 そんなこんなで、スタート前からいろいろと盛りだくさんであったが、どうにか無事にスタートできた。今日のコースである「BIGGER LOOP」は、フエゴ砂漠の中の平坦コースで始まる。

 この砂漠は今までのバーチャルチームライドでも何度か走ったことがある。15km程この平坦コースを走った。

 そしてこのコースのハイライトともいえるエピックKOMに入っていった。エピックKOMは、9.5kmの長さがあり平均斜度は4%。

 長いヒルクライムである。序盤は様子を見ながらという感じであった。200ワット前後の負荷で上っていった。

 「平均斜度が4%ということは緩め・・・」と思ってしまうが、これはいわゆる「平均斜度詐欺」である。

 前半の緩斜面や途中の下り区間があるため平均斜度は比較的低い数値になっているだけで、純粋な上り区間だけであればもっと数値は大きくなる。

 「まとめる」機能が働いているので、集団がばらけることはない。一団となって獲得標高を稼いでいった。

 標高が高くなってくると周囲の風景も変わってくる。やがて道の両端には残雪の姿が見える様になってくる。

 その景色はひんやりとした空気感を伝えてくるが、この辺りからヒルクライムバトルがヒートアップしてくる。要求されるパワーはぐんぐんと上がってくる。240ワット以上のパワーでエピックKOMの終盤へ向かった。

2020/7/13

5240:仕切り直し  

 バーチャルチームライドのスタート時間は8時半である。実走でのチームライドの時はバイクルプラザに7時半集合であったので、バーチャルチームライドだと比較的朝はのんびりとできる。

 7時に起き出して朝食を摂り、しばしテレビを眺めていた。今日は梅雨の中休みなのか、天気が良かった。

 スタート時間が近づいてきたので、2階に上がり準備を始めた。ZWIFTはスマホで、そしてZOOMはノートパソコンで立ち上げる。

 私のノートパソコンは5年以上前に購入した古いものなので、パソコン自体にはカメラもマイクも付いてない。

 そのため外付けのカメラとマイク付きイヤホンを別途購入した。それらをパソコンに繋いで、カメラ位置を微調整した。

 今日のバーチャルチームライドのコースは、Watopiaの「BIGGER LOOP」というコースである。Watopia内を大きく回るコースのようである。

 このコースはフエゴ砂漠の平坦コースで始まり、9.5Kmという長い距離を上るエピックKOMのヒルクライムを経て、ジャングルサーキットとボルケーノを繋いでいく。

 走行距離は54.2kmで獲得標高は691m。上りはエピックKOMのみ。エピックKOMがこのコースのハイライトとなる。皆が山岳賞ポイントを目指して長いヒルクライムを頑張ることになるであろう。

 スタートの10分ほど前には準備が完了した。Zwiftのスタート地点にワープしたアバターは、スタートするまで固定式のローラー台で脚を回している。
 
 ZOOMの分割された画面には、スタート時間が近づくにしたがって参加者の姿が増えてきた。「おはようございます・・・よろしくお願いします・・・」と挨拶をして、雑談タイムを過ごした。

 そうこうしているうちにスタートの時間となった。MEET UP機能を使ったバーチャルチームライドにおいて、スタートはトラブルが発生しがちなポイントである。

 「今日はスムースにいくかな・・・」と思いながらスタートした。私のアバターは無事固定式ローラー台から解き放たれて、コース上を走り始めた。

 しかし、2名ほどスタートできないようであった。脚を止めて一旦止まった。しばし待ったが、「スタートを仕切り直ししましょう・・・」ということになった。

 そこで「MEET UPを終了する」をクリックして、一般コースに出て緩やかに走行しながら待った。

 リーダーが再設定してくれたが、画面に「MEET UPに参加する」の表示が現れない。そこで、一旦Zwiftを終わらせて再度立ち上げた。

 するとスマホの小さな画面の左下に「MEET UPに参加する」の表示が現れた。そこをクリックすると再度スタート地点にワープした。

2020/7/12

5239:夢美  

 「私も最近小さいレコードの世界に嵌っているんです・・・シングル盤です・・・お店の人はEP盤って呼んでました。真ん中に大きな穴が空いていて、シングル盤をかけるときには専用のアダプターが必要なんですよ。回転数は45回転で、音が良いんです。なによりもA面、B面それぞれ1曲だけっていうのが、潔いですよね・・・」

