2020/1/11

5053:Eno  

 手に取ったミュージックテープは、Brian Enoの「Here Come The Warm Jets」であった。Brian Enoの初のソロアルバムである。1973年のアルバムである。

 そのジャケット写真は私にとって懐かしいものである。私はこのアルバムは持っていなかった。私が中学生の頃唯一持っていたBrian Enoのアルバムはソロ3作目である「Another Green World」であった。

 このアルバムは友人が持っていたので、その友人の家にあるオーディオセットでカセットテープに録音してもらって、それを持ち帰ってラジカセで聴いていた。

 その当時家にあったラジカセはSONY CF-1480であった。比較的小型のラジカセであたが、デザインが素晴らしく良かった。

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 今目の前にあるラジカセはSONY CF-1980である。「喫茶店Mimizuku」には何台かのラジカセがるようである。以前はステレオタイプのものが置かれていたこともあった。

 きっと亡くなったご主人が複数台購入していたのであろう。いずれもSONY製で1970年代に製造販売されたものである。

 CF-1980はベストセラー商品であった。デザインもすっきりとまとまっている。しかし、個人的な好みで言えば、CF-1980よりも、かつて私の家にあったCF-1480の方がデザインは好きである。ちなみにCF-1480は1974年のグッドデザイン賞を受賞している。円形を上手く活用しながらもあくまでシックにまとめているあたりに当時のSONYのデザイン力の底堅さが窺える。

 Brian Enoの初ソロアルバムを収録したミュージックテープをカセットホルダーに入れて、PLAYボタンを押した。

 カセットテープがゆっくりと回転を始めた。クリーニングテープ部分を通りすぎて、やがて1曲目が曲が流れ出してきた。

 1曲目は「Needles in the Camel's Eye」。このアルバムは総じてアヴァンギャルドであるが、意外とポップで親しみやすさも兼ね備えている。

 Brian Enoのソロ第1作と第2作では、独特のアバンギャルド・ポップが提示される。このアルバムの最初のこの曲はその特徴を如実に表出している。

 ラジカセでこのアルバムの曲を順次聴きながら、カウンターに置かれたナポリタンを手早く胃袋に納めて、すっきりとした味わいが特徴のMimizukuのブレンドコーヒーを飲み干した。

 まだ、Brian Enoのミュージックテープはその収録曲の全てを鳴らしきっていなかったが、会計を済ませて店を後にした。

 店の外は既に真っ暗である。日中は比較的暖かかったが、夜になるとさすがに冷えた。店を出て少し歩いた。ふと思った。くるっと振り返って今出てきた「喫茶店 Mimizuku」の方を見ると、その店は跡形もなくその存在を消しているかもしれない・・・・そんな気がしたが、振り返ることはなく、コインパーキングの方へ歩いていった。



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