2020/4/25

5159:ラ・マンチーナ  

 GULDMUND MIMESIS39DAを送り出しとして奏でられるショパン ピアノ協奏曲第1番第1楽章を聴きながら、何故かしら調布市にあるイタリアンレストラン「ラ・マンチーナ」のことを思い出していた。

 最寄駅である仙川駅からは少し遠く、10分以上は歩くということで、いつも車で行く隠れ家的なイタリアンレストランである。

 ほぼ住宅街と言っていい場所にある。店はこじんまりとした造りで、外観に派手さは全くない。内装も穏やかな質感で、カウンターとテーブル席で10数席という広さである。

 夫婦と思われる(もしかしたら赤の他人である可能性もある)男女二人で切り盛りしている。女性がシェフで男性がホール担当である。

 比較的若い(私から見たら)二人であるが、ここの女性シェフは相当にレベルが高い。特に魚料理とパスタが秀逸である。

 知人から数年前に紹介されてから、何度か訪れている。ここに来ると魚料理が楽しみである。肉料理も悪くないが、魚料理になるとぐんとレベルが上がるのである。その繊細にして色彩感豊かな味わいが独特で舌に心地いい。

 もう一つのマイブームである高円寺の「ガッターロ」とは、ある意味対照的な味わいである。「ガッターロ」は力強く男性的な味わいであるが、「ラ・マンチーナ」は女性的で繊細な味わいである。ちなみに「ガッターロ」は30代と思しき男性シェフである。

 GOLDMUND MIMESIS39DAが奏でる音の質感は、「ラ・マンチーナ」の魚料理である。ORACLE CD2000とi-Dac3(市野式DAC)のペアが奏でる音が「ガッターロ」の肉料理というわけでもないのであるが、両者を比較するとMIMESIS39DAのほうが繊細でふわっとしていて、女性的ともいえる佇まいである。

 アルゲリッチというと「じゃじゃ馬」的なイメージを持たれている方もいるかもしれないが、若い時の演奏の印象と、ある程度の年齢に達した時の演奏の印象はやはり違う。

 このCDの収録時すでにある程度の年齢に達していて円熟味が増している。さらに共演している指揮者であるデュトワは繊細にして雄大といった趣の指揮者であるので、MIMESIS39DAで聴くと、その細やかな質感が引き立つような気がした。

 グールドさんのリスニングルームでも感じたほんのり甘ささえ感じられるクリーミーな音の質感が、我が家のヴィンテージシステムでも感じることができた。

 「ラ・マンチーナ」の魚料理を連想させてくれるMIMESIS39DAは、その音質といい、その精緻でクールなデザインといい、本当に素晴らしいオーディオ機器であった。

 その後も何枚ものCDを聴いた。そして聴きながら腕組みした。腕組みだけでなく脚も組んだ。その組んだ脚をほどき、また組んだ。

 「どうすべきか・・・」

 悩むことは楽しいことでもある。また面倒なことでもある。その両面を味わいながら、リスニングルームの中で時間を過ごした。



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