 「中野にRAREという名前の中古レコード屋さんがあって時々立ち寄ってシングル盤買ってきます。まあ、当たり外れが多いというか、大半が外れなんですけど・・・最近最も『当り』だったのが、草間ルミの『時計をとめて』かな・・・」

 「これは完全に『ジャケ買い』だったんです。1970年の発売なんですけど、この時代と現代がリンクしているというか、全然古臭くない。ジャケットに写っている妖艶な彼女の姿が1970年でありながら2020年でもあり得るという、不思議な感覚・・・音もとても良くで、バックのストリングが雰囲気たっぷりに奏でるさまは、何度聴いても飽きなくて・・・」

 「B面には『涙のオルガン』という曲がカップリングされているんですけど、タイトルが良いですよね・・・『時計をとめて』『涙のオルガン』・・・1970年ですよね・・・本当に・・・」

 彼女は今年誕生日が来れば32歳である。私からすると随分と若い世代であるが、世間一般的にはもうそろそろ若いという範疇から漏れ落ちる年代である。

 「ゆみちゃん」の下の名前は「ゆみ」であるが、漢字で書くと「夢美」である。名は体を表す・・・ではないが、確かに現実とは少しずれた時間と空間で生きているような感じがする時がある。「夢美」は「ゆめみ」と読むこともできる。むしろ「ゆめみちゃん」と呼んだほうが、しっくりとくるのかもしれない。

 彼女が最近よく聴くという古いシングルレコードの話を聞きながらそんなことを思っていた。「草間ルミ・・・おそらく本名ではないであろう。私は全く知らない。『クサマルミ』・・・その音の響きからは、やはり1970年代の香りがした。

 「ゆみちゃん」の部屋に置かれているレコードプレーヤーは、YAMAHA YP-700である。1973年に発売された製品で、ベルトドライブ方式である。

 この時代の標準であるS字型のトーンアームが付いていて、カートリッジはMC型のシュアーM75が取り付けてある。YAMAHAらしい、品のあるデザインでまとめられている。

 そのYAMAHA YP-700にEP盤用のアダプターが装着されて、7インチの小さいレコードがセットされる。回転数は45回転が選択されて、針先が盤面に降ろされる。そしてDAITONE DS-251 MKUから、「クサマルミ」の「時計をとめて」がゆっくりと流れ出す・・・

 そんな情景をぼんやりと脳内スクリーンに描いた。現実の時間と空間から一つの層、あるいは二つの層ほどずれた世界が出来上がるような気がした。

 「ゆみちゃん」の丸顔で年齢よりも若く見える童顔が、その目の前にあるノートパソコンから発せられる青白い光に照らされていた。

 「不思議な女性である・・・」この店もそうであるように、夢の中にだけ存在するかのような、不確かで儚げな存在感が、彼女にはある。

2020/7/11

5238:Mimizuku  

 地下鉄の改札を出てから10数分歩いた。見慣れた古いビルは、灰色の雲をバックにほんのりとくすんだ白い色を示していた。

 5階建ての古いビルは昭和の香りを色濃く残してる。40年以上の時間が経過していると思われるそのビルの1階に入っているのが、喫茶店「Mimizuku」である。

 個人経営の喫茶店はその多くが時代から取り残された存在になっている。「Mimizuku」も例外ではない。コロナ禍が蔓延する前から、この店の来客数はじり貧状態であった。

 店の木製の扉を開けた。扉の上部には鈴が取り付けられている。梅雨の湿った空気のせいかその鈴の音もいつもよりも重く感じられた。

 「いらっしゃい・・・」一人でこの小さな喫茶店を切り盛りしている女主人は静かに口にした。店内には4人掛けのテーブル席が二つ、2人掛けのテーブル席が一つ、そしてカウンター席が4席ある。14名の客が入ったら全ての椅子が埋まることになるが、そんな光景は見たことはない。

