2020/3/6

5108:バブル  

 「響工房」の作業場にはやはり数多くのアンプが置かれていた。修理を待っているもの、修理中のもの、修理が完了してオーナーへの引き渡しを待っているものなど、様々である。

 ざっと目を通すと、サンスイのプリメインアンプが2台、ヤマハのプリメインアンプが1台、LUXMANのプリメインアンプが1台、Musical Fidelityのプリメインアンプが1台、KRELLのプリアンプが1台、同じくKRELLのパワーアンプが1台、そしてウェスタン・エレクトリックの真空管式のモノラルパワーアンプが1ペア、それぞれの空間を占有していた。

 いずれも30年以上の年数が経過しているものと思われる。各々の古いオーディオ機器はその辿ってきた歴史をその表情にじんわりと滲ませていた。

 その作業スペースの片隅に私のMarantz Model7はひっそりと置かれていた。他のアンプに比べるとずいぶんとコンパクトに見える。

 特にサンスイやヤハマのプリメインアンプは高級品のようで、サイドパネルが付いていてとても豪華な外観をしている。当然サイズも大きい。

 日本製のプリメインアンプはその大きさと重量が「格」を表していて、整然としたヒエラルキーが存在していた。

 例えばサンスイのプリメインアンプは「607」「707」「907」と型番の数字が大きくなるほど性能も価格も上がっていき、大きさや重量も正比例していた。

 Marantz Model7の近くに置かれていたヤマハのプリメインアンプの型番を確認すると「A-2000a」であった。

 A-2000aは1987年の発売である。時代はバブル経済である。確かにその豪華な外観を見ているとバブリーな印象を受けないでもない。

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 しかし「バブル経済」から連想する一種の趣味の悪さは窺えない。ヤマハらしくバブリーな要素を盛り込みつつも、品よくまとめているような気がした。

 井村さんは「このヤマハのアンプは独自の回路を使っていて、サンスイのアンプよりもいいかもしれない・・・」と評されていた。

 A-2000aに比べてしまうと、ずいぶんと小さく質素にすら見えるMarantz Model7は作業台から所定の位置に移されて、ケーブル類が接続された。



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