2020/4/17

5151:アルゲリッチ  

 1時間ほどの時間、「KRELLセット」で聴かせていただいた。1990年代のアメリカン・ハイエンド・サウンドは温度感はやや高めである。音質はぼやっとした薄味ではなく、クリアーかつソリッドに描き切る印象。

 鮮明であり、音像輪郭が克明に描写されるが、そのペン先は0.3mmではなく0.7mmぐらいの質感なので、神経質な感じはしない。

 決して淡い陰影で輪郭を間接的に描くような感じではなく、音がぼんやりと後方に浮かぶというよりも、定位感はしっかりとしているが、聴くものにしっかりと届くような音の直進性は独特の魅力がある。

 「では、取り換えてみますか・・・」というこになり、グールドさんはまずMUSIC TOOL社製の3段ラックの上段からKRELL CD-DSPを慎重に降ろした。

 そして、床に置かれ、電源だけがONになっていたGOLDMUND MIMESIS 39DAをKRELL CD-DSPが置かれていた場所にゆっくりと移動させた。

 どちらの機器もそれほどの重さがないので、移動は比較的楽である。移動が完了し、ケーブル類の接続も完了した。

 グールドさんはケーブル類も比較的古い製品を使われているようであった。電源ケーブルやRCAケーブルはJPS Labsのものを使われている。スピーカーケーブルはSTEREOVOX製の細めのものを使われていた。

 セッティングが完了した状態をリスニングポイントであるリクライニングチェアに深く腰掛けて眺めた。

 「これも、悪くないかな・・・」と思った。センターラック方式で二つのスピーカーの真ん中に置かれた3段ラックにはKRELLのプリアンプとパワーアンプの上にGOLDMUND MIMESIS 39DAが位置したわけであるが、当初危惧していたような違和感はなかった。

 そして、「じゃあ、先ほどまで聴いていたショパンのピアノ協奏曲をもう一度聴いてみますか・・・」とグールドさんは仰られて、MIMESIS 39DAにそのCDをセットされた。

 MIMESIS 39DAもトップローディング方式である。アクリル製の蓋を開けてCDをセットするのは、CD-DSPと同じである。

 セットされたCDには、ショパン ピアノ協奏曲 第1番と第2番が収録されている。ピアノはマルタ・アルゲリッチで、シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団との共演である。

 1998年の録音である。アルゲリッチのピアノの魅力は、瞬間瞬間の閃きによる変幻自在な演奏であろう。

 巧みなサポートに定評のあるデュトワの指揮にも支えられ、円熟味も加わったアルゲリッチの演奏が見事に引き立っている。

 KRELL CD-DSPが聴かせてくれた音の記憶を頭の片隅に置きながら、GOLDMUND MIMESIS 39DAが送り出してくる音に慎重に耳を傾けた。



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