 店内に入っていつものようにカウンター席に向かうと、そこには先客がいた。「ゆみちゃん」である。

 「こんにちわ・・・」と挨拶をして一番奥のカウンター席に座った。「ゆみちゃん」は一番手前に座っているのでカウンター席二つ分の空間が二人の間にはあった。

 彼女の前にはノートパソコンが置かれていた。「もしかして、仕事してるの・・・?」と彼女に訊くと「そうなんです・・・テレワークです・・・自宅で仕事しているとどうしてもだらけてしまって・・・効率が悪いので、午前中は自宅で、午後からはこの店で仕事しているんです・・・やっぱりここのほうが集中できるんですよね・・・」と彼女は答えた。

 腕時計の時刻は4時半であった。カウンターの右端に置かれているオレンジ色をしたCORAL製のパタパタ時計は「PM5:15」を示していた。

 この店の中では時間の正確性はそれほど重要なことではないようであった。「ゆみちゃん」と私以外には奥まったところに置かれている2人掛けのテーブル席に初老の男性客が一人座っていた。新聞を読んでいた。テーブルに置かれているコーヒーカップにはもうコーヒーは残っていないようであった。

 「神田猿楽町のレコード屋さんに寄って、レコード買ってきたんだ・・・これこれ・・・」と私は今日購入した10インチレコードを彼女に見せた。
 
 彼女は「あれ、これって少し小さいですね・・・シングルレコードですか・・・?」と反応した。

 「シングルよりも少し大きい・・・穴も普通の大きさ・・・シングルは7インチでこれは10インチ・・・LPレコードは12インチ・・・これは回転数も33で、旧い時代のものなんだ・・・」と説明した。

 「あまり見かけないものですね・・・」と彼女はしばしそのレコードのジャケットを眺めていた。「確かにこのジャケット、時代を感じますね・・・」と続けた。

 「1960年くらいかな・・・もう60年も前のレコード・・・レーベルはTELEFUNKENだから、ドイツのレコード・・・そういえば、最近良いレコードあった・・・?」と彼女に質問した。

 実は彼女も年齢に似合わずレコード好きである。自宅にはYAMAHA製のレコードプレーヤーが置いてある。1970年代の日本のポップスがメインジャンルである。

2020/7/10

5237:専門店  

 雨は降ったりやんだりを繰り返していた。どんよりとした灰色の雲は空を覆い続けていて、太陽や青空が垣間見れることはなかった。

 そんな梅雨空のもと、私は新宿にある顧問先を訪問した後、神田猿楽町にある欧州クラシックアナログ専門店に立ち寄った。

 店内はそれほど広いわけではないが、木製のレコードラックが効率良く配置されていて、居心地は良い。

 検盤用のレコードプレーヤーは、テクニクス製である。テクニクス製であるからもちろんダイレクトドライブ方式であろう。

 店内には、高額なプライスタグがつけられた貴重なレコードもあるが、比較的入手しやすい廉価盤も置いてある。

 一通り見て回った。最近の「マイブーム」は10インチレコードである。それゆえついつい10インチレコードに目が留まる。

 ここは、10インチのレコードも数多く置いてある。そんな10インチレコードのなかで手に取ってしばらく眺めていたのが、ジョアン・フィールドのヴァイオリンによるブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調のレコードである。 レーベルはTELEFUNKEN。10インチレコードには珍しくステレオ録音である。おそらく録音時期は1960年代初頭であろう。  

 その普通のLPレコードよりも一回り小さいかわいいレコードをテクニクスのレコードプレーヤーの前に持っていって、検盤させてもらった。

 ユニバーサルS字形スタチックバランスのアームをレコードの端に持って行って針を降ろすと、細やかなサーフェスノイズの後に、おおらかな音がヘッドフォンから流れてきた。

 60年ほど前のレコードであるが、思いのほかコンディションは良かった。検盤を終えて丁寧にレコードをジャケットに戻して、そのかわいらしいレコードをレジに持っていった。

 会計を済ませて、一言二言店主と世間話をした。この店の店主は寡黙な人である。きっとレコードの話になると尽きることのない知識を持っているので、滔々と話されるかもしれないが、普段は朴訥とした対応である。

 小さな包みを書類バッグのなかに納めて、次なる目的地に向かった。最寄駅から次なる目的地である中野坂上までは1回の乗り換えで行ける。所用時間は30分ほどである。

2020/7/9

5236:60分切り  

 Zwift内において、もっとも長く厳しいヒルクライムコースがAlpe du Zwiftである。ツール・ド・フランスのコースで有名な「Alpe d’Huez(アルプデュエズ)」を再現したものだそうで、距離が12.2kmで、平均勾配8.5%、獲得標高は1,036mであり、かなりハードであることが窺える。

 KOMが設定されているので、走り切るとタイムが表示される。そしてまことしやかに語られるのが、Alpe du Zwiftのタイムを1.5倍するとMt.富士ヒルクライムのタイムと近似する、というものである。

 今年はMt.富士ヒルクラムが中止になったので、現在の調子でAlpe du Zwiftを走ってみて、そのタイムに1.5をかけたタイムが、今年の仮のMt.富士ヒルクライムのタイムとしてみようかと思った。

 実はAlpe du Zwiftはいままでイベントなどで走っている。しかし、Alpe du Zwiftのみに力を集約して走ったわけではない。

 「60分は切らないと・・・」と思いながら、LOOK 785 HUEZ RSに跨った。Alpe du Zwiftを走るには、WATOPIA内の次の3つのルートから一つを選択すればいい。

 @Road to Sky(19.9km/1144m)
 ATour of Fire and Ice(25.1km/1166m)
 BFour Horsemen(89.3km/2112m)

 一番短い@を選択した。このコースの場合、Alpe du Zwiftまでのアプローチは5.4kmほど。アップのためにちょうどいいくらいである。

 アプローチはゆったりと走った。脚に疲れが溜まらない程度の負荷で走ると、11分ほどでアプローチは終了した。いよいよAlpe du Zwiftに入った。

 ぐっと負荷を上げて230ワット以上のパワーへ・・・序盤は脚が元気であるが無理をすると後半辛い目に会う。

 つづら折りが続くAlpe du Zwiftには、カーブごとに番号が振られている。全部で21あるカーブの最初のカーブには「21」の数字が振られている。それがカーブをパスするごとにひとつづつ減っていく。

 Alpe du Zwiftにはいるとスマホの画面の右上にはヒルクライムコースの状況が俯瞰図で表示される。それを見ると自分が今どのあたりを走っているのか分かる。

 次のカーブまでどれくらいかと時折その俯瞰図を眺めながら走っていった。カーブをこなしていくと、カーブに振られたナンバーは減っていく。それに反比例して脚に蓄積される疲労感は増えていく。

 カーブに振られている数字が一桁台になってくると、切れかかっていた心の糸のテンションが少しだけ上がった。

 そしてやがてカウントダウンエリアに入った。「3」を過ぎた。「2」を過ぎ・・・ようやく最後の「1」が振られたカーブを通り過ぎた。

 ラストスパート・・・といってもそれほどのスピードが出ているわけではないが、「60分は切るぞ・・・」との気持ちでクランクを回し続けた。

 そしてゴール・・・タイムは57分58秒であった。どうにか60分は切ることができた。このタイムを1.5倍すると1時間27分ほど・・・「まあ、今の状況ではこんなものかな・・・」と思いながら、脚を休ませた。

2020/7/8

5235:6Pチーズ、  

 道が下りに入ってしまい、なかなか止まらないスマホの画面上のアバターをほっておいて、休憩のためロードバイクから降りた。

 1階に降りて行って、補給食を物色した。冷蔵庫の中に「Q・B・B 6Pチーズ」があったので、その丸い箱の中から一つチーズを取り出した。

 「6Pチーズ」というと、私のような年代のものにとっては雪印のものがスタンダードである。しかし、冷蔵庫で見つけたのはQ・B・Bのものであった。妻が購入したものだと思われるが、こちらのほうが雪印のものよりも安かったのであろうか・・・

 「味は雪印の6Pチーズと違うのか・・・?」もちろんメーカーが違うので差があるはず。食べてみた。差があると言えば差があるといったレベルでの差があるが、「こちらの方がクリーミーな味わいかな・・・」と思った。「雪印の方がもっとしっかりとした味わいだったような・・・」まあ、目くじら立てるほどではない。

 5分ほど休憩して2階に上がり、またLOOK 785 HUEZ RSに跨った。時刻は9時45分であった。「後15分ほどしか走れないな・・・」と思いながら、ZOOMの画面を確認したらまだ全員揃っていなかった。

 さらに5分後、メンバー全員が揃い、リスタートなった。「10分ぐらい走って、途中退室ということになりそうだ・・・」とゆっくりとクランクを回し始めると、ZOOMの音声により「スタートできない・・・」「あれ、俺も走っていない・・・」「動かないぞ・・・」と立て続けに3名のメンバーから連絡が・・・

 今日のバーチャルチームライド、スタートこそスムースにいったが、スタートしてしばらくすると通信状況が悪くなりZwiftとスマートトレーナーの交信が途絶えてしまったトラブルがあった。

 さらに休憩後のリスタートで立て続けにスタートできないというトラブルが発生した。バーチャルライドは天候を気にせず走れ、コロナウィルスの脅威からもフリーであるという利点があるが、インターネットの通信環境に翻弄される面があるようである。特にMEET UPの際にはそういったトラブルが起きやすいようである。

 しばし、止まった。ZOOMの画面を眺めてその様子を窺っていたが、なかなか埒があかないようであった。

 そうこうしているうちにさらに時間が経過してしまって時計の針は10時を指していた。つまり私にとってはタイムアップとなった。

 「すみません・・・今日所用があって、ここでリタイヤします・・・」とメンバーに挨拶をした。ZOOMの画面上で手を振って、ZOOMから退出した。さらにZWIFTの「MEEET UPを終了」をクリックして、Zwiftからもログアウトした。

 「DUST IN THE WIND」のコースは結果として半分ほど走っただけであったが、一定のトレーニング効果は得られたような気がした。

 ロードバイクの下にはスマートトレーナーに付属してきた消音マットが敷いてある。そこに溜まった汗を拭きとって、除菌・消臭スプレイを吹きかけた。

 東京都のコロナウィルスの感染状況は思ったほど好転せずに、一日当たりの感染者数も再び多くなってきた。当面チームのロングライドは実走では行わず、バーチャルで行われる予定である。

 「来週はどんなコースであろうか・・・?」それが楽しみでもある。Zwift内には相当に数多くのコース設定がなされているので、ネタが尽きる心配はなさそうである。

2020/7/7

5234:DUST  

 スタートは全てのメンバーが無事にできた。ゆっくりとしたペースで走り始め少しづつペースを上げていった。

 3kmほど走った頃であった。一人のメンバーの通信状況が悪くなりZwiftとの接続が思わしくなくなった。

 「少し止まって様子を見ましょう・・・」ということになった。Zwiftはスマートトレーナーやパワーメーターから送信されたパワーの数値に基づいてアバターが動く。

 スマートトレーナーやパワーメーターからの送信が何らかの原因で途絶えてしまうと、Zwift上のアバターは止まったまま動かなくなってしまう。

 10分ほど止まって様子を確認した。どうにか通信状況は復活できたようである。そのメンバーが追いつくのを待ってから、リスタートとなった。

 「DUST IN THE WIMD」のコースは長い上りはない。KOMも前半に一つ後半に一つ、同じ「Titans Grove KOM Reverse」が設定されているだけである。 計測距離は890mで、平均斜度が6.6%であるので軽めのKOMと言える。

 リスタートして少しするとその短めのKOMに入った。すると自然に皆臨戦態勢に入った。KOMになるとがらっと空気感が変わってしまうのはいつものことである。

 皆が山岳賞ポイントを狙っているかのように、ぐっとペースが上がって、ゴール直前はスプリント・・・皆激しい排気音をまき散らしながらKOMのゴール地点を通過した。

 今日のコース、長い上りはないが、アップダウンはある。さらに路面の状況の変化も大きいコースである。

 アスファルトの上だけでなく、舗装されていない路面を走ることも多かった。そういう無舗装の路面を走る時には砂埃が巻き上がる。隊列を形成して走っているので前を走っているアバターのロードバイクが巻き上げた砂埃が襲い掛かってくる。

 「DUST IN THE WIND」といコース名の意味合いが分かるコース設定である。そんな変化に富んだコースを走っていった。

 今日は中間地点あたりで一度休憩を入れましょうということになっていた。先週のイベント参加と比べてペースは穏やかなものであったが、それでも1時間ほど走っていると汗が滝のように流れていた。

 もちろんクーラーはつけている。扇風機も風量の設定は「強」にしてあるが、顎や肘から汗が流れ落ちていた。

 WATIOIAは、他のエリアと違い完全に空想上のもので幾つかの島に分かれている。島と島の間は橋や海中トンネルで結ばれている。

 高い山もあり、長いヒルクライムコースも走ることができる。今日のコース設定では長いヒルクライムコースはないが、この空想上のWATOPIA内で様々なコース設定がなされているのである。

 26km程走ったところで「もうすぐ橋ですから橋の手前辺りで休憩しますか・・・」とのことになった。

 しかし、橋の手前から道は下りになっていた。実走と違いZwift上ではブレーキが効かない。平坦な道であれば脚を止めればしばし惰性で走りやがて止まるが、下りでは脚を止めてもアバターは下り続ける。

 「あれ・・・止まりませんね・・・」「自然に止まるでしょうから、休憩しましょう・・・」ということになり、走り続けるアバターをほっておいてLOOK 785 HUEZ RSから降りて、1階に向かった。 

2020/7/6

5233:バグ  

 先週はイベント参加という形でのバーチャルチームライドであったが、今日は通常の形でのバーチャルチームライドであった。

 選択されたコースは、Watopiaの「DUST IN THE WIND」。走行距離は52kmで、獲得標高は529m。これといった大きな上りは無いので、適切なペースで走れば、それほど過酷なコースではない。

 先週はイベント参加のため脚を緩めくことなく1時間半以上走り続けたが、今回は所々ペースは上がるであろうが、全般的には無理のないペースで走れそうであった。

 スタート時間は8時半。今日は所用があったので10時には私は終了する必要があった。「スタートして1時間半か・・・トラブルがなければコースの大半を走り切れるのでは・・・」と当初は考えていた。

 スタート時刻の15分前から準備をいそいそと始めた。もうその手順は慣れたものである。スマホをガーミンのサイコンのマウントにセットしてZwiftを立ち上げた。

 パソコンをロードバイクの近くに設置している折り畳み椅子の座面に置いて、外付けカメラとマイク付きイヤホンを接続した。

 リーダーからのメールに添付されているZOOMのアカウントをクリックするとZOOMの画面が立ち上がった。

 カメラ位置を微調整してから、「ミーティングに参加」をクリックした。「おはようございまず・・・よろしくお願いします・・・」と挨拶して、しばしゆっくりとクランクを回しながらの雑談タイムとなった。

 スタート時間が近づくと参加メンバーが、Zwiftのスタート地点とZOOMの分割画面に次々に参加してきた。今日の参加者は8名であった。

 雑談タイムの話題は、Zwiftで行われる「バーチャル・ツール・ド・フランス」のことであった。コロナウィルスの影響で延期になったツール・ド・フランスが本来行われる予定であった日程において、数回開催されるようである。

 スタート時間のカウントダウンが始まった。以前のバーチャルチームライドではスタート時のトラブルが多く、何度か仕切り直しをする必要があったが、どうやらZwiftのMEET UPのソフトにバグがあったことが原因で、それは今は解消されているとのことであった。

 スタートした。メンバーの様子を窺っていた。どうやら皆無事にスタートできたようである。「これで一安心・・・どうやらバグがなくなってスタート時のトラブルは起きなくなったようだ・・・」と思いながらクランクを回した。スタート直後はゆっくりとしたペースで走り始めた。